アウトレイジのレビュー・感想・評価
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全員、悪人。全員、無様。
「おまえ、親の言うことがきけないのかっ」
いいトシしたオヤジが、これまたいいトシしたオヤジを怒鳴り付ける。こんなセリフを今どき力強く言い切れるのは、世の中広しといえども…彼らの世界だけ、かもしれない。
こんなセリフを筆頭に、彼らはとにかくカッコが悪い。かつてのやくざ映画は、組織の中で生きる哀しみや、逆境の中でもスジを貫くカッコイイ生きざまを描き、観客の支持を得てきたはずだ。それなのに、本作に登場する輩は、誰ひとりとしてカッコよくない。個人的に肩入れしながら観ていたオオトモ(ビートたけし)の腹心・ミズノ(椎名桔平)も、逃げる直前、わざわざイレズミを見せ付けるように女を抱き始めた時点で興ざめ。冷酷な金庫番・イトウ(加瀬亮)でさえ、ラストでプールサイドに佇む姿は、どうも間が抜けている。上を蹴落として昇り詰めた末に、ジャージ姿で踏ん反り返る若頭カトウ(三浦義和)は言わずもがな。さんざん痛い思いをするダメ組長ムラセ(石橋蓮司)も、さんざんがっつく組長イケモト(國村隼)も、全然かっこよくない。しかも、ことごとく報われない。自分はこの映画の住人じゃなくて、よかった…と思うことしきりだった。
…しかし。登場人物にまったく共感できないにもかかわらず、こんなに引き付けられた映画は久しぶりだった。観終わったときは、心底ぐったりした。安易な共感は、映画に不要だ。そんなことを、あらため
に不要だ。そんなことを、あらためて発見した。
…と、ふと考える。映画に共感が不要なら、私はこの映画になぜ引き付けられるのか?
共感できないと言いながらも、私は何度となくクスリと笑い、何て痛そうなんだと顔をしかめた。…それって、ある意味、共感ってヤツなのか?
…そこで、あらためて。遠い存在に思える人が、ふと近しい存在に思える。(身近と思っていた存在の、未知の側面を垣間見るような、逆も然り。)そんな感覚を、私は映画に求めているのかも知れない。
久々に、大発見の映画に当たった。
今一度、観直すべき逸品
北野武監督にとって、15作目となる「アウトレイジ」。
「その男、凶暴につき」「ソナチネ」「HANA-BI」といったバイオレンス映画に定評があり、筆者も「HANA-BI」は大好きだが、やはり「アウトレイジ」は今一度しっかりと観直すべき作品である。
三浦友和や加瀬亮をヤクザ役に起用とする映画人は、これまでいそうでいなかった。
キャスティングの妙、テンポの良い脚本も含め、大人が楽しめるバイオレンス映画という珍しい立ち位置を確立することに成功した希有な作品。個人的に、続編よりもこれがお気に入り。
滅びの美学
北野作品は残忍さが言われるけど共通して最後は滅びる(中途半端でなく全滅)といった滅びの美学があると自分は勝手に思っています。今作品もどんなに繁栄しても悪は最後ボロボロになって滅びてしまうという表現が素敵でした。
椎名桔平のかっこよさ
久々にエンタメに全振りした作品と思います。
それでもさすがは北野武監督作品といった印象を受ける本作。
ガチガチに凝ってはいないですが、誰が裏切り者なのか探る楽しさもあり、画的な美しさもあり、爽快なバイオレンス描写もあり。
細かく演技について指示しない、という話を聞いたことがありますが、それでいて作品がしっかりと出来上がるのがこの監督の手腕なのでしょうね。
さらっと内容に触れると関東の有力暴力団の本体から見て孫ぐらいの位置付けの零細暴力団のお話。
親も祖父母も難題ばかり押し付けてきて、苦闘している組があり、最終的には上層での駆け引きに翻弄されて、組が全滅してしまいます。
ただまぁそんな細かく考えず、
この人裏切るの?とか凄い暴力描写だ!とかって直感で楽しむ映画かと思います。
エンタメに振るならこれくらい作れるよ、という北野武監督の気概を感じる作品でした。
時々観返したくなる作品です。
もう何度も観ていますが、それでも面白いですね。
演出も映像、音楽の使い方もとてもセンスのあるものでしたし、脚本もよく練り込まれて巧く作られおり勢いもありますし、何と言っても登場するキャラクターが悉く魅力的なのもこの作品の凄いところだと思います。
特に椎名桔平さんの格好良い事ときたら(♡ˊ艸ˋ♡)あのニヤニヤした笑い方が堪らないですね。
加えてバイオレンス描写が秀逸!
静と動の使い分けもとても巧みですし、北野武監督のバランス感覚の素晴らしさがよく表れていると思います。
突き抜けたバイオレンス
人が死にまくります。
映画でなければとんでもないことですが、バイオレンスもここまで突き抜けるともうエンターテイメントになります。
結局誰がこのやくざの世界で生き残るのか、最後まで目が離せずに面白かったです。
音楽が久石譲でないのがイイ。
支持。
まず役者の割舌と録音がイイ。
あれだけ怒鳴って台詞が聞き取れるのだ。
三浦、椎名各々の自己ベストアクトかと。
特に三浦のうっすらお茶目の塩梅がイイ。
それと音楽が久石譲でないのがイイ。
痛快バイオレンスエンターテイメント
全員悪役、全員主役級。それぞれの俳優の個性を活かしきった、北野武でないと撮れなかった映画ではなかろうか。
争いというものは、とかく些細なことから始まるという典型。報復が報復を呼び、見栄や私利私欲が跋扈する欲望だけが渦巻く世界。ヤクザとは、人間とは愚かなんだと伝えている。これを観てヤクザに憧れる人が減ったらいいな、と思う。
映画として、エンターテイメントとして非常に良く出来た傑作。たけし映画にしてはセリフが多いかもしれないけど、表情や画で語らせるところもあり、たけし風味も満載。繰り返し見たくなる痛快なバイオレンスエンターテイメントムービー。
シンプル・イズ・ザ・ベストなんて言わせない
ビートたけしこと北野武が主演、監督、脚本、編集の全てを担っている映画ということで、ずーっとずっと見たかった作品。期待値はかなり高めです
最高過ぎ!!!期待を裏切らない面白さ!
久々のヤクザ映画ということもあってか、興奮が止まらずアウトレイジの世界に一瞬にして虜になってしまった。
関東最大の暴力団、山王会の大友組で組長を務める大友(ビートたけし)は池元組組長(國村隼)と兄弟である村瀬組を組長(石橋蓮司)ごと始末するように命じられる。
冒頭から感じられる役者の本気具合。
皆イキイキと演じていて、開始五分でこりゃいい映画だと確信した。そのくらい熱が凄い映画だ
体がこれを求めていた!
テンポがものすごく良いし、一度たりとも飽きさせずに突っ走る。ヤクザ映画にあるべき姿。ストーリーもしっかりしているので見応え抜群。
ヤクザ映画なのにも関わらず、笑えるところもあり。その笑いってのが自分のツボにハマってすんげぇ笑えた笑笑
YouTubeに上がっていたのでそのシーンがあることは知っていたのだが、椎名桔平が警察署の前でタバコを捨てるシーンはホント何度見ても笑える。マジで最高すぎるって笑笑笑
この仁義なき戦いを思い出させる味のある古臭さがたまらん。オープニングやエンディングの音楽,映像,フォントがヤクザ映画好きとしては帰ってきたかのような安心感がある。(ヤクザで安心感って...イカレてんな)
まあただ、雑さが見られる。
ヤクザ映画だからそれがまた味になっていいのだが、スピード感を追求し過ぎて緊迫感が足らず。戦闘シーンもなんか微妙だなと。呆気ない
コノヤローって言い過ぎだしね笑
R15にしてはあまりグロくない。
孤狼の血でR15のヤクザ映画を見てしまったせいか、どうしても物足りなさを感じてしまった
歯医者のシーンはかなりやばかったけどね笑
それでも、最高に胸アツな映画でした!
これが原点にして頂点。日本映画の最高峰。これだから映画はやめられないぜ!!
暴力エンタメ映画
ヤクザ映画は観慣れていないのであまり比較はできませんが、残虐な表現が多いとはいえ、非常にユーモアもある娯楽作品だと感じました。これどう続編やるんや。椎名桔平がツルッとした素敵ヤクザだった。加瀬亮は一生出会いたくない類いのインテリヤクザ。
初めてテーマ自体がヤクザとは何かに据えられました
その男凶暴につき
3-4x 10月
ソラチネ
HANA-BI
Brother
これらにつながる北野武流ヤクザ映画
確かにそうですが、本当に純粋なヤクザ映画は本作が初めてだと思います
それらの作品には、ヤクザ映画であることの前に語りたいことやテーマは別にあったと思います
ところが本作は、テーマ自体がヤクザとは何かに初めて据えられました
本作は特に21世紀のヤクザとは何か?を描く映画です
それをリアル描くことに向けられています
どこまで本作にあったことか、ありそうなことなのかはもちろんわかりはしません
しかしリアリティがあり過ぎで怖いです
でも歯医者での襲撃は、マフィアの理容店の襲撃のもじりなのでしょうが、日本でも散髪中に襲撃された事件があります
配役も、北村総一朗の関内会長、その若頭役の三浦友和は特に見事な配役です
余りのリアリティと迫力にのけぞってしまいました
説得力が有りすぎます
善人役が多い役者を使うことで、逆に説得力を持たせています
日本人の大きな組織の最上級幹部のあるあるパターンです
決してヤクザとか反社会的組織ではない、自分の知っている真っ当なある実業界の全国組織の会長とその幹部に、とてつもなく良く似ているのです
では、コッポラのゴッドファーザーに勝てたのか?
それは難しい
迫力は勿論圧勝しています
しかし、人間の人生と苦悩を描く圧倒的な厚みはないのです
そこがとても残念なところです
好きなタイプの映画ではないが
一回くらい見てみようと思って、録画して見始めたら、見覚えが有ったww
2回目だったね。ヤクザが怒鳴り合うシーンとか苦手だけど、単なる暴力的なだけでは無いものを感じた。何だろう、人としての筋というか、何か大切なものを感じた気がした。
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