「2010年を締めくくるのに相応しい1本」バーレスク マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
2010年を締めくくるのに相応しい1本
話はよくあるサクセスストーリーで、借金まみれの“バーレスク”の再建と、フィアンセ持ちの男との恋が絡むものの、いたって単純なものだ。ところが、本当に才能のある人が主役と脇役を固めると、ものすごいエネルギーを放出することがよくわかる。
女を武器にしたちょっと淫靡な振り付けとダイナミックで心を揺さぶる歌で構成されたショーは、ゾクッとするほど素晴らしく、これだけで支払った料金は安いと思うほどだ。いったい、アギレラのあの細い身体のどこからあんなパワーのある声が出てくるのだろう!?
低音はもちろん、ドラムの音もライブ会場にいるようで、ぜひ音響システムのいい劇場を選んでほしい。
このショーのシーンに、アリの私生活の変化を追うカットが挿入されるが、ビデオクリップ的な編集が巧く、歌をまったく邪魔しない。
終盤のシェールによる大人のバラードも必聴。
男優陣もいい。舞台監督ショーン役スタンリー・トゥッチの安定した演技と、バーテンダー・ジャック役キャム・ディガンデットが中性的な色気で、女たちのステージを盛り上げる。
色よし、音よし、女よし、ついでだが男もイケてる。2010年を締めくくるのに相応しい1本だ。
観終わると手をたたきたくなる。
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