劇場公開日 2011年11月11日

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「ちゃぶ台返しや物に当たり散らす人は…」マネーボール KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ちゃぶ台返しや物に当たり散らす人は…

2024年7月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

この作品は、キネマ旬報ベストテンで
「ゴーストライター」
「ソーシャル・ネットワーク」
「英国王のスピーチ」
がベスト3を占めた年に
第6位に選出されるという高評価ながら、
全く知らないでいた作品だったが、
昨年鑑賞した「カポーティ」の
ベネット・ミラー監督作品とも分かり、
興味が高まる中で初鑑賞となった。
しかも、「カポーティ」の
フィリップ・シーモアが監督役という
嬉しいおまけ付きだった。

アスレチックスには約50年前の
Wシリーズ3連覇の黄金時代をはじめとする
20世紀の輝かしい戦績があったが、
この作品はその後の21世紀に入ってからの
話だった。

現在下位に低迷するアスレチックスは、
21世紀に入って、この作品で描かれたように
幾度か地区優勝の栄冠は得たものの、
Wシリーズは元より、
リーグ優勝も果たせない状態にあるようだ。

この作品での統計学の活用というと、
野村ID野球が思い出される。
時代的には野村の方が先だが、
このGMが日本の野球からヒントを得ていた
可能性などはあるのだろうか。

この時代の一時的なチームの躍進は、
GM視点で描かれた。
しかし、実際は
チーム全体の工夫によるものだったろうし、
作品冒頭での
“野球の奥の深さには常に驚かされる”との
ミッキー・マントルの言葉もあるものの、
一方、野球は正に“マネーボール”の世界で、
ヤンキースやドジャースを見ても
分かるように、
実際は“金次第”の要素も大きく、
それだけに、“金次第を超える”要因で
この作品も受けたのだろう。

ところで、私はちゃぶ台返し等、
物に当たり散らす人間は好きではない。
(誰が片付けるんだ!、自分で片付けろ!)
これがドラマ化での設定ではないとしたら、
周りの方々にとって、このGMは
扱いにくい人物だったのではないだろうか。
作品の程度以前に
そんな好き嫌い感覚が頭をもたげ、
この作品の評価に影響したかも知れない。

KENZO一級建築士事務所
瀬戸口仁さんのコメント
2024年11月17日

この場をお借りして、共感&フォローいただき、有難うございます。
(一言お礼申し上げたかったのみで、重ねてのコメントはしませんし、ご返答のお手間が無くても構いません)
本作についてというより、私も何かにつけて物に当たる人は好きではありませんし、映画の中でもそういうシーンがあると快く思わない人間ですので、まさに「共感」させていただきました。
乱筆乱文ばかりのレビューですが、今後もよろしくお願いします。

瀬戸口仁