劇場公開日 2010年12月17日

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「28年の時を超えた進化!」トロン:レガシー おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 28年の時を超えた進化!

2025年10月12日
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鑑賞方法:VOD

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■ 作品情報
監督はジョセフ・コシンスキー。主要キャストはギャレット・ヘドランド(サム・フリン役)、ジェフ・ブリッジス(ケヴィン・フリン/クルー役)、オリヴィア・ワイルド(クオラ役)、マイケル・シーン(キャスター/ズース役)、ブルース・ボックスライトナー(アラン・ブラッドリー役)など。
脚本はアダム・ホロウィッツとエドワード・キッツィス。製作国はアメリカ。

■ ストーリー
1989年、デジタル界のカリスマであるケヴィン・フリンが謎の失踪を遂げた。20年後、成長した息子のサムは、父からの奇妙なメッセージに導かれ、父がかつて創り出した仮想世界「グリッド」に転送される。グリッドは、父ケヴィンのデジタル上の分身であるプログラム「クルー」によって支配される独裁的な世界と化していた。クルーは自らの理想とする「完璧な世界」をグリッドに築き、その秩序を乱す存在として意思を持つプログラム「アイソー」を粛清していた。彼はさらに、現実世界への侵攻を企んでいる。グリッドに囚われていた父ケヴィン、そしてアイソーの唯一の生き残りであるクオラと再会したサムは、クルーの野望を阻止するため、そして閉ざされゆく現実世界へのポータルから脱出するため、彼らと共にグリッドでの命がけの戦いに身を投じることになる。

■ 感想
前作『トロン』を鑑賞した翌日に、立て続けで『トロン:レガシー』を観ました。28年ぶりの続編とのことですが、個人的にはわずか一夜にして、デジタルの世界がこれほどまでにスタイリッシュに激変したように感じられ、ただただ驚くばかりです。

前作では、どこか昭和のビデオゲームを思わせるチープな印象だったメカの造形は、信じられないほどリアルで迫力満点に進化しています。特に、ディスク・バトルやライト・サイクル・バトルといった見せ場は、前作の魅力をそのままに、革新的な映像表現で圧倒的な没入感を与えてくれ、息をのむ美しさです。

ストーリーも前作ではやや物足りなさを感じましたが、今作ではしっかりと練り込まれており、最後まで飽きることなく引き込まれました。前作の主人公ケヴィンが重要な役どころで再登場している点も、物語の連続性を強く感じさせ、とてもおもしろかったです。

もちろん、ややテンポが落ちると感じる部分や、クオラの存在が少しわかりにくいと感じる点など、気になる部分が全くないわけではありません。しかし、それらを補って余りある映像体験と、進化した物語は、前作を確実に上回るものです。本作を観て、新作『トロン:アレス』への期待が改めて高まったことは間違いありません。

おじゃる