「映画館の大きなスクリーンで見る大玉の花火は、実際より迫力あって美しい。」おにいちゃんのハナビ aotokageさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館の大きなスクリーンで見る大玉の花火は、実際より迫力あって美しい。
映画館の大きなスクリーンで花咲く大玉の花火は、実際見るより迫力あって美しい。
新潟県小千谷市の片貝まつりでは、神社に奉納するという形で個人がそれぞれの記念の花火を打ち上げられるという。その中の実話を映画化したもの。
白血病で入院していた華(谷村美月)が一時退院して自宅に戻ると、兄太郎(高良健吾)は、ひきこもりになっていた。
明るく元気な華は、その兄を外に連れ出そうと大奮闘する。
残りの人生を兄が立ち直るために尽くす華には、兄が引きこもりになったのは自分の病気療養のため家族で東京から引っ越してきたことが原因…という負い目があった。
兄を部屋から下の食卓に引っ張り出すことはできたが、父は治療費を稼ぐために深夜まで個人タクシーで働いている。
家族4人が揃って食卓をかこむことは難しい。
ささやかな幸せさえも叶えられないことが悲しい。
華に背中を押されて、太郎は新聞配達をしたり、たった一年だけ同級生だった地元の成人会に入ったりしたのだが、華が再び入院することになって……。
妹のためにできること、それは妹が見たがっていたお兄ちゃんの花火をあげること。
演技上手な高良健吾がわざと下手に見せて内気な兄を演じてる。
もともと妹キャラの谷村美月は、そのままの役でぴったり。
せっかく髪を剃り上げてこの映画にのぞんだのに、かつらだとばらすシーンがあっけなさすぎた。
匂わせておいて、その後の衝撃シーンではじめて明かした方がよかった。もったいない。
後半の展開が少しわかりにくかった。
太郎が花火を作り始めるのが唐突。
たぶんその前がカットされてしまったのでは?
難病ものの映画は多いが、ほとんどは恋愛映画。
兄妹愛を描いたことでドロドロしたところがなく、爽やかで健全な映画です。
昔なら文部省推薦になってた。
でもやはり、華の残した色々なメッセージに最後は泣けてしまう。