「真の悪人は誰!?」悪人 だいふくさんの映画レビュー(感想・評価)
真の悪人は誰!?
モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した深津絵里の演技を観るがため当時映画館に行きました。
んで、観終わった後の率直な感想。
俳優陣の演技:◎
ストーリー:×
なんだかな~、こんなお話で今時感動はしないんだよなぁ。家族を含めた被害者側の苦しみ、加害者側の苦しみ。がテーマなんですが、内容がありきたりで綺麗に描きすぎているんですよね。被害者の家族はやはり簡単に立ち直れるはずが無いし、加害者側の家族だってボロボロになるはず。
被害者の父が車から蹴飛ばした学生の増尾圭吾を工具で殴りに行ったシーン。現実は絶対に殴っているはず。加害者側では、母に代わって清水祐一を育ててきたおばあちゃん。現実では、あんなに強く生きることは無理なはず。しかし、この物語は、綺麗に終わらせている。愛するものが死に、愛するものが人を殺したとき、はたして人間はこんなに強くて綺麗に生きれるんでしょうか?闇の部分ももっと描いて良かったのでは?
清水祐一と馬込光代の関係もありえない。初めて出会った男と即エッチ(少し襲われぎみ)して、すぐに人生を捨てるほど相手と思えますか?本当に好きならば、やはり自首して待つことが真実の愛だと思えるんですが、ひと時の感情に溺れ、二人が幸せな時間は、同時に苦しみの時間でもあると言いいたいがばかりのもっていきようなんです。
と、けなしてばかりですが、もちろんすばらしい映画ですよ!なんたって俳優陣が見事です。深津絵里と妻夫木聡だけじゃない!チャラ男演ずる岡田将生も軽女演じる満島ひかりも役を見事に演じてます。そしてなんといっても、樹木希林、柄本明のベテランコンビが完璧なんですよ。というか演技が深い!
さてさて、この映画の題名にもあるように、真の悪人は誰なんでしょう?
・殺人を犯した清水祐一
・自首することを止めた馬込光代
・人気の居ない峠で佳乃を蹴飛ばして車から降ろさせた増尾圭吾
・祐一の目の前で別の男の車に乗り、レイプされたでっち上げをしようとした石橋佳乃
・育ててきた親達
殺人を犯した罪人はもちろん祐一なのですが、悪人となると果たして誰なのか?もしかしたら、誰も悪くないのかもしれませんね。なんか色々な悪いタイミングが重なっただけで起きたもの。
ということで、悪いのはギョーザの臭いということにしておきますか!