マネーボールのレビュー・感想・評価
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大人の孤愁が漂うブラッド・ピットに惚れ直した
貧乏野球チームのGMが、セオリー無視の理論を採用して下剋上を狙う、という物語。
野球の事はてんでわからないが(すいません!)、主人公が、業界全体や自分のチームすらも抵抗する中で自分の信念を貫いていく様は素直にカッコいいと思えた。
本作が素敵なのは、主人公の苦悩の描き方。
何かに溺れるでもなく、ヤケになるでもなく、静かに逆境に耐える姿と、全く上手く行かない現実が淡々と提示されるのには、妙なリアリティがあって、自分を省みてしまう(笑)
もちろん、映画的な「逆転大勝利!」は待っているのだが、その「噛みしめ方」が、ブラッド・ピットの好演とあいまって、また良い。華やかではないのが素晴らしいのだ。
それにしても『リバー・ランズ・スルー・イット』のブラッド・ピットから「ここで辞めたらオレは中卒の四十代ってだけだ」(意訳)って台詞を聞くとは思いもしなかった(笑)
(役者とはいえ年齢を重ねるのは当たり前の事ではあるのだけれど。)
思わず画面を見直すと、普通に渋くカッコいいブラッド・ピットが!
…いやぁ、良い年の取り方をしてる役者ってのはいいもんですなぁ。
自分の考えを貫く。上手くいかない時に感情を爆発させても、決して途中...
自分の考えを貫く。上手くいかない時に感情を爆発させても、決して途中で投げ出すことなく、淡々と我慢に我慢を重ねて結果に導いて行く、ブラピにぴったりの役柄と演技。
原作と比較すると、厚みがなかった。
ブラッド・ピットの演技がしっかり堪能できる作品でした。この方の存在感はやっぱりスゴいですね♫
原作は、読んだことあるけど、内容はおぼろげです。原作のボリュームをコンパクトにしないといけない事情はあったと思うけど、具体的な数字がほとんど出てこなかったのが、残念でした。セイバーメトリクスという単語も、原作で登場した様々な指標もほとんどなく、出てきたのは出塁率のみ。投手指標については、1つも出てこなかったんじゃないかな。なので、特に投手に関しては、なぜその選手がいいのかがイマイチ伝わって来なかった。。選手の良さが伝わって来なかったから、いつの間にか連勝して、いつの間にかプレーオフに出て、いつの間にか負けてしまったという印象でした。
あと、ドラフトの選手選び、他球団との駆け引きがなかったのも残念・・。(原作ではここが一番おもしろかったので。。)
A'sと出塁率
大学4年の卒業旅行で、サンフランシスコから車で約1時間のプレザントンという街にホームステイした。
そこの家族はハイソな人で当然サンフランシスコジャイアンツびいきと思ったら。。A'sファンだった。判官びいき。今にしてわかる気がする。
出塁率。確率論。得点率。。野球の監督、コーチをしたら気がつく勝利の理論。
少年野球ならまだしも、それをメジャーで徹底させたこのコンビ、凄い。
ブラビが太っちょの参謀をインディアンズから引き抜くところ、格好良かった。
弱小チームがジャイアント・キリングを起こす!大好きな設定!…のはずなんだが…
弱小球団オークランド・アスレチックス(通称「A's」)を立て直したGM、ビリー・ビーンの実話を基にした野球映画。
人気・実績ともに低迷していたA'sを復活させるため、ビリーは「セイバーメトリクス」という評価手法を駆使するピーターという男と手を組み、チーム再建を目指す。
主人公ビリーを演じるのは『セブン』『オーシャンズ』シリーズの、後のオスカー俳優ブラッド・ピット。
ビリーの相棒ピーターを演じるのは『もしも昨日が選べたら』『ナイト ミュージアム2』のジョナ・ヒル。
A'sの監督アート・ハウに『あの頃ペニー・レインと』『M:I:Ⅲ』の、オスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマン。
ビリーがスカウトした一塁手、スコット・ハッテバーグには『ウォンテッド』『ブライダル・ウォーズ』のクリス・プラット。
第77回 ニューヨーク映画批評家協会賞において、脚本賞を受賞!
ブラッド・ピット主演の野球映画。
とはいえ野球の描写は必要最小限に抑えられており、メインは弱小球団のGMであるブラピが、いかにしてチームを強化するか、そして彼の内面的回復・成長が描かれています。
弱小チームのジャイアントキリングかつ、負け犬達のワンスアゲインものという個人的な好みにドンピシャなテーマを扱っているはずなのですが、イマイチノれなかった…
いい映画だとは思います。ラストシーンにはホロっときましたし、クリス・プラット(今とイメージが違ってキャストを見るまで気がつかなかった…)が代打でかっ飛ばすシーンは熱くなりましたが、全体的に静かで正直つまらなかった。
ブラッド・ピット扮するビリーは傍若無人で粗野な男。キレやすくすぐに物に当たる乱暴なところがあるが、頭は抜群にキレる優秀なGM。
指パッチンとかホワイトボードに選手のネームが書かれたマグネットをなげて貼り付ける所とかいちいちカッコいい。まさにブラピのために作られたようなキャラクター。
野球選手として期待されながらも、活躍することが出来ず夢半ばでマウンドを去った経験が彼の心に大きな傷となって残っており、そのため野球への愛情を失ってしまっています。
そんな彼がデータに強い男ピーターと出会い、バディを組んでチームを強化し、リーグを闘っていくというお話し。
ピーターを演じるジョナ・ヒルの冴えない感じが凄く良かった。
映画はビリーに関する描写が多く、他のキャラクターは脇役と言っていいでしょう。そのためビリーとピーターのバディ感が薄くなっていたのが残念。
選手はチームを勝たせるためのコマとして一貫して描かれており、個々の選手の掘り下げなどはありません。
これがないのでアスレチックスというチームに愛着が湧かなかったのも、この映画にノれなかった理由の一つだと思います。
故・フィリップ・シーモア・ホフマン演じる監督の無能っぷりにイライラ。
まぁブラピに従えない気持ちもわかるけどさー。
チームが軌道に乗り始めるきっかけも描写が薄く、なんで急に調子良くなってんのかイマイチわからなかったのもよくないかなぁ。
全体的にはノれなかったが、ビリーのキャラクターは凄く良かったし、娘の歌がビリーの心境と重ね合わさるエンディングは美しい。
明日への活力をもらえるいい映画なのは間違い無いです!
野球好きはみるべし!
ビリー(ブラッド・ピット)の相棒役のデブ、ピーター。
彼のデータは偏見が無く、
選手1人1人を、マイナーの選手まで冷静に診断し、
チーム(アスレティックス)に誰が必要か、
或いは誰が不要なのか的確に助言する。
その彼の役どころがとても羨ましく、
ちょーアコガレの眼差しで見てしまった。
今作は平たく言うと、
野球の様々な場面を統計学で分析し対策を出す、
スポーツを数字化した「革命」を描いている。
「革命」の指揮者はビリーだが、
ビリーはピーターがいなかったら、
只の劇場型のGMに過ぎなかった。
ブラピの娘役、かわいいし歌が上手い。
「彼女が不細工なのは自分に自信がないからだ」
これ名言。
徳が高く見えるより、実際そうであるほうが重要なのだ
ビーンは、引退の決断を下した。退団を迫られたわけではなかった。自ら引退を決め、オークランド・アスレチックスの球団スタッフとなったのだ。この決断とその後に起きたことは、野球界のほとんどの人にとっては予想外の出来事だった。野球では見かけは成功を推測する良い指標にはならないという自らの経験に基づき、ビーンは、スカウトの際の採用決定プロセスに革命を起こしたのである。(中略) ビーンが探していたのは「今までの野球人生で、注釈付きでしか理解してもらえなかった選手だ。注釈には "この人物はメジャーリーガーには見えないので、たいした活躍はできない" と書かれている」。だが、そうした選手は活躍して成功した。なぜならビーンは見かけを超えた真実を見抜くことができたからだ。彼は「ユニフォームが似合うかどうかという最初のテストに失敗した若者」、つまり過小評価されていた若者を探していた。これこそ、ビーンをゼネラル・マネージャーとして大成させた理由だった。ビーンは、裕福なチームよりずっと少ない予算で偉大なチームを作り上げることができたのだった。───(みすず書房『第一印象の科学――なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?』)
あなたが生まれた日に、神様がコインを投げて賭けをしたとしよう。表が出たら、あなたは生涯究極の正直者を通すが、あらゆる人々からならず者だと思われる人になる。裏なら、常習的なうそつきなのに、模範的な人物と見なされる。さああなたは、どちらの人生を選ぶだろうか? 西洋哲学史で、人類にもっとも大きな影響を与えてきた書物の一つ、プラトンの『国家』は、表を選ぶべきだとする議論を長々と展開している。彼によれば、徳が高く見えるより、実際そうであるほうが重要なのだ。───(紀伊國屋書店『社会はなぜ左と右にわかれるのか――対立を超えるための道徳心理学』)
将棋に「成る」というルールがあります。上級者は、あえて「成らず」という手も使います。成らないことで、香車や桂馬や銀は、金よりは、動きが制限されますが、その駒独自の動きを、生かすことができるのです。成金になれる時でも、あえて「成らず」を選べば、人生の有段者。───(ソーテック社『目力の鍛え方』)
格好良すぎる
あまりにカッコ良く描かれすぎているように感じるけれど、起こった結果は全て本当のことなので真実味はあったし、実際の映像や音声を有効に利用してとことん洗練された話に仕立てているこの格好良すぎる物語に、かなり魅せられてしまった。
音楽も徐々に盛り上がっていく物語に非常にマッチしていて、ナチュラルに興奮させられた。
淡々としていてリアリティがあるけれども、妙にドラマチックに感じるのは、ベネット・ミラー監督のなせる技なのかなと実感するところ。
これジョナ・ヒル? フィリップ・シーモア・ホフマン?
ジョナ・ヒルは『ドント・ウォーリー』で初めて認識したので、あまりの体型の違いに困惑した。作品によってもバラバラだし、どちらが最終形態なのだろう?
故ホフマンもエンドクレジットで気づいて慌てて確認することに。
ブラピも悪くないが、今作ではこの脇の二人が特に良かった。
現実は変えられないが、それでもうまく盛り上げる作りをしていたと思う。
野球好きな視点でも経済的な視点でも楽しめる
野球をデータを用いて統計学の観点から分析し、戦略を考えることで経営危機に陥った球団を再建していく話。
感性を大切にしていた業界を理論的に数字で立て直していく。
財力ある球団と財力のない球団の対比が描かれていることで、野球が好きな人にも楽しめる作品だが、経済的な視点や投資家的な視点で見ても楽しめる作品。
感性や古いシステムに頼り切ってないか?
自分を振り返り、新しいことをチャレンジの大切さをあらためて感じた。
経済学にも通づるような理論
個人評価:3.7
もっと野球を楽しんで。
最後の娘の歌詞にあるように、アスレチックのGMの苦悩の面を中心に描き、栄光や喜びはほんの一瞬の描写だ。
球団はお金で選手を買うんじゃない、勝利をお金で買うんだ。スポーツ業界だけでなく、全ての経済学にも応用できそうな哲学である。
俳優陣が豪華で見所の1つ。
色んな角度から楽しめる映画
ベースボールの本場アメリカを舞台に、貧乏球団のGMを任されたビリー・ビーンが挫折を経験しながらチームとともに成長していく物語。
GMとはゼネラルマネージャーの略で、チーム編成やマーケティングなど球団経営における重要な決定権を持ち、いわばチームという枠を超えた球団そのものを強化していく設計図を描く役割。
私たち野球ファンはグラウンド内の戦いに一喜一憂しますが、グラウンドの外でも色んなドラマが起きていたんだなと感じ、とても新鮮でした。
マネージャーの部分が色濃く描かれており、私も会社で部下を持つ立場として参考になる部分が多くありました。
ブラッド・ピッドとジョナ・ヒルの二人もそれぞれ良い味を出していてハマり役でしたし、要所で挿入される音楽も素晴らしく思わず泣きそうになりました。
色んな視点から見て楽しめる映画だと思います。
野球好きな方はもちろん、あまり野球に興味がない人にもぜひお勧めしたい映画です。
統計が全てとは思いませんが、、、
私はなんでも統計や計算など、理性的に解決できるわけではないと思うし、(スポーツなんてのは統計で測るには作用素が少ないように思える)そもそもスポーツはビジネスである前にエンターテイメントではないのか?など色々考えてしまうが、唯のサクセスストーリーで終わりがちなスポーツ映画には珍しい新鮮な話ではあったが、ノンフィクションですって。
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