「とても淡い。」借りぐらしのアリエッティ りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
とても淡い。
「ハウル」あたりから見なくなり、「ポニョ」に至っては、テレビでしていても寝てしまう有様の私。
今回は、三浦友和さんが、声優さんとして出ておられるとのことで、見てきました。
三浦友和さんは、重厚感あり、一家の大黒柱として、さすがのお父さんでした。
大竹しのぶさんのお母さんも、慌てぶりがとっても良かった。
志田未来さんのアリエッティ。思春期の少女を好演。
神木隆之介君、ご本人がモデルだけあって違和感なし。
樹木希林さん、イヤなハルさんを、本当にイヤなヤツに見せてくれた。
少年が1週間滞在するお屋敷は、古めかしくて、お庭が広大で、色々な植物が咲き溢れとってもステキ。
また、箪笥や食器棚や壁紙、小物に至るまで、すべてがとても綺麗。
この映像だけでも、値打ちあり。
ストーリーはといえば、アリエッティ達小人の生き方を描いている。
いくつかの≪事件≫は起こるけれど、割と淡々と描いている。
アリエッティ達小人にとって、人間は必要不可欠の存在。
人間がいなければ、食料も燃料も衣服も手に入れることはできない。
生活する上で、とても大切な存在だ。
でも、人間と付き合うことはできない。
人間の思うままに、いいように利用され、いつかは滅ぼされるかもしれないから。
でも、良い人と、つかの間のふれあい。
そんなことがあってもいいよね。
憧憬や初恋に似たような、自分でも気付かないくらいの、ほんのりとした淡い気持ち。
人間は強い立場にいる。
他の動物や植物にとって、良い時もあるけれど、悪い時もある。
ご機嫌を損ねてはいけない存在なのだ。
小人達の生活は、反面、人間社会を映しているのですね。
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