プラネット B-BOY

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プラネット B-BOY

解説

ブレイクダンスの世界大会「バトル・オブ・ザ・イヤー・ファイナル」の2005年大会に出場したダンサーたちのドキュメンタリー。本大会で準優勝を勝ち取った日本代表チーム・一撃、厳格な家庭の中でダンス活動を認めてもらおうとする韓国のダンサー、人種的偏見を持った家族と戦うフランスの少年ダンサーなど、さまざまな事情を抱えるダンサーたちの素顔に迫る。

2008年製作/95分/アメリカ
原題または英題:Planet B-boy
配給:トルネード・フィルム、イーネット・フロンティア
劇場公開日:2010年1月9日

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(C)2008 Planet B-Boy, LLC. All Rights Reserved.

映画レビュー

5.0ブレイクダンス = ブレイキンは ダンスの「スタイル」、そして 「思想」!!

2024年7月31日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2024 パリ五輪が始まった。

新種目としては「オンラインゲーム」なんてのもある。
あれはスポーツと言えるのだろうかねぇ? インドアで。椅子に座って。電気器具のモニターを操るゲームですよ。バーチャルな対戦相手と得点を競うのって、果たしてスポーツなのだろうか。
おじさんとしては???なのだが。🤔⁉️

でもしかし、僕は思うのだ。
「なんとかして、それでも若者たちの楽しみと生きがいを育ててやりたいと願う、五輪委員会の、きっとそれは『親心』のチャレンジ」なのだろうと。

「そこ」の部分を、僕が前向きに捉えてみようと思ったのは、「もうひとつの斬新な競技」と「このテレビゲーム競技」がセットになっていて、今大会から若者のために同時にプレゼンスされた事によるのだ。

その「もうひとつ」というのが
僕が特に新種目として注目した「ブレイキン 」(=ブレイクダンス)なのだ。

・ ・

「BREAK」とは?
BREAKと言う名からして、僕は長く、クラシックスタイルを壊して=伝統を否定をして=ルール無用で勝手気ままに踊る、若者文化の表れに過ぎない・・
と思っていた。
しかしそれは僕の誤解だったみたい。

ある日の、
喧嘩や殺人に明け暮れていたNYサウス・ブロンクス。
ハーレムの少年たちの中で、一人の年上格が素っ頓狂な《ケンカ》を提案した、
「拳やナイフで勝ち負けを決めるのではなくて、どっちが最高にイカしたダンスを見せるかで勝者を決めようぜ」、と。
そういうことらしい。

えっ!うーん、なんだかこれ、泣けてくる、胸に迫るエピソードではないか。
僕はその場面に想像を巡らせ、少し言葉を失ったのだ。

つまり
「BREAK DANCE」とは ―
乱闘の取っ組み合いを止めて、引き離して=《BREAK》をして、敵味方がセパレートに離れて踊るという「思想」だったのだ。

憎しみと敵対を、ダンサー同士のリスペクトが凌駕していく勝負。
いいなあ。ホント、これ本当にいいよね。

本作のドキュメンタリーの頂点は、各国から集まった代表チームがドイツに集結しての決勝シーンだ。
チームごとの予選のあと、勝ち残った上位の4チームが、そう!かつての裏通りでの対決を再現して、向かい合わせでの得意技の応酬だ。
交互に繰り出す攻めと守り、そして挑発と いなし。
ステージ上には、バックストリートでのダンス合戦を再現し、ストリートダンスの原点を魅せる。
ダンスだけで闘うこの「バトル・オブ・イヤー2005」に、観客も、その家族も燃えるのだ。

エンドタイトルで語る福祉士の言葉が、若者たちに寄り添っていて、またそれが良かったと思う。

「競技」は「遊び」でなきゃぁね!
ブレイキンしかり。
ゲームやスケートボード しかり。

戦争の世の中に、
こんなに平和で熱い闘いが、
世界の頂点でついに脚光を浴びていることが、僕は嬉しくてたまらない。
人間、頑張れ。人の世に光あれと、うれし泣きに泣きたい気分だ。

・・・・・・・・・・・・・

追記
そしてこれは、僕はたびたびあちこちに書いている願望なのだが
「ピストル競技」は五輪から外して廃止しようではないか。
クレー射撃や槍投げは、「食糧を得るための狩猟行為」をその歴史的な起源としているのだが、ピストルは違う。ピストルだけはぜんぜん違うのだ。
人間を標的にして、人命を威嚇し、人間を殺傷することだけが目的の銃器だ。
警察官と軍人だけがこの競技に参加する。
なぜ世界はこの違和感に気づかない?
百歩譲っても、ピストルは恥ずべき競技として、非公開で行うべきではないか。
オリンピック憲章にそぐわない。

君たちはブレイキンを見て、反省して、その命の思想に驚けよ!

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きりん