オーケストラ!のレビュー・感想・評価
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見たことがありました。二度目でした。邦題がおかしい。ヴァイオリン協奏曲なのだから『ザ・コンサート』であるべき。
ブレジネフが具体的にユダヤ人を迫害したと言う歴史は現在のところ、証明されていない。しかし、ソ連ボルシェビキは、ユダヤ系ロシア人のレーニン時代以外に、ユダヤを擁護する政策は取っていなかったので、反ユダヤ主義は、ソ連時代は色濃くあった事は確かである。特にウクライナなどでそう言った政治結社もあったようだ。因みに、ブレジネフはウクライナ出身のウクライナ人で、チャイコフスキーはウクライナをルーツとしている。
兎も角、事実に基づく話ではないので、単なるの寓話なのだが、良く出来た話になっている。最後のチャイコフスキーバイオリン協奏曲に焦点を当てて、上手くまとめたと思う。曲も第三楽章まで、上手く編曲されて、聴きごたえがあったと思う。特に次の言葉に惹かれた。
『コンサート為に団結し演奏する。魔法の音とハーモニーを生み出そうと、これぞコミュニズムだ。そう、
コンサートの間だけの。』
チャイコフスキーバイオリン協奏曲は一曲しかない。僕は日系アメリカ人の五嶋みどりさんかユダヤ系ポーランド人の両親を持つイツァーク・パールマンが好きである。あまり、演奏者にはこだわらないが、彼女たちが他よりも凄いと僕は思った。
因みに、マルクスはユダヤ系ドイツ人、エンゲルスはキリスト教系ドイツ人、レーニンはユダヤ系とトルコ系の血が混じり、レーニン時代のソ連ボルシェビキの指導者の8割はユダヤ系である。しかし、その後、スターリンはジョージア人。フルシチョフはウクライナ人。ウクライナとか、ロシアは、(言い換えて、共産主義なるイデオロギーは)大変に複雑なのである。
だから、僕は短絡的にこうなってしまった(ロシアとウクライナの戦い)のは、チェルノブイリ原発事故だと考える。そもそも、ソ連が崩壊したのもそれが原因。そして、今、ザポリージャ原発が問題になっている。どちらが勝っても負けても、早く戦争は止めるべきだと僕は思う。ザポリージャに何かあれば、間違いなく、文明が終わる。核爆弾は一時的に放射能を出すが、核施設は事故が起これば、ほぼ永久に放射能を出し続ける。
話がそれた。
すみません。兎に角、この映画は寓話だが、良かった。
追伸 フランス映画で、監督はルーマニア人。主役はフランス人とポーランド人。ゴチャゴチャ!兎に角、
ヨーロッパを知るには、十字軍まで遡るのでは無く、近現代史だけでも学習し直した方が良いと感じる。やはり、中世以降の資本主義には大きな問題点があると思う。勿論、共産主義が資本主義よりも優れていると言っている訳ではない。共産主義は資本主義の矛盾から生まれたと考える。
終わりよければ全てよし
コメディタッチの演出は良いのだが、全体的に嘘っぽい話が多くて、やや引いてしまった。また、結局ラストは偽のオーケストラがパリ公演を成功させるハッピーエンドストーリーという平凡な話かと思っていた。
ところが、途中でアンヌ・マリーが出てきたあたりから趣が異なってきた。彼女の両親は誰なのかという謎解きが加わって俄然面白くなってきて、最後の演奏会のクライマックスへと進んでいくあたりは予想外に感動してしまった。
結局彼女の両親は、指揮者のアンドレイとマネージャーのギレーヌではなかったのは、やや想定外だったが、個人的には想定外の展開が好きなので、よかったかも。
<その他>
・アンヌ・マリー役の女優は美人で演技もうまく魅力的だった。彼女でなかったらこの映画の魅力は半減していたかもしれない。若い時のナスターシャ・キンスキーに似ている感じがする。
・アンドレイとアンヌ・マリーが食事をするレストランのシーン。背景にぼんやりと映る他の客や、店内を移動するウェイターたちの動きがあまりにも自然すぎて、何故か2人の会話よりも惹きつけられてしまった。逆に、アンヌ・マリーの話にちょっと動揺するアンドレイの演技は、やや過剰演技だ。
嘘だらけの中、本物は一体何だったのかというような話
何もかもが嘘だらけのオーケストラ。
なんやかんやウダウダしながらロシアからフランスへ。
共産主義とかユダヤ人がどうとか、セリフは多いのだが全く本筋に関するセリフが出てこない。
そんな中、登場する主演の女優は美しすぎて、ああこの美しさだけは嘘じゃないなとやっと本物が現れる。
彼女の出生の秘密もまたも有耶無耶でウダウダな霧の中についに最後のコンサートへ。
そうか、彼女の美しさと音楽だけは嘘じゃなかったのかと、途中までのウダウダした流れがどうでもよくなるぐらいの画面に魂を持ってかれるんじゃないかというぐらい美しい音楽が流れてエンドロールへ。
そのままの余韻で高評価を付けたくはなるが、何故最後の30分を作れて、その他の1時間30分をもっと上手に作れなかったのかという思いがこみ上げて評価の点数はこのぐらいに。
オチはそこか…
自分の娘やったというオチぢゃないんかーい!最後に突っ込まざるを得ない^_^;
クライマックスでの盛り上がりは認めるけど、途中の意味のないストーリーも勿体ないかな…
意外と泣けた
2009年のフランス映画ということで…
ロシアの元・天才指揮者がユダヤ人排斥運動に反対したことで、音楽会から追放されるが、1枚のFAXをきっかけに当時の演奏仲間たちとともにパリに偽の管弦楽団として乗り込むお話。
コメディー色強めで随所でクスっとさせてくるので、そういう映画かと思っていたらクライマックスのコンサートで感動し不覚にも涙してしまいました。
アンヌ=マリーに母であるレアの姿を重ねながら、団員たちの砕けてしまった夢や生活、止まってしまった時間が再生していくシーンだと思いました。
サーシャの顔がすごくいい。泣ける。。
使用されている演奏もすごくいいですね、だれの演奏なんでしょうか。調べてみようと思います。
泣いた
たまたま正月休みにテレビをつけたら放映していた。
ナチスー?
えー? 歴史とか難しいことわかんなーい。
という状態だったのに、これほどまでに感情移入するとは思わなかった。
珍しく、自分でも驚くくらい泣いた。
指揮者のアンドレイは楽団を解雇されてから、苦節30年。ようやくチャンスが巡ってくる。しかし、大きな決断をしなければいけない。迷いがある夫を、ここで行かないなんてありえないでしょ! と送り出す奥さんが、やたらとカッコイイ。
寄せ集めの交響楽団はハプニングだらけで、パスポートは偽造、リハには遅刻、本番にも遅刻……と、驚愕のドタバタ劇なのだが、それが面白い。
新進気鋭の若手バイオリニストの女性は、アンドレイと演れる! と嬉々として練習に臨むが、リハの時点で呆れ果てる。
もう降りる! やってらんない! と言わんばかりのお嬢さんに、寄せ集めメンバーの一人、ジプシーのバイオリン弾きが薄汚れた手で弾くバイオリン。
これがもうめっちゃくちゃかっこいい。
パガニーニの超絶技巧炸裂。
バイオリンの悪魔じゃないか?と思ってしまうくらいの人間離れした見事な演奏にぐうの音も出ない。
この生命力、自由さ、躍動感。
もうこんなのジプシーのお兄ちゃんに惚れるしかない。
個性派揃いのメンバーの動向も、キャラクターが濃くてとてもいい。
観ていてテンポがよくて飽きない。
そして本番で明かされる、衝撃の真実。
(回想シーンってこうあるべきよね。)
厚みのある音に劣らないほどの、重い過去。
前を向こうとしているからこそ出せる音。
前を向かないと、生きてこれなかっただろう凄惨な時代。
言葉にしきれない切なさと哀しさが込み上げてきて、涙が止まらなかった。
第三者視点だからこそ語ることのできる真実。
だが、「言葉にはできない」真実。
「あの子」が知らないだろう真実。
台詞として告げられないからこそ、アンドレイは音楽によって語ろうとする。
戦争物、は辛くなるし悲しくなるから嫌いだった。
もちろんこの作品にも戦争の惨禍は刻まれているし、胸が苦しくもなる。だけど、身を切り裂かれるような哀しさが、音楽によって涙になって浄化されていくような実感があった。最後に残るのは登場人物それぞれへの愛情と、今の世界の平和を希求する心と、小説の読了後に似た痺れるような倦怠感である。
いつものお家にいるのにこんな体験ができるから、映画っていいんだよなあ~。
そう思わせてくれる良作だ。
Review No.3:ラストの演奏は圧巻
大声で捲したてるロシア語の勢いに最初はたじろいでしまった(笑)
コンサート本番を迎えるまではとにかくドタバタで、期待もあるが不安だらけ。
実際、最初の数小節はひどいものだったが……アンヌ=マリーの圧巻のヴァイオリンソロが楽団員を引っ張っていく。
それからの演奏と謎の解決のモノローグで★+0.5〜0.8くらいの感じでした。
ロシア共産党、ユダヤ人迫害の歴史についてなど理解しきれないことがあったのは残念で、その点は再鑑賞したいと思うところです。
自分も演奏者なので、解散したプロオケとはいえ合奏なしリハなしで本番がうまくいってしまうことに納得できなかった面があります。
迷いなく「巨匠」と言われるマエストロ(30年間振っていないのに集客力抜群)と圧倒的実力のソリストの力によって、と考えるにも限界があるような……。
チャイコフスキーだからこそ
素人集団と元プロの違いこそあれども、音楽に対する情熱に関しては同じと言う点に於いて、名作の『オーケストラの少女』から脈々と続く系譜だと思える。
全員の思いが『オーケストラ…』ほど“熱い”訳では無いのは。共産主義による圧制に対して、《亡命》とゆう強い意志で一旦は海外に出たものの。ソ連崩壊後国に戻ったら、その変化に対応出来なくなってしまい、諦めの境地にいた期間が長すぎた為だろうか。
それでも敵対する元辣腕マネージャーを、犬猿の関係だけに「パリだぞ!」と、そそのかす辺りはクスクスっと笑ってしまう。
何たってチャイコフスキーだから。
この後人集めをあっさりと処理しているのが、少し微妙では有る。楽団員1人1人の性格付けの為には、もう少しじっくりとでも良かったのだが、でもそれだと尺が長くなり過ぎてしまい、観客が飽きて仕舞うかも知れず、難しいところ。
どうしてもソリストには彼女でなければ…と、登場するのがメラニー・ロラン。予告編を観た時に「多分…そうなのだろうなぁ〜」と、簡単に予想が付く。実際問題その通りなのだが実は…と、○後に一捻り有ったのがとても良かった。
やっと全員パリに到着。
それまでとその後に、色々と小さい枝葉のエピソードが挿入される。
主に共産主義を復活させたいマネージャーと、ユダヤ人親子の話が入るのだが、結局のところそれ程は重要なエピソードとも言えない。言えないのだが、主人公と彼女との“親子話”だけでも…と言ったところ。
色々と在りながらクライマックスの演奏会場面。
それまでが、「もっと聞かせて欲しい!」と言うこちらの欲求を満たすべく、たっぷりと聞かせてくれる情熱的なチャイコフスキーのバイオリン協奏曲。
そして明かされる真実。
だからこそのチャイコフスキー。決してショスタコビッチやプロコフィエフでは、共産主義に殉じた歴史が在るだけに、意志の強さが出ない。
演奏の最中に、その後を簡略化して描かれる手法も気が利いていた。
最後のエピソードでは胸に熱い物が込み上げて来る。
とても気持ちの良いエンディングだった。
(2010年6月1日シネスイッチ銀座1)
コメディーとクラッシックの融合
コメディーと言えばのだめカンタービレドラマ彷彿させるが。
無情報で少し早回ししながらの鑑賞…
笑えるところ多し。、フランス?ロシアン?ユダヤ?ジョーク的な描写やジプシーやアラブもあって無国籍料理みたいな作りが新鮮かつベタで世界市場向けの印象を受ける。
終盤まで荒唐無稽のバカ話が続くが、それはそれで面白作品に幅を持たせている。
最後オーケストラでの演奏は感動した。正直チャイコフスキーは聴いた事があまり無いが、素晴らしい演奏だったので今後もチェックしたくなりました。
万人向け娯楽コメディー作品。ミュージカル苦手な人にもオススメ。
おのぼりさんしてないでちゃんと練習しなさい!
そこここで面白いらしいとの噂を聞いており、レンタルもできるが500円で観られる機会を、得たので見てきました。でもギリギリにいったので立見。おろろん。
ロシアの元音楽家がボリショイ楽団を装ってパリへいって演奏会をしまーす!それにまつわるドタバタを描いたもの。
パリに行くまではまあ良い。パリに着いたとたんに指揮者とサーシャ(この人がいい人なのよ)以外は浮かれてギャラをせびって遊びに行き、リハはすっぽかすわ、シャトレ座の人に飲み代はらわせるは…とめっちゃくちゃ。なんか仕事始めてる奴もいるし、亡命のつもりやったのね、みたいなね。
招かれたソリストが怒るのも無理がない。この辺ですごくイライラ。
ラストはきっとみんな集まって演奏するんやろうけど、にしたってぶっつけ本番で金取る気?みたいなね。イライラしましたよ。
指揮者とソリストの出生に何やらありそうな雰囲気で、まさかの隠し子か?またかよ?と思ってましたが、それは違ってよかった。
ソリストは迫害されたユダヤ人演奏家の娘でした。
ラストの演奏は、もともと好きなチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲だったので、すごく良かった。
なんか、ソリストの人、本当にひいてるのってくらい上手に見えた。運指をばっちりうつしてるし、トリルとかもしてたし、映画のために練習したんやったらすごいよなーておもった。ロマのコンマスが遊びみたいにひいたのも上手に見えたし。日本の映画であんなにバイオリン弾く人の左手は映さへんから、本格的ですごいと思った。
弾ける人集めて撮ってるんかなー、そこはリアリティあった。
80年代にソ連でユダヤ人の迫害があったんやね。知らんかった。
ドタバタ感満載
政治問題のため、マエストロの職を奪われた男。
もう一度あの舞台に立ち、音楽の喜びを感じたいと願っていた。
お情けで掃除係として、楽団に雇われていた男は
フランスからきた公演依頼のファックスをみつけ、家に持ち帰ってしまう。
男は楽団の責任者としてフランスに電話し、出演する旨を伝えたのだ。
そこから、かつてのオケ仲間を何十人も探すなど
オーケストラ再開の準備が始まる。
さくらとして出席した結婚式でギャングどうしの銃撃戦があったり
やっと集めた団員たちはリハにぜんぜん来ないで、地下鉄でセッションしてたり・・・
?なドタバタ感満載です。
オーケストラを題材にするとなると、人数が増えるぶん、深い人間描写がしにくくなる。
深い人間描写がなくなると、観ているほうも感情移入しづらいと思います。
終始プチ・コミカルタッチで進んでいくならなおさら
どこかで重厚な内容を含んで欲しいなぁ・・・
筋書きは好きなんだけど、演出に賛同できませんでした
とってもとっても大好き!!
私は映画にリアルは特に求めません。
上映中は別世界へ連れて行ってくれる…そんな唯一無二とも言える時間が大好きです!!
この作品はそんな幸せな時間をくれただけでなく、個人的に辛い時期を救ってくれた…生涯忘れられない作品です。
最初観た時はマイナスポイントもありました。
ロシア人達のいい加減さにイライラし、怒鳴り合いに辟易しました。
でも次に観た時は許せた…民族の逞しさと感情の爆発、すんなり納得してしまいました。
更に回を重ねる毎に「もっとやれ〜!!」なーんて気持ちにまでなってしまいました。
素晴らしいところを上げたらきりがなく…
夫婦の愛、仲間との絆、自由の意味…そしてチャイコフスキーヴァイオリン協奏曲♪
えー!ムチャでしょ!!…のつかみから、ドタバタ喜劇風の笑いあり、実際にあった共産党圧政時代の悲劇にはしんみり、展開にハラハラさせられ、メラニー・ロランの美しさ・瞳の力に目眩がして、最後にあの“完全なハーモニー”を聴く!!
その上サプライズまで盛ってくれたとは!!
全てがここにあった!!
「神様はいたんだね」と心から思えたあの瞬間、レアに魂が共鳴した様に私の涙腺は爆発しました!!!!
幸せな映画であんなに泣いたのって初めて…号泣です。
嗚咽しそーにまでなってしまい、ラスト付近の映像(不評の向きもありますが)も微笑ましく観守り(日本に来た事も確認して嬉しくて)エンドロール終わっても暫く涙が止まらず、やっと席を立ってぼーーっっとした幸福の余韻を味わいました。
トータル劇場には6回観に行き、DVDもCDも買いました!!
とにかく大好きです!!
出てくる人、みんな好き!!!!
チャイコフスキーも大好き!!
みなさんに薦めたいです!!
ブラボーーッ!!!!
ハーモニー♪
ラストに来るまでのドタバタから、この見事なハーモニー♪音楽は人の心を揺さぶりますねぇ。
亡きソリストのために集まる団員の粋な心意気!徐々にハーモニーが揃ってくるところが素敵でした。
ほっこりすること間違いなし
ヒューマン系はあんまり苦手でしたが、とてもいい映画です。
細かい矛盾点は気にせずに鑑賞した方が楽しめます。
公演が終わった後の映像がオーケストラの演奏と交錯しながら
流れるラストシーンは、何度も見返しました。
特に、本物のボリジョイを空港で出迎えたジャン=ポールの少し寂しそうな
表情、アンドレイに抱きついたマリーの表情が最高に素晴らしい!
最高♪音楽の素晴らしさに酔いしれる♪
音楽好きの方なら絶対見るべき!!映画館に2度見に行き、2度とも号泣!!
また、ストーリーにソ連時代の歴史的背景も描写されているので、その辺の歴史的事実を踏まえたうえで見ると、感動もさらに倍増することマチガイナシ!!
正直、ラストの部分のハッピーエンドのダイジェスト的なところは不要な気もするけれども、その点を考慮しつつも満点&拍手を送りたい素晴らしい傑作!!
音楽のパワー、多くの人が奏でるハーモニーの素晴らしさに心が震える♪
本当にサイコーの一本です!!!!!!!
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