「Mr.お爺ちゃん。」ウォール・ストリート ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
Mr.お爺ちゃん。
Mr.インサイダー、G・ゲッコーの逮捕から23年(実質)経ち、
予告で何度も見せられるあのケータイ電話の大きさ^^;が
何ともいえない風情を保つ冒頭場面。
出所後お迎えのリムジンには、ギャングが乗り込む時代、
様々な手で時代は変わったと彼に訴えているのが面白い。
そんなMr.も見事に歳をとり^^;今作の撮影中には病を勃発、
気のせいか痩せ、声や発音が聞き取り難い部分もあって、
あ~もう彼も時代の産物なのか…なんて思いきや、もちろん
後半は煌びやかな格好で黒気づいてきますのでご安心を^^;
今や時代は変わり、金融情勢もあの頃とは違う。
それを感じ取り、周囲へ警告し、まだまだ分析力では衰えを
見せないゴードン。ラブーフ演じるジェイコブが惚れ込むのも
分かる気がするカリスマ性とその魅力。こんな男に騙されて
しまうのは、日本の一般投資家でもいるんじゃないだろうか。
娘やその彼氏をも巻き込んで、着々と這い上がるゴードン。
こういう性分は(娘もそう言ったように)変わるもんじゃないし、
映画のキャラとしては(観る方にとっても)変わって欲しくない。
が、今回の彼は、ラストでどういう選択をとったか…。
23年前の作品と続編にあたる今作を同等に比べられないが、
家族の絆を前面に推し出した部分を老体の極みだととるか^^;
時代の流れととるか、その辺り監督の思惑の程は分からない。
人間的に観れば、あのラストで本当に良かったと思えるし、
ウォール街的に観れば、何やってんだよ、ゲッコー!となる。
私は今作には黒好みなので^^;やや気落ちしたけれど、でも
金が若者の前途を奪うのは許せない。欲は善。欲は合法。と
言い切るゴードンにやや人間的光が射した瞬間なんだろうか。
O・ストーンも歳をとり(顧客役で何度も出てくるので笑えた)
チラリ出演するC・シーンも当時の輝きを失った(大丈夫か?)
ラブーフやマリガンは演技力よりその幼さが際立ってしまい、
90歳を過ぎたE・ウォラックには、アンタが主役か!?という
生き残り性が満載(ケータイの着メロと合わせ今回は笑える)
いろいろ盛り込んだおかげですっかり精気を失った感もあるが、
これぞ時代と金の流れ。ということになるのかな。
(しかしダグラスにはまだ男の色気がいっぱい。頑張れMr.!)