劇場公開日 2010年9月11日

「ありふれた悪。。。それだけに怖い。」悪人 harizoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ありふれた悪。。。それだけに怖い。

2010年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

怖い

出てくる登場人物は特別でもない普通の人ばかり。
悪い面も愛される面も普通に持ち合わせた人ばかり。
ただ若さ故、暴言も感情のコントロールの下手さもありで、、、
主人公含め、被害者の見栄っ張りOL(満島ひかり)や
スカした大学生(岡田将生)の暴言も出来心な“悪”さえ
ありがちな光景だけにエグイ。。。

殺人を犯した主人公:祐一(妻夫木)の“悪”も揺るぎない
事実だけれど、普段は、祖父母の面倒を観る良い一面も
あったりする青年。
孤独から求めた出会いと裏切られた感情の爆発で
犯してしまった殺人は事故のようなモノ。。。

冒頭やさぐれてた祐一が光代(深津)との出会いで、
本来持っていた優しさと良心の呵責に苛まれる姿が
それだけに切なかったです。。。
そして最後にとった愛故に突き放す行動も。。。

肝心の深っちゃんの演技は受賞ニュースで期待しすぎたのか
結構フツーに感じちゃいました。。。(上手いんだけどね)
孤独からの出会いで、会ってすぐあそこまで好きになること
あるんかなーと、やはりそこは少しひっかかりましたが、
理由が理由なだけに、自分には愛で優しく包み込むしかない
+逃避行がこの一瞬を盛り上げたに違いありませんw

祐一の祖母(樹木希林)と被害者OLの父(柄本明)
の肝の座った愛情の演技は見物☆
殴りたくても殴らない、こらえる佇まいだけで泣けます。

悪についてあれこれ考えさせられる面を持ち合わせつつ
それ以上にいろんな愛情の面も教えてくれたよな
切ないけど優しい気持ちにもなれる後味でした。

harizo