デイブレイカーのレビュー・感想・評価
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主食が血液な人のお話
バンパイアが人間社会と取って代わり、血吸いすぎ、仲間作りすぎで、人間が絶滅の危機にあることで悩んでいるバンパイア。
これだけでどれだけ妄想できることか、映画オタにはたまらない設定。
で、「デイブレイカー」。
本作をよくぞ映画にしてくれた、とこの設定を映画で観れたことを喜ぶ人。
この設定でよくぞここまで小学生な本で映画にしてくれたもんだとブチ切れる人。
まあ、どっちかだろうね、この映画見た人の感想って。
オレ?ブチ切れた人。
バンパイアだらけの社会で何がバンパイアにとって利益になるのかさっぱり分からない。人間が絶滅しつつあるのに、人間の血吸う以外の喜びって何だ?金儲け?社会的地位?ほんまに?
血吸えなすぎて、変形したバンパイアがでてくるんだが、そいつに家侵入されてビビる主人公のバンパイア。
これじゃ主食が血液な人間でしかないじゃん。
対する絶滅危機の人間もボンクラばかりで、あっさり多数殺されちゃうし、バンパイアもあっさり「殺す」し。
確かにラストでは、バンパイアから人間に変身できた者の血をバンパイアが吸うと人間になってしまう、という物凄い設定で、バンパイアだらけの社会は成立しない、としっかり説明はするんだけど、なぜバンパイアはバンパイアであろうとするのかがまるで描けていないため、皮肉になってないんだよな。
まあ、この辺バンパイアじゃなくって、ただのゾンビでしたけどね。
豪華俳優陣のSFホラー
イーサン・ホークやサム・ニールが共演を果たしたホラーだが、本作は怖いというより、残酷な世界を生きる人々を描いたドラマである。
本作の特筆すべき点は何といってもその世界観にある。ヴァンパイアが支配する世界というのはあるかもしれないが、ヴァンパイアが社会を動かし、人間らはというとひたすら逃げ惑う生活を送り、数が激減している。その影響で血が必要なヴァンパイアもいわば食糧危機ならぬ"血液危機"に瀕しており、血を吸わないでいるとたちまち理性を崩壊させたバケモノへと変貌してしまうというユニークな世界観だ。一風変わった社会の図だが、テーマとしては至って真面目であり、人間に肩入れするヴァンパイアが居たり、主人公の勤める会社では血液不足を担う代替血液の研究をしているという設定で、ホラーファンの舌を唸らせる設定がてんこ盛りである。
役者陣が豪華なのも理由があり、それぞれに皆ドラマを抱えているのである。人間の血を必要とするが、どうも情が移ってしまう主人公だったり、会社のトップでありながら人間である娘を捕らえ、楽をさせる為に"仲間"にしようとしたりなど、短い本編の中で複数の思惑や工作があり、中々に魅力の詰まった作品であった。
主人公兄弟の物語をもう少し掘り下げて欲しかったり、映像的にはチープさが出てしまう点もあるが、ヴァンパイア映画の中では非常に良作では無いかと思う。
吸血鬼の世界観を大きく変えている
人間を食糧としているが人間不足で代替血液製造しているバンパイア達を描いている。
人間擁護を訴える主人公や生き残った人間とバンパイアから人間になった(戻った?)人物など、少々不可思議設定もあるが、それをキーに物語は変化していく。
同時期に「アンダーワールド」とか流行ってたが、あちらはただのアクションホラー。こちらは中々に面白いアプローチをみせており、バンパイア愛好者には避けて通れない作品と思う。
勿論どうしようもないバンパイア映画は山ほどありますが、観ておいて損はないです。
ただ、ホラー映画なので血が吹き出すとか人体損壊もあるので苦手な人にはお薦めしません。(バンパイア愛好者なら問題ないと思う)
ラストはある意味ウィルスを食い潰していく形だけれど、バンパイア<人間と入れ替わっていく過程で相当人口が減りそう。
よく練られた世界観
永遠の命を得られるので、自ら進んで、ヴァンパイアになりたがる、どんどん増えて、世の中はヴァンパイアが支配しているという構図。ヴァンパイアになっても人間の記憶があり、知性もある世界観が珍しい。しかし、人間の血を求めてしまい、人類が滅びるのを嫌う主役のイーサンは血の代替開発をしている研究者という役回り。自らは人間の血を嫌い、弟に騙されて、ヴァンパイアになったことを悔いている。弟からしたら、兄にも永遠の命を与えたかった兄弟愛なんだが。一番新鮮だったのはヴァンパイアになっても、人間に戻れる方法があったこと。サム・ニールの娘への愛も親としてわかるけど、かなり怖い。ラストはヴァンパイアがまだまだ多そうだけど、人間に戻れる方法が分かったので、さぁ、これからというところで終わる。ここから先も大変そう。映像はマトリックスを思わせるような緑掛かった感じで、夜の世界を表している。血が飛び散る、結構グロいシーンもある。
ヴァンパイア映画の常識を覆す!
人間が人口の5%を切ったために人血が不足し、代用血液の開発が急がれているという世界観。繁殖させるという方法はないのか?と、ヴァンパイア側に立って観ないと頭が混乱しそうになる。とにかく、皆、昔は人間だったんだから・・・それにしても、現在の食糧問題なんかも視野に入れたこの設定だけでも面白い。今まで全人類がゾンビ化したかのような映画はあったような気もするが、ヴァンパイアとはねぇ・・・『アンデッド』で注目を集めた、オーストラリアのスピエリッグ兄弟がハリウッドに招かれて作った映画だ。冒頭ではヴァンパイア少女が夜明け(デイブレイク)で朝日を浴びて自殺するというショッキングなシーンで期待が膨らむ。
残された期間は1カ月。それで人血は無くなってしまうのだ。血を1カ月摂らないと知性を失い、サブサイダーという化け物になってしまうのだ。また、仲間同士で血を吸えば2週間でサブサイダーになり、自分で自分の血を飲めば更に変化が早くなるという・・・ややこしいな。
エドワード(ホーク)と知り合った人間のオードリー(カーヴァン)はレジスタンスの仲間を紹介してくれた。それがコーマック(デフォー)。彼は元々ヴァンパイアで日中でも走れる車を改造する仕事をしていたが、太陽を浴びて、偶然にも人間に戻ったという経歴の持ち主。“エルビス”と呼ばれていたとか、さすがにデフォーらしいお茶目ぶりを発揮する。とどのつまり、ヴァンパイアから人間に戻ることができれば食糧問題は解決するというのだ。かくして、エドワード自らの人体実験が始まった。
製薬会社のブロムリー社長(サム・ニール)の娘は人間のまま。レジスタンスに加わっていたものの、やがて皆軍隊に捕まってしまう。エド、エルビス、オードリー以外は・・・。実験は成功。エドは人間へと戻ることができた。Welcome Back! これで人間に戻す方法がわかった。しかし、そこへ軍人であるエドの弟フランキー(マイケル・ドーマン)がやってきた。
彼らは製薬会社に侵入。すったもんだの後、一旦人間に戻った者の血を吸えば、それで人間になることを発見したエドは上手いこと言って社長に吸わせるのだ。人間になってしまった社長を飢えた人間が襲い、あっけなく殺される。さらに飢えた軍隊が突入し、エドたちを狙うが、それを人間になったフランキーが阻止、自分の体を犠牲に吸わせ、ズタズタにして殺される。フランキーの血を吸った軍人たちは人間になり、それを残りの軍人が襲う・・・阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまった研究所。そのままネズミ算式に人間が増えるんじゃないかと思っていたら、特効薬を開発したと自信たっぷりのエドの同僚が機関銃をぶちかます・・・機関銃なんてヴァンパイアの世界に必要ないじゃん!!
ここで映画は終わっているが、人間に戻る方法が見つかったことだし、たぶん世界は回復に向かうんだろう。地獄絵図を伴って・・・落ち着いて飲みなさいよ。血液で遊んでるかのようなとんでもストーリーながらも、死を恐れないヴァンパイアの死生観と人間らしく死を迎える死生観の激突が興味深いところ。歴史的にもワクチンの発想だって驚天動地だったのだろうし、感染、パンデミックの常識を覆す何かがあるといいですね。
☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから ヴァンパイヤ映画なのに、終盤一...
☆☆☆★★
※ 鑑賞直後のメモから
ヴァンパイヤ映画なのに、終盤一気にゾンビ映画へと移行(笑)
設定がとても面白い。映画の中でははっきりとした説明はないが、ウイルス等の影響か?ヴァンパイヤ種が人間種を凌駕。その結果、純度の高い血液が不足していた…って、人間は朱鷺かよ(笑)
ヴァンパイヤ同士で噛み付くと。まるで人間を襲う熊みたいに、より凶暴な存在へと変身。だから代替血液の開発が望まれている。
ヴァンパイヤが中心となる社会だけに。当然の如く社会生活が機能するのは夜。昼間のアクション場面ではあの手この手の縛りぎあり、映画としてなかなか弾けないのはもったいない。
やっぱり、アクション性の高いエンターテイメント映画だったなら。カーアクション等を交えてスカッとしたいのが本音。
その代わりと言ってはなんですが、終盤にヴァンパイヤ軍隊様が出動。《酒池肉林一大立食パーティー大宴会》へと発展(爆)
手足が千切れ、血飛沫が飛び、首が舞い上がる。最早グロ度は最高潮へと跳ね上がる。
グロいのが大好きな人。切り株映画が大好きな人なら押さえておかないとダメよ〜(笑)
2010年11月27 ユナイテッド・シネマ豊洲/スクリーン4
低予算映画なのに、ちゃんとVFXがあるぞ!
「吸血鬼は、SEXのメタファーである」と何かで読んだ。
でも、本作の吸血鬼はちょい違う。SEXのメタファーというより、人口増加、食料不足、環境悪化による生産量減少、あたりを描いている。
なので、吸血鬼モノではあるが、内容としては、ゾンビものに近い印象を受けた。
だからこそ、ラストで、治療法が明らかになる(吸血鬼から回復したヒトの血液が特効薬)が、それを培養して、ワクチンとしてバラまく、という結末にせず、戦いは続く、という結末にしたのかな、と。
つまり、現実世界の人類が抱えている問題は、そう簡単に解決できないんだぞ、と。
低予算映画なのに、主演3人は有名人気俳優だし、VFXあり、映像センスもGOOD、テーマも説教臭くない程度にある、ということで、なかなかバランスの良い作品だと思う。
これ、
一歩間違うと、最終的に人口激減、最後の最後に人間に戻った者を襲った奴のみ、生き残るという皮肉な世界になるのか?
まあ、秩序が守られれば、血液を順に配って人間を増やして行けばハッピーエンドどが・・・
と、ラストのその後の世界が一番気になった(笑)
アクションのない「リベリオン」!!
ゾンビ化する終盤戦
イーサンホーク史上1番格好良い
期待してなかったけど、面白かった。
イーサンホークはいつもどこか頼りなかったり、優柔不断な役が多い気がするが、下がり眉だからだろうか?今回のイーサンホークは意志がしっかりしてて頼もしく格好良かった。
ヴァンパイアが支配し人間の数が減り血液が不足してて、だけど化け物にもなりたくないという設定が面白くて、ストーリーの破綻もなく入り込めた。
ただ一つ、ヴァンパイアから人間に戻った人間はヴァンパイアに噛まれても何にもならないのか疑問だった。
あと、なんで武器がボーガンばかりなのかも…
太陽の光で身が焼かれ、その先に人間に戻るという設定に、やはり苦労の先に成功はあるのだなぁと何となく感じた。
しかし、不死身になったら死ねない苦しみがあり人間の欲は深い。
設定がいいね
プロモーションのミスリードなどで正当な評価がされていない作品を全力で擁護させていただきます!
生き物はそれぞれの繋がりの中でいわば助け合いながら存在している。
一つの種だけが単独で生存してくのは不可能なんです。by IUCN
蝙蝠から広まった伝染病で不死が手に入ると分かった人間は、自ら進んでヴァンパイアとなる。人類の95%がヴァンパイアとなり、支配者になっている世界です。
しかし食料となる人間が絶滅に瀕しており、深刻な血液不足になっています。
人工血液の研究を行っている『Bromley Marks Pharmaceuticals(以下BMP)』はその一方で、少なくなった人間をこっそり捕獲しては昏睡状態にし、血液を絞り取り、富裕層だけに販売している。密猟ですよ。
ヴァンパイアは不死だけれど人間並の力しか持っておらず、太陽が沈むと普通に理性的に生活しています。
人間はヴァンパイアを恐れ、ヴァンパイアはサブサイダーを恐れている。
サブサイダーは血液を長く摂取できず、また余りにお腹が空いて自分の血を飲んだりするとなる怪物らしい。
ヴァンパイアを襲う凶暴なサブサイダーの大量発生も、深刻な社会問題となっています。
冒頭「血液求む」と札を下げたホームレスが出てきますが、貧困(格差社会)もサブサイダーの増加原因の一つのようです。
BMPの社員でヴァンパイアであるエドワード(イーサン・ホーク)は、人間のレジスタンス:オードリー(クローディア・カーヴァン)や、元ヴァンパイアのコーマック(ウィレム・デフォー)と出会い、血液不足のヴァンパイアを救う名案を思いつく。
ヴァンパイアは、昼間は自由に行動できず、夜間はサブサイダーの襲撃に怯え、また、もし人間が絶滅したら、自分達も同じ運命を辿るという不安を抱えている。絶滅危惧種で逃げ回ってる人間以上に、自分達の未来を憂いでいます。
手に入れた不死が、自分達の破滅を招くとは。なんという皮肉。
ヴァンパイアが世界を征服したら、まさかの食糧難!という、今までになかった設定が面白いです。人間に戻る方法も(戻れるんだ!)、ちょっとご都合主義のようだけど斬新。
それだけではなく、人工血液の実験でヴァンパイアの頭が破裂したり、首切断、大勢のヴァンパイアに人間が噛まれる等々、ホラー映画ファンのテンションが上がるシーンも用意されている。
何より素晴らしいのは、「人間が駄目なら動物がいるじゃん?」という、この手の映画好きファンの意地悪なデジャブ感に先回りして、森に動物を探しに行くも、朝が来てヴァンパイア爆発!みたいな。
その先回り感が、分かってるなー!と嬉しくなったり、感動したり。
ヴァンパイアになりたくない娘とBMP会社社長、嫌な奴かと思いきや、実は兄のエドワードをむっちゃ思ってる弟との確執とか、人間ドラマもあり。
それだけじゃないですよ!
本作は単なるヴァンパイア映画ではありません。
冒頭に「一つの種だけが単独で生存してくのは不可能」と書きました。生き物はそれぞれの繋がりの中でいわば助け合いながら存在しているのに、人間だけが全ての動物に訪れる死を拒否して起こる、生態系の崩壊。結果的に訪れるだろう、人類滅亡。
様々な人間活動によって多数の生物が絶滅し、生態系破壊が急速に深刻化している、現代の地球のメタファーでもあるのです。
こんな側面まで見せてくれるんですよ!
ホラー好き&ホラーにうるさいホラー好き&映画に心の糧を見出したい映画好き&映画に小難しいテーマを見出したい映画好きを網羅する!色んな方向から観られる、凄く良くできたメタホラーです。
「プリデスティネーション」ではSF映画の体で絶対孤独やナルシシズムを描き、本作ではホラー映画の体で社会問題まで抉る!
スピエリッグ兄弟は映画界の村上春樹です!ってこの比喩が分かる方とは、親友になれそうです。
宜しくお願いいたします(笑)
ラスト、太陽が昇る。
ヴァンパイアから人間に戻った彼等が乗った車が、日の出に向かって走るシーンで終わります。
原題は「Daybreakers」Daybreak=日の出という意味です。
「真実は太陽と同じ
遮ることはできても
消え去ることはできない」
エルビス・プレスリーの名言が出てきたり、ラストの台詞「治療法がある。まだ人間に戻れるんだ。まだ遅くない」などを総合的に判断した結果、Daybreakersというのは、明治維新的な?「変革者達」と汲み取りました。
あと、どうしても気になったので書くんですけど、胸キュンが止まらない映画「トワイライト」の美少年ヴァンパイアも"エドワード"という名前でした。
何かしらの意図を感じますが、これ以上長くなってもアレなのでこの辺で終了します。
バンパイアものとして、かなり面白かった
あと一歩
クールなヴァンパイア
新趣向のヴァンパイア映画なんだけど…
ヴァンパイア映画はホント人気がある。
あの手この手と趣向を凝らしてネタは尽きない。
この「デイブレイカー」も趣向を凝らしたヴァンパイア映画。
ヴァンパイアと人間の立場が逆転した世界。
ヴァンパイアたちが世界に君臨し、人間たちが逃げ隠れする。
人間たちは絶滅寸前まで激減し、お陰で血液不足、ヴァンパイアたちにも死活問題。ヴァンパイア同士で血を飲むとモンスターと化してしまう。
そんな危機に、ヴァンパイアの血液学者エドワードが策を考えるのだが…。
人間に優しいヴァンパイアのエドワードにイーサン・ホーク。
ウィレム・デフォーは勿論ヴァンパイア…と思ったら人間…と思ったら元ヴァンパイア。この人らしい一癖のある役。
もっとバリバリのアクション・ホラーかと思いきや、サスペンスタッチのヴァンパイア映画。
捻りのある題材は良かったが、最後は血まみれグチャグチャになってしまい、せっかくの題材を活かす事が出来ず。元々B級なんだけど。
もっと物語に深く入り込んでくるのかな?と思っていたモンスター・ヴァンパイアの描かれ方はお粗末で、サム・ニール演じる社長の娘とエドワードの弟の最後も呆気なく、粗い部分が所々目立つ。
ハナからB級と割り切って見れば、1時間半そこそこ楽しめる。
そうそう、オードリー役の女優さん、名前は知らないけど美人だった。
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