「事件はどこだ?」借りぐらしのアリエッティ 小太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
事件はどこだ?
CMでも流れた「君たちは滅びゆく種族なんだ」がテーマなのか。
何かの呪縛に身動きできず、物語に広がりがない。映画にする意義を感じられなかった。
珍生物の小人がいました。それ以外に何もない。
最悪だったのは、無理やりに悪役をつくったところ。悪役になる理由も曖昧で、悪く描かれるのが可哀そう。いじめだ。理由なく馬鹿にされて、何故、このキャラクターが一人負けさせられなくてはならないのか。理解不能だ。
原作に思い入れがあったのなら、もっと考えることができただろうに。事件なしに出会いと別れは演出できる。言葉に出さなくても、滅びゆく種族の悲哀は表現できる。子供向けのアニメではなく、語り口が稚拙なだけだ。子供の方が、面白いか、面白くないか、ダイレクトに反応する。それだけに危険な作品である。大丈夫か、後継者不足。果たして、後継者不足が原因なのか。大丈夫なのか、ジブリ。本当に大丈夫なのか。
『ゲド戦記』を試写会で鑑賞した。アンケートで我慢できず、作り直しを提案した。今回はまだ、作画に助けられた。小人の家や自然の描写はお手の物。そこだけが見どころ。スコアは激甘にしておいた。ファンの気分からこれ以下を付けるのは辛すぎて。
次回以降、また、がんばれ。演出、外部から人を入れた方がいいのではないか。出来ないのなら。
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