劇場公開日 2010年6月19日

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闇の列車、光の旅のレビュー・感想・評価

全17件を表示

3.5命の重みが国によって違うんだってわかる映画

2023年8月12日
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MS13というホンジュラスのギャングの生態がドキュメンタリーっぽく描かれている。

アメリカへ移民(本作では彼らの事をそう呼ぶ)に向かう家族もそんな家族に同行するギャングの青年もどういう訳だか、人生というものに現実味が無い。

何となく「このままではいけない」というのはあるのだけど、現実の世界はハッキリとは描かれておらず、流されてアメリカに行こうとする感じ。 そのあたりの描写もなんだか人生ってそういうところもあるし、この国に生まれていたらきっとそうなるだろうって、何故か理解してしまう説得力がこの映画にはある。

とてもいい映画だと思うのだけど、ラストだけはもう少しドラマチックに造って欲しかった。(ラストもリアルはそんなもんだろうとは思うのだけど)

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キムラ

5.0新天地での生活?

2020年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

テグシガルパ (Tegucigalpa) というホンジュラスに娘、サイラをアメリカのニュージャージーから迎えに来た(?)父親。サイラは父親とおじさんと一緒にグアテマラを通ってメキシコへ。メキシコのレイノサ(テキサス州との国境)までの旅。そしてリオグランデ川(映画では大したことにない川のように見えたが、鳴門海峡のように渦に引き込まれるらしい)を越えて米国に入る?サイラ(Paulina Gaitán Ruízメキシコの女優)は賢そうで、意志の強そうな俳優が演じていて、この役にぴったりだと思った。育てられた祖母の元を去って、苦難を乗り越え(父の死や、家族との離別や好きな人の死)映画にはないが、究極的にニュージャージー州までたどり着くのだから。それに、テグシガルパからメキシコの鉄道のハブである、Tierra Blanca (ベラクルーズ州)まで少なくても1500Kの道を歩いて初めて列車に乗れるのだから。それに、ウイリーとの会話においても、自分のある人だと感じさせる。etc. ドラマだとはいえ、たくましさが十分にでていて好きだ。

キャリー・ジョージ・フクナガ監督はグアテマラからメキシコに向けて(中には米国に向けて)行く民の集団を『移民』と呼んでいる。サイラは父親がスポンサーになっていると思うから米国の移民として入国できるとおもうが? いや、父親は米国市民権なし『不法移民』で米国をでて、ホンジュラスに娘を迎えにきたのかもしれない。列車の屋根に乗ってメキシコを横断するとき、メキシコ移民局の警察?に捕まるのを恐れて逃げるから。他に、他のエキストラ『移民』も出ていて、列車の屋根の上で、日々を過ごしていた人たちが『移民』になれるかどうか理解にくるしむ。『移民』をしたい人々の集団を『移民』と監督は言ったのかもしれない。
メキシコシティーあたりを列車が通過するとき、こどもたちが石を投げ『移民』をいじめて追い出しにかかるシーンがある。しかし、よく観察すると、列車の屋根にいた集団がメキシコの北へ行くほど減ってきているということがわかる。この集団は皆が米国を目指しているわけではない。親戚や友を訪ねて新天地での生活を目指すもの、収入を得に行くものなど色々の人々の集団だと察する。

2018年ごろの『キャラバン』と言われていた、主にホンジュラスからギャングを避けて逃げてきた集団難民の大移動とは時代が違う。この映画ではホンジュラスでギャングが少なかったのかもしれない。

メキシコでは12歳の少年スマイリー(Kristyan Ferrer )は祖母が止めるにも関わらず自分から進んでギャングの道に入って行く。その場所にいたら、ギャングになるのは避けられないし、ギャングのいうことを聞かなければ家族が殺されてしまうかもしれない。それに、ギャングになるための洗礼は(いうらしいが)13回(以上)も殴る蹴るの暴力をうけ、人を一人殺すことにより組織に認められるらしい。それに、刺青の多さがこのギャングの階級の象徴らしいが。
この映画の中でキャスパー(Edgar Flores)というギャングの名前からウィリーへと変わる彼の心の変化が印象的だった。両親なしで育ち、人の愛も経験したことがないが、このギャングの組織が家族意識が強く、そこで育っていく。ある女性にも初めて愛情を感じて(実際のキャスパー役エドガーフロレスは18歳で、まだ恋愛をしたことがなかったらしい)組織には秘密にしても愛を育てていくが、それも、失い、根本的にあった正義感のためか、ある女性が殺されて光景を想像して、その憎しみが増したためか、ボスを殺してしまう。逃げられない、どこにも行けない気持ちがサイラによって癒されていき、人間の心を取り戻していくシーンが好き。人間って、諦めちゃあいけない!いつでも変われるんだと!と思えるが、ウィリーが変わっていっても、ギャングの組織は追ってくる!

最後になぜSin Nombreという題なのか考えてみた。『私はサイラ』間をあけて『私はウィリー』という列車の屋根での自己紹介は印象的だった。ギャング仲間ではウィリーという名前はなく、死んでいく。名前はあってもないようなものだった。ウィリーという名前が新しい人生を歩み出せる本当の名前。

個人的にだがグアテマラから陸路で入って、ホンジュラスのコパン・ルイナスにあるコパン遺跡のマヤ文明の遺跡を見にいったことがある。この遺跡は再興されてしまって、マヤ文明をそのまま残してあるわけではないし、再興の仕方が、全く考古学を知らない人がセメントで塗り固めたようでひどかった。

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Socialjustice

3.5ギャングの逃亡

2020年5月3日
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メキシコでギャングのボスを殺めてしまったメンバーの男が、組織から追われる身となりアメリカとの国境目指して逃亡する。道中、メキシコ移民に紛れ、ギャングに襲われた女を助けたことから、以降、共に行動することになる。なんとか国境に辿り着いたところでギャングの追手に捕まり射殺される。

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お前の頭はただの飾りか

4.0移民ではなく亡命

2019年4月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

この世は地獄に満ちている
人が造った世界は地獄に満ちている
まるで希望が見えない程に
それでも希望という光を求めて歩く

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U-TA

4.5理不尽な社会の中の片隅にある"小さな希望"。

2019年3月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

難しい

非常に心を激しく揺さぶる、とにかくズッシリ来る映画です。カスペルという少年はギャングの世界に生きているけど、その世界に居場所を持てない、スゴく孤独な存在です。唯一の心の有り処でさえ、ボスのリマルゴに殺されて(コイツがとにかくクズ野郎)、乗り込んだ列車の上で思わずリマルゴを殺した結果、カスペルに助けられたサイラの旅路を手伝うことに。

ざっとこういうあらすじですが、この少年は被害者であり加害者である立ち位置なので、彼の最期は悲しさよりも自業自得と思いました(悲しくはありましたけど、仕方無いが先行したので)。スマイリーを結果的に地獄へ誘った元凶ですし、一つの善意ですべてが不問になるってことは不可能ですし(そもそもどれだけ善を重ねたところで、不問はありえないから)。

じゃあサイラと過ごした時間がムダかと言うと、ムダではないです。カスペルがいなかったら、サイラは向こう(アメリカ)へ行けなかった。もしサイラと会えなかったら、きっとカスペルは変われなかった。世界がどれだけ残酷だろうと、一つの行為や出会い次第で人は大きな変化に出会える。そして死の瞬間で受けとるものは変われるはず。だからカスペルという少年の味方で僕はずっとありたい。世界がどれだけ非難しようとも、微力だろうとそうありたい。

『チョコレート』の"背中越し"に匹敵しているラストシーンは、静かですが力強くて、微かな救いに満ちてます。メキシコ映画はほぼ初ですが、この時代にこの映画を見られてスッゴく良かったです。

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平田 一

3.5悲しい

2018年9月22日
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ただただ悲しさと空虚感が残った。
でも現実はこれよりももっと酷だと思う。
展開の速さが、この現実を受け入れろという現れなのでしょうか。
他の方のレビュー通り、清々しさがあるのが不思議。
今の日本に生まれた事が幸運なのでしょう。

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ぴょん

4.0なぜかさわやかで眩しい印象

2018年5月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

内容は重いはずなのに、なぜかさわやかで眩しい印象が残る。それは二通りの切ない失恋も描いているからだろうが、それと背景に広がる南米の街や景色に開放感があるから。
ギャングの役者、描写はリアルぽいが、この映画にはなぜか麻薬は登場しない。大人の事情でしょうか。
主役を追って女の子も電車を降りるシーンはきれい。一瞬ぞわっとする美しさのあるシーンだった。
ラストは先の見えない現実を描いて潔く。

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okaoka0820

3.0☆☆☆★★ ※ 鑑賞直後のメモから 最初から伏線をしっかりと貼って...

2018年1月6日
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☆☆☆★★

※ 鑑賞直後のメモから

最初から伏線をしっかりと貼っていたから、ラストの衝撃度は高い。
でも何故《彼等》から逃げ、《彼等》が追い掛けて来るくだりを、はっきりと示してはいないので、よく理科出来ない箇所が多かった。
《彼等》の様に生きて行かないと、住みづらい貧困との戦いが、きっと在るのかも知れないが…。
温い日本に居ると、その辺りが麻痺してしまっているのかなあ〜…。

2010年7月6日 TOHOシネマズ/シャンテシネ3

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松井の天井直撃ホームラン

3.0ギャング

2017年10月29日
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鑑賞方法:DVD/BD

暴力しかない世界で見る世界は、私が見る世界とは全くの別世界だ。命の危険を犯してでも不法移民が絶えないのは、こういうことだから。ギャング達はまだどこかあどけなさが残っているが、そう長くは生きられないだろう。生まれ落ちた場所がどういう場所かで命の重さが決まる不条理。だから、少年と少女のつかの間の愛情が辛い。

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ミカ

4.0悲しかった

2014年3月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

あんな小さな子でも、ギャングに入ると大人と同じ扱いでビックリです∑(゚Д゚)顔にタトゥーがすごかった!かっこいいのかはナゾである。主人公の男の子が雰囲気があって良かった♡ラスト、悲しかった…

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asuna

4.0メキシコの現実

2013年12月17日
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悲しい

怖い

興奮

今メキシコで問題になってる麻薬戦争を関連する映画です。メキシコのギャング問題を現実的に写ってます。年々未成年ギャングの残忍さは過激になっている現実をこの映画でリアルかつ観やすく作ってますね。まっギャングに憧れる人には、創造と違うのでつまらないと思いますが、メキシコの現状をリアルに作っているので社会派好きの人はハマるかもです。シティーオブゴッドのメキシコ盤ってとこですね。

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エイジ

3.5遠く世界のおはなし

2013年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

興奮

闇の列車 光の旅
タイトルがなんとなく気に入って
深く内容を確認せずにレンタル

中身はかなり過激な内容だった
ギャング 不法移民 暴力描写

そのなかに、対照的に
主人公(カスペルとサイラ)のハートフルな部分は心地よい
2人の気持ちが恋愛に通じるかは深く描かれていなかったけど、
共通して切ない
こういったいみでは個人的に好きなジャンル

いまはどうなのかわからないけど、
中南米怖い
うかつに踏み込めない

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E.Del.Mar

4.5名監督への一歩

2012年4月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

知的

期待をはるかに超えて面白かった。
映像センスが抜群に良いです。
個人的には、
ジョー・ライト監督やサム・メンデス監督の映像センスが好きなら
キャリー・フクナガ監督も気に入るのではないかと思います。

脚本もキャリー・ジョージ・フクナガが手がけているという事で
個人的には、今後注目したい監督の一人です。

キャリー・フクナガ監督の
最新作で、今年6月2日に日本劇場公開される「ジェイン・エア」は
映画館に観にいこうと思います。

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transfilm

4.0ギャング怖すぎる

2012年1月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

メキシコギャングの顔に刺青が怖すぎる。絶対にお近づきになりたいないので、本当にメキシコには行きたくないし真面目に生きようと思った。主人公の行き場のない感じがとても切なくてよかった。

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吉泉知彦

3.0そうなのかぁ

2011年8月22日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

知的

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harukita

3.5やっぱりそれが現実なのか

2010年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

貧困から抜け出すためにアメリカを目指す南米の少女…という点で『そして、ひと粒のひかり』を思い出しました。あれが好きな人は、ぜひこちらもオススメしたい。

主役の2人には恋愛感情もあるのだろうけど、淡く描くだけであくまで現実的。ともに生き残り、アメリカにたどりつくためには互いを信じて過酷な道を歩んでいくしかない…と。

最後は予想していた結末になったけれど、やっぱりそれが現実なのか。監督は今回がデビュー作の、まだ30代の若い監督だというけれど、最後まで透徹した眼差しはホンモノっぽさを感じました。

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α

3.5名もなき人々

2010年7月16日
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ikuradon