「大人の孤愁が漂うブラッド・ピットに惚れ直した」マネーボール zeruminaさんの映画レビュー(感想・評価)
大人の孤愁が漂うブラッド・ピットに惚れ直した
貧乏野球チームのGMが、セオリー無視の理論を採用して下剋上を狙う、という物語。
野球の事はてんでわからないが(すいません!)、主人公が、業界全体や自分のチームすらも抵抗する中で自分の信念を貫いていく様は素直にカッコいいと思えた。
本作が素敵なのは、主人公の苦悩の描き方。
何かに溺れるでもなく、ヤケになるでもなく、静かに逆境に耐える姿と、全く上手く行かない現実が淡々と提示されるのには、妙なリアリティがあって、自分を省みてしまう(笑)
もちろん、映画的な「逆転大勝利!」は待っているのだが、その「噛みしめ方」が、ブラッド・ピットの好演とあいまって、また良い。華やかではないのが素晴らしいのだ。
それにしても『リバー・ランズ・スルー・イット』のブラッド・ピットから「ここで辞めたらオレは中卒の四十代ってだけだ」(意訳)って台詞を聞くとは思いもしなかった(笑)
(役者とはいえ年齢を重ねるのは当たり前の事ではあるのだけれど。)
思わず画面を見直すと、普通に渋くカッコいいブラッド・ピットが!
…いやぁ、良い年の取り方をしてる役者ってのはいいもんですなぁ。
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