「マイケル・ダグラスは楽しめるが現実の後追いと配役のまずさが問題」ウォール・ストリート antさんの映画レビュー(感想・評価)
マイケル・ダグラスは楽しめるが現実の後追いと配役のまずさが問題
「ウォール街」の続編なのでゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)が出所してくるところから始まる。そこは予告にもあるように大きなケータイで笑いをとる。これを傑作かと問われればノーと答えるが、面白いかと問われればイエスと答える。オリヴァー・ストーンと言えば親子関係だが、今回ゲッコーの子供は娘なのでいつもとはちょっと様子が違う。娘の恋人が出てきてゲッコーと擬似親子関係になって対立するがやはり間接的なので濃い話にならない。
今回うまくいっていないと思うのは俳優の年齢。マイケル・ダグラスより上のイーライ・ウォラッやフランク・ランジェラ、下の世代のジョシュ・ブローリンはいるのに30代の俳優は飛ばして20代のシャイア・ラブーフになってしまうのだ。それなのに娘役のキャリー・マリガンは老け顔というバランスの悪さ。ウォール街は20代のネット世代が強いからかとも思ったがそういう設定でもないらしい。
それより問題なのはサブプライムからリーマンまで現実をなぞったような話なので展開が読めるのが辛い(最後はウィキリークスを先取り?)。結局はゲッコーの飄々としたキャラクターが映画を支えている。それに最後の展開は甘いように感じる。ストーンも年を取ったということか。
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