劇場公開日 2010年9月25日

「引きこもりについて。」おにいちゃんのハナビ Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5引きこもりについて。

2013年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

幸せ

難病物の黄金パターンに、兄妹愛やひきこもり問題がプラスされていて、けっこう泣けました。

でも、事実に基ずいているらしいけど、引きこもり問題の部分にかなり違和感がある。

引きこもりたいけれどもご飯食べていけないので、しかたなく働いていると自分で思っているところから言わせてもらうと、この描き方はだめだと思う。

高校時代はたいへんだったらしいけど、その辺を飛ばしているところがだめ。

そもそも、こんないい妹や両親、まわりの人々、登場人物が全員善人なら引きこもるわけがない。

自分の、引きこもりたいって部分の原因を考えてみると、子供のころから、両親や学校に叩き込まれてきた性善説みたいなものじゃないか?と思うときがある。

世の中はいい人ばかり、世間の仕組みは正しくて、努力すれば夢はかなう。

これ全部、まったくうそとは言わないけど、ほとんどうそでしょう?

世の中、ものすごく変な奴、すきあらば裏切ろうとするやつ、自分の利益と生き残り(あるいは上にいくこと)しか頭にないやつばかり、いい人はごく少数(勘違いかもしれないけど・・・)。

世間は金で動いていて、正しいか間違っているか?と聞かれれば、間違っている、と言うしかない状況。

夢もどういうものかによるけど、プロ野球選手とか、プロサッカー選手みたいなものだと、宝くじの一等が当たる確率に近いものがある。

やっぱりすごくやりにくいし、いろいろさしさわりがあるのかもしれないけど、引きこもりを少なくしたいのなら、本当のことを教えるべきなんじゃないかな?

世の中はひどい、人を見たらどろぼうと思え、夢はかなわないことの方が多い、みたいな・・・。

現実的な対応として、否定的な部分もうまく使い分け、どろどろぐちゃぐちゃな状況でも平気でやっていけないと、実際今の世の中苦しくて生きていけないと思う。

泣かせるためにはしょうがないのかもしれないけど、こういう設定にはかなり抵抗がある。

Push6700