「軽いお遊びもある極上のエンターテイメント」ウォール・ストリート ミケランジェロさんの映画レビュー(感想・評価)
軽いお遊びもある極上のエンターテイメント
名作「ウォール街」の続編。原題から「ウォール・ストリート」だけを取り、正確にいえば正編、続編が同じタイトルというちょっと変わったシリーズになっている。
逮捕されたゴードン・ゲッコーの手荷物から時代の変化を表しており、まるでゲッコーが時代遅れの人間のように描かれているオープニングが魅力的だ。それから、前作のチャーリー・シーンと同じようにシャイア・ラブーフが野心に燃える金融マンなのだがチャーリー・シーンほどの野心はなく少し保守的で冷静さが備わっており、攻撃的ではない。
今回はサブプライムローンなどを背景に世界的な不況と照らし合わせながら物語は展開していき、スマートフォン、ハイブリッドカー、エコ・エネルギーなど21世紀を象徴する物が続々登場し、また難しい金融用語が出てきても置いてきぼりにされないような配慮された演出も抜群だ。
所々のお遊びも今回の魅力の一つだ。画面分割のシーンでも前作と同じように監督のオリバー・ストーン本人が今回も登場し、シャイア・ラブーフの着メロは「続 夕陽のガンマン」のオープニング曲だ。これは、「続 夕陽のガンマン」で“汚い奴”を演じ、本作で金融界の大御所として出演するイーライ・ウォラックへの敬意の表れだろう。金融意外でもこういったお遊びが所々にあるので、そこも見所の一つです。
善人?になったゲッコーが本作で何をするのか?是非、観てみて下さい。
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