「映画館で「聴いて」ほしい作品」オーケストラ! shikahikoさんの映画レビュー(感想・評価)
映画館で「聴いて」ほしい作品
クリックして本文を読む
このお話は、まずは喜劇仕立てで始まり、アレクセイ・グシュコブ、ドミトリー・ナザロフ、バレリー・バリノフなど、個性豊かな俳優陣が、およそ有り得そうもない筋書きをとても楽しく展開してくれます。
そうしたストーリー展開の中で、断片的にソビエト時代の圧政が描かれ、社会派作品的な面が随所に現れます。
そして無事にパリに渡った団員たちは自由奔放に降るまい、リハーサルを行えないまま本番を迎えてしまいます。さて、どうなることやら・・・
ここからはネタばれなので、映画を観に行かれる方は読まない方が良いかも(^^A
しかし、最後の12分にわたるチャイコフスキーのバイオリンコンチェルトニ長調Op.35の演奏は圧巻でした。僕が最初のバイオリンの音色で鳥肌立ったのは、リトアニア交響楽団のコンサート以来のことでした。
そして、その演奏シーンに断片的に差し挟まれるメラニー・ロラン扮するアンヌ・マリー・ジャケの両親の悲劇。
気がついたら頬を涙が伝っていました。そして彼らが最後の音を弾き終わったとき、思わず拍手をしそうになったものです。
あの有名な作品を違和感なく12分に編曲した音楽のアルマン・アマールの手腕にも拍手です。メラニー・ロランのソロ・バイオリニストぶりも見事でしたね。パリ国立管弦楽団の第一奏者について2ヶ月間猛特訓を受けたのだそうです。
僕はこの曲30センチLPで持っているのだけれど、帰ってから思わず生協のネット販売で、10%引きで購入してしまいました(^^A
是非とも劇場で「聴いて」ほしい作品です。
コメントする