「あえて古めかしいサイバーワールドを描いた作品」トロン:レガシー 温故知新さんの映画レビュー(感想・評価)
あえて古めかしいサイバーワールドを描いた作品
この作品は評価が難しい。
①1982年の『トロン』の続編ということで、『トロン』に敬意を表しているのは正しい。
ケヴィン・フリン/クルーを演じたジェフ・ブリッジスとアラン・ブラッドリー/トロンを演じたブルース・ボックスレイトナーが健在で、27年後に同じ役を演じると言う配役は絶妙。『トロン』の80年代のアーケードゲームの世界観を最新鋭のCGでそのまま描き直した。
②CGはすばらしかった。
若いころのケヴィン・フリンやクルーを演じたのはCG俳優だと言う。人間の俳優かと思ってみていた。
③しかし、現代のSF映画としてみると、描写もテーマ性も物足りない。
もっとも、ちゃんとこれからのデジタルの世界をリードしていくであろうプログラムを登場させている。小説や哲学、宗教をも理解するISO(アイソー)というプログラムだ。このアイソーの作るサイバースペースのイメージはスマートフォン時代にふさわしい創造的なものになるのではないか。
④今回の作品はおそらく、『トロン3』へのつなぎの作品なのだ。バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2のような位置づけだ。恐らく、『トロン3』は、現代的なテーマをふんだんに盛り込んだ映画になるのだろう。
つまり、物足りない部分もあるが、それは旧作と新作とのつなぎだからやむを得ない。次作をみて初めて、全体が評価できるのではないか、という感じだ。
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