「戦争映画としての魅力」世界侵略 ロサンゼルス決戦 MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争映画としての魅力
本当に二時間ノンストップの激戦を披露してくれた。エイリアンは統制もとれており、どこか人間と同じような作戦を立てて攻撃をしてくる。印象強いのが負傷したエイリアン兵一人を仲間が抱えて救出するシーン。このような今までこの手の作品では味わうことのできなかった描写をチラリとさりげなく描いてくれていて好感触だ。
内容や迫力はやはりアメリカ映画であり、侵略の様子や、エイリアンの戦闘マシンなどSFっぽさが表れている部分は当然多く、ハリウッドならではと言えるビッグスケールの作品として十分に記憶に残る作品だ。しかし全体を通してそれほどSF映画を観たという感覚は意外にも少ない。それにも勝って強く思い起こさせられるのが戦争映画だった。
それは本作の持ち味である、軍人目線で二時間まるまる使った銃撃戦がそれに一役買っているのだろう。ストーリーもそうだ。そこに生まれる人間描写も軍人目線だからだ。敵がエイリアンだろうと他国の人間だろうとやることは同じである。祖国や愛する家族のため、身を粉にして戦うのだ。それはある事情で他惑星を侵略せざるを得なかったエイリアンも同じである。そういう描写は本作が特に強いと思われる。緻密なストーリーを見たい気もしたが本作の作風からしてそれは不要だったのだろう。ひたすら戦闘に徹底した本作には頭が下がる思いだ。
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