「総ては後半に。」オーケストラ! ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
総ては後半に。
名画座にて。
公開時にもかなり話題になっていたので楽しみだった。
おそらく(そんな思いで)冒頭から感動させるような…と
期待したのが運のつき^^;何ともユニークでふざけた内容。
へっ?このまま演奏なんてできるワケ~?と心配させて、
後半20分で大きく物語を動かしてくれる。でもその力は
脚本云々でなく、まさに音楽の力。チャイコフスキー万歳v
音楽映画は、やっぱり音楽で感動させなきゃダメなのだ。
だいたい寄せ集めオーケストラに、どうして素晴らしい
演奏ができよう。まるでのだめを観てるみたいだなんて
思いつつ、そうか今作はソ連批判、共産党批判に乗じた
社会派音楽コメディなのだとやっと気が付いた。どうも
ユダヤ弾圧に詳しい内容だと思ったら、監督がユダヤ系。
主人公はロシア系なんだけど、ほとんどその匂いはしない。
自身と元・楽団員の地位と誇りを取り戻そうと思いついた、
ボリショイ交響楽団に成り済ましパリ公演事件。である^^;
そしてそのユニークさに華を添えたのが、イングロリアル~
で咲いたM・ロランの美しさ。彼女は有名美人ソリストとして
この偽楽団から指名されるのだが、実はその真相とは…
中盤までのふざけにふざけた展開にどうしようかと思うが^^;
その一方、主人公とこの美人ソリストの関係にシリアス感が
漂い始めて、あれ?…どういうことなんだろう…なんて考え
ているうちに、もうパリ公演、である。(早!)
今まで観客が抱えてきた疑問や謎が、最後の演奏シーンで
すべて明らかにされる。と同時に、バイオリン協奏曲って
こんなに素晴らしい曲だったの!?と思うほど見事な演奏。
冒頭~のおふざけから一転、最後にドッカーン!と纏めた
あたりも、まぁ…観ようによってはのだめ、っぽいかなぁ^^;
(親から子への遺伝って、才能を含めて多岐にわたるのね)