「「面白い」が消されてしまった」メン・イン・ブラック3 Blueさんの映画レビュー(感想・評価)
「面白い」が消されてしまった
『メン・イン・ブラック』が面白いのは、想像もつかないようなエイリアンたちが 人々の日常生活の一コマに佇んでいるのを グワッと捕まえ引きずり出し、皆がビックリするところ。 そのエイリアンを取り締まる勇敢な捜査官 Kの過去にスポットあてた本作品。
もっとエイリアンを見ていたいか、それとも 過去に戻り歴史を一緒に目撃するか。。。 前者希望のエンタメ重視としては ちょっとガッカリ。 過去へさかのぼる部分も『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)』で出尽くしたと思うので、同じ流れで撮っても 興奮せず。。。 かと言って『インセプション(2010)』みたいに複雑な演出にすると それはすでに『MIB…』ではなくなるので 妥協を強いられる。。。 とどのつまり、『MIB3』と呼ぶには ドラマ性が全面に出てて 面白味に欠けてると思いました。
そろそろKを引退するのかと思われた トミー・リー・ジョーンズ。 まだやるのかしら? 動ける? あの終わり方、「じゃ『MIB4』はどうするのよ?」って 変な心配しちゃいました。
Kの若かりし日を演じた ジョシュ・ブローリンは、まぁ29歳には見えませんでしたが トミーの形態模写はバッチリだったと思います。 『グーニーズ(1985)』のブランドお兄ちゃん、真面目な仕事が多い演技派だけど コメディも忘れずにいてくれて良かった!
トミーの分も頑張るハメになった J役のウィル・スミス。 そっかぁ、ウィルも だんだん年をとるんだね(あたりまえだけど、笑)。 笑わせる演技も ちょっとセンチメンタルになる演技も、全部一人でこなさないといけないから 大忙し。
ニューラライザーを使うシーンは 以前はあんなにウケたのに 今回は不発に終わり、更には切なくなる 後半。 もう「面白い」という言葉も 記憶から消されてしまった。。。
悪い作品ではないけれど、私が期待したものと製作者の意図がクロスしてしまった 3.0。 『MIB』なのに、BD待ちでもよかったと思いました。
P.S. マイケル・スタールバーグが演じた エイリアン・グリフィンは 今いろんな作品で取り上げられている “アスペルガー症候群”の人をイメージさせるような言動・行動が 印象的でした。 マイケルも演技派、『シリアスマン(2009)』が記憶に新しいです。