告白(2010)のレビュー・感想・評価
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中島哲也監督の素晴らしい演出の新境地
総合85点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:90点|ビジュアル:75点|音楽:75点 )
子供達には子供達の、大人達には大人達のそれぞれの事情とか信念がある。そしてそれが間違っていようが人を傷つけようが関係なく彼らは自分のやりたいことを実行する。1人を除きほぼほぼ登場人物は異常な加害者たちばかりでとち狂っていたし、自分のやりたいことのために暴走していく姿が異様で面白い。北野監督の「アウトレージ」は「登場人物悪人ばかり」が売りだったが、この作品は「登場人物加害者ばかり」。
だがそれ以上に作品を面白くしているのが中島監督の演出だった。この人は「下妻物語」「嫌われ松子の一生」で軽快な演出をしていて世間の注目を集めたし、私も強い印象を抱いた。しかし今回は軽快な演出よりも異様な演出で異様な人々を描き出し、喜劇的演出以外の演出を見せてくれた。静かさに秘められた冷たい狂気を感じさせる演出が気に入ったし、今後はさらに活躍の場を広げてもらいたいという期待感がある。この人は世界に評価される時がくるかもしれない。
物語はいきなり教師が淡々と生徒の前で自分の決め付けた犯罪の真実を語りだすし、その教師が生徒の考えることを把握して事前に爆弾の処理をして、彼が爆弾を起動させた後で電話をしてそれに都合よく電話に出ることが出来るのが変だった。彼女は辞めた学校にも他の大学の研究室にもどうやって自由に入ったのだろうね。彼の行動をこんなにも完全に把握できるなんてCIAの協力でもあるのだろうか。物語の整合性は無理矢理感があった。
それで結局爆弾は本当に爆発したのだろうか、それとも彼の想像の映像なのだろうか。生徒が自分のやったことに衝撃を受けることが大切で実際に爆発したかどうかは問題ではないのかもしれないが、どうなったのか気になる。
とんでもないものを観た
徹底的な復讐劇。
脚本が狂いまくってて衝撃を受けた。最後の最後まで徹底的に復讐して終わるとは思ってなかったので、終わった瞬間はまさに唖然、という感じ。その復讐劇を中心に、その中で様々に歪んだ登場人物たちが各々の心的背景を告白していくのが非常に面白い。
スローモーションが多用され、その瞬間の登場人物の心の機微が色濃く反映された映像だった。
ただ、北原を殺す必要はなかったし、彼女が死んだことによってその告白の意味が中途半端なまま終わってしまった気がする。自分が気付けていないだけで実は彼女が死ぬことに重要性があったとしてもだ、あんなかわいい子殺すな、笑
アクが強すぎてオススメはできないが、僕は好きです
周りの友人からは批判ばかりされてるのですが、僕は好きです。
小説も読んだんですが、担任が一方的に話すことで情報が得られるホームルームのシーンや、クラス一同の動向を一人の生徒の視線で語る手法を映像で表現するには、あのスピード感、あのダンスなんかは、必然的に必要だったのかと。
そこを読み取れない人からは「なんじゃこれ」と思われるだけなのでしょう。
最後の爆発の心理描写も素晴らしいです。
僕の場合はこのような「なぜこの表現方法なんだ?」と考えながら観るのが楽しかったんですが、我ながら少数派な視点なのかと思います。
それでいて点数は高めなので、みんなはどこで面白さを感じたんだろうと、興味が持てます。
小説だから許せる道徳面と、映像化すると浮かび上がる面。
湊かなえ著《告白》
昨年度本屋大賞受賞作。※1
子供の肉体には母親と同じ血液が流れている。
これは禁断の木の実だ!
構成面は巧みだし、読ませる筆力も高い。更には驚くべきクライマックスへ…確かに大賞受賞も解らないでは無い。
以前読者感想にはっきりと記したが。※2 これは小説だからこそ道徳的等の面で許せる部分が在るが、映像化すると作品本来の薄っぺらさが浮き上がる気がする…と書いた。
母親に対するマザコン的な愛情と、世間から認めて貰いたい願望。
子供の為ならどんな事でもやってしまう歪んだ愛情。
子供は全て正しいと思い込む馬鹿な母親。
これを極上のエンターテインメントに昇華した、中島哲也の演出力は並みの物では無い。
多分他の監督だったならば、観客の興味を1時間も引っ張れなかったんではないだろうか。
若者が使う“切れる”を、この作品では“パチンと弾ける”と表現している。
映画の冒頭から、この“パチン”とゆう音が、今か今かと言う位に、いつ弾け飛んでもおかしく無い位の緊張感が画面から漲っていた。
それを確認出来ただけでも、やはりこの監督はただ者では無いのは証明した。
だけど、やっぱりこの物語は底が浅い。
第一章の告白を、クラスの生徒全員が。甘んじて共有したまま時が過ぎて行くのを、前提として物語が進んで行く事自体が、やはり薄っぺらいと思う。
別に映画(そうゆう話)なんだから…と言う意見も在るでしょうが!
でも常識的に見て物語自体は、この第一章で既に破綻を起こしていると思うのだが…。
※1 鑑賞直後に書き込んだレビューなので。
※2 以前に利用していたレビューサイトに日記機能が有り、そこに読書感想等を書き込めた。
(2010年6月6日TOHOシネマズ錦糸町No.1スクリーン)
引き込まれる
かなり前に一度見て、もう一度見たいと思っていた映画。
二度目でも十分楽しめた。
淡々としたナレーションが逆に恐ろしいし、犯人の追い詰め方が良くできている。特に最後の電話のシーンは引き込まれる。
主人公だけではなく複数の人の視点からみる手法も活きているし、スローモーションを使う撮り方もすばらしい。
牛乳飲めなくなる
暗い映像の中、赤色だけがやけに目立つ。残酷なのにどこか美しく、スローモーションの活用が印象的だった。
予備知識なしで見た人はきっと、衝撃を受けると思う。少なくとも劇場へ観に行ったとき、帰り際は誰もが無言だったことを覚えている。
原作にほとんど忠実に作られていて、違ったのは最後の言葉くらいかもしれない。小説はまだ優しさを残して終わっていた。でも映画は……
「復讐はまだ続くんだ」「これで終わりだと思うなよ」と脅されているかのような、何とも身の毛のよだつ終わり方だった。
頭いいなぁ
奪われた大切な人への復讐を、暴力を振るうのではなく、心理的に追い詰める方法で復讐するという話
頭のいい生徒の一つ上をいく所は、あまりにうまく行くので怖さを通り過ぎてエレガントさを感じた
松たかこが淡々と生徒に話す感じも好き
なーんてね……
ケネディ大統領が狙撃された時に
側にいた夫人は飛び散る夫の脳みそをとっさにかき集めようとしたとか……
たとえ形は整えられても
そこに命は戻らない
人間は人生のどこかで誰かにそれを教えられる。
今回、子供達はそれを担任教師に教えられた。
でも、教師は言う
「私、そんな事をあんた達に教えようと思ってやったんじゃないんだからね!」って映画ですね
見てから三年。。。忘れられない衝撃作
自分がこの映画を見て三年たちますが、いまだにおすすめの衝撃作を教えてと友達に言われたらこれをお勧めしますね。他の衝撃作とはまた違ういい意味でとても不快感を感じる映画でしたね。松たか子。やっぱし素晴らしい
本当に救いがない?
「救いがない」というコメントをチラホラ見かけますが、本当にそうでしょうか。ここに出てくる「悪」になり切ろうとする人々は皆が苦悩する人として描かれているし、その誰もが完全なる悪になろうとして、何処かでほころびを見せているあたりが、私はこの作品が描こうとした光明だと思いました。それを際立たせるために、ギリギリまで真っ黒な空気を充満させたんだろうと。鑑賞した時に私も打ちのめされる思いがしましたが、ふとそんな風に思うのでした。
それぞれの告白
こういった物は復讐者が
対象者に対してジワジワと
追い詰め復讐する…!そんな
ものだと思って観たら!
暗い感じで淡々と先生が
話す感じで始まります。
そして被害者遺族、犯人の少年達
その周りにいる人たち…
それぞれの告白で
それぞれの視点で話が進みます。
暗いだけのものかと思いましたが
音楽と見事調和していて
その時々の心情がしんみり伝わる感じです。
兎に角KYなあの教師には
笑ったww悪気はないのだけど
人をイラつかせる才能がw
まぁ、それも松たか子演じる
教師が焚きつけたのだけど。
こんなどっかーんとくる
映画ははじめてですw
あのラストの爆発シーンの
スローな所がすごくいいと思います。
なんとも言えない…
なーんてね、です。
先生の完璧な計画
みんながそれぞれに何かを求めて。
それが大きな存在であるほど
痛切に孤独であることを、己に知らしめる。
どうしても、手に入れなければ。
どうしても。
孤独が、こんなに痛いなんて。
誰も教えてくれなかった。
どうしたらあの人は自分を愛してくれるのかな?
どうしたら私を探し出してくれるんだろう。
それを死ぬほど考えて実行したんだ。
ただそれだけ。
でも、それだけでは済まなかった。
先生を怒らせてしまった。
自分がお母さんに会うために先生の娘を、殺したんだ。
僕の完璧な発明品で。
でも、結局僕は全てを失うことになる。
先生の完璧な計画によって。
登場人物それぞれの視点で語られる真実。
みずみずしい映像、終盤のテンポがすばらしいです。
独特の少々ファンタジーを感じさせる世界観でした。
結末にぞっこんで、2回続けてみました。
期待し過ぎて観たかも。
前評判が高すぎたのか、私が勝手に期待し過ぎていたのか・・・。
松たか子の、人間味を感じない、感情が出ない演技は素晴らしいと思った。
精神的に生徒を追い詰めるところも、現実にあると恐いなぁーなんて思いながら観ていましたが。
展開が、意外に強引。
1.
私なら、いくら娘を殺した犯人とはいえ、クラスメイトにエイズに感染した血を入れた牛乳を飲ませた教師を、擁護することは出来ない。
一歩間違えれば、自分が飲む可能性だってあったんだし。
そう思うと、犯人も憎いが、先生も憎い。どちらの味方をするわけでもなく、たかが中学生が、ましてや親にも言わず、元々団結力の無いクラスメイトだけの秘密事にしておこうとも思えない。
そのことがきっかけで、犯人をいじめるという「繋がり」で、団結したクラスメイトだったけれど、中学生1年、2年という設定にしては、生徒達の精神年齢が少し高かった。
2.
「直接手を下さず。」とレビューに書いている人が多いのが、疑問。
先生は、かなり直接的な方法で手を下しているよね。
エイズに感染した血液を飲ませる、感染は少ないとは言え、感染の可能性は0%とは言い切れない。
そもそもこの行動のメインは、精神的苦痛を与える為。悪意満々で、直接自分の手で血液を混入し、精神的に追い込むことにも成功。
完全に、先生が手を下してるやんw。
教壇の下の爆弾を、生徒Aのお母さんの机の下に移動。
爆発物って知ってて、何が起爆装置か知ってて、何時に起爆されるのか知ってて、何の罪も無い母親、つまり自分の娘と同じ立場の人間の元に運んだ。
完全に、先生の手で母親殺してるやんw。
淡々と目には目を、と見せつけるそのストーリーは、コワイものがあるけれど、なーんとなく詰めが甘いというか、、、
知的で冷酷な先生像をもっと生かして、完璧に回りくどい方法で生徒を苦しめる表現は無かったものか。。。と残念。
この本、面白かったよね
原作が面白すぎたので、正直映画は期待してなった。
珍しく原作と同じぐらい面白い映画になっていた。
とてもテンポ良く、原作のイメージそのままの作品。
邦画では2010年でNo.1
衝撃のラストもとても良く出来ていて満足。
・・な~んてね。
映画「告白」(中島哲也監督)から。
2009年本屋大賞を受賞した湊かなえのミステリー小説だけど、
まだ読んでいない。(笑)
主演の松たか子さんが大好きなのに、映画館で見逃したので、
DVDを楽しみにしていた作品の1つ。
作品の中で、なぜか何度も出てくる「・・な~んてね。」が
気になって仕方がなかった。
以前流行った「・・なんちゃって」と同じ匂いはするが、
ミステリーなので、その使い方に、疑問が残ったままである。
最後の最後になっても、
「ここから、あなたの人生の第一歩が始まるんです」に続いて
「・・な~んてね。」。
なくても全然おかしくない場面で使われるので、
余計に気になって仕方がなかった。
原作の「告白」は、どうなってるのだろう。
その使い方が解説されているだろうか。
さっそく図書館で借りて、調べてみようっと。
「大切なものが消えちゃう音」
これもキーワードだから、原作を読まなくちゃなぁ。
松さんごめんなさい。
淡々と犯人たちを追い詰めていく松たか子。その演技もゾクゾクさせられたが、しかし、この映画はB組の生徒たちと
「北原美月」「下村直樹」「渡辺修哉」
リアルな今の子供たち役を見事に演じきったこの三人。アカデミー賞でいったら、主演男優賞,主演女優賞級です。(あくまでも私の見解です)
この子達の根底にあるものは、「孤独」ガンガン伝わってきました。邦画での久々のアタリでした。映画館で見たかった…
あとは、使った音楽が全部良かった。素晴らしい映画です。
松たか子も良かったけど、最後泣く演出は、いらなかったように思えます。途中、人の心を失った復讐の鬼が最後の一瞬、人にもどってしまったみたいだったから。この三人が良過ぎましたね。
すごかったー
原作を知らずに観たのですが、すごかったです。ハラハラドキドキの連続で!!今の世の中のたくさんの問題点を含んだ話しで、心休まる暇なしというか。血で血を拭うようなやり方って、スッキリするどころかどんどん心の深いとこに落ちてくんだろうなーと思いました。
でもこんなに釘付けになって観てしまったの久しぶり!!
すごいものを見た。
すごい迫力。
映画が話題になり、原作を先に読んだ。
原作が面白いのに、映画はいまいちなことがとても多い。
でも、「告白」は、私が本を読みながら抱いた感覚をそのまま感じさせてくれた。
それをこれだけの時間に圧縮し、そして、魅せ、聞かせ、感じさせてるとこに鳥肌がたった。原作の文章を映像化したその絵の見せ方がすばらしくて、すごすぎて、何度も笑いだしてしまった。
原作は、衝撃を与える作品ではあるけれで、決して好きなものではない。
救いようがなさすぎるから。
でも、映画では、なんだか希望が垣間見れた気がした。
泣き崩れて、立ち上がって、最後の復讐に向かった松たかこが、最後に放った「なーんてね」は、ここからがお前の更生が始まるんだといった本心をカバーするために付け足された言葉な気がした。
能力の高さゆえに傲慢で、若さゆえに自分を知らずに、自分が本当に望むものがなにかを認められない少年を決して見捨てていない。自分をごまかしほかの人を傷つけて、どこへいってしまうのかわからない少年の未来に、なんだか希望みたいなものを与える気がした。
生きることを教えるっていうのは、これほど激しいことなのかもと思った。
ただの復讐じゃないんじゃないかと思わずにはいられない。
そう思いたいだけなのかもしれないけど。
よくできた作品だけど・・・
(読んでいませんが)「告白」という小説の評判がよいことと松たかこさん主演ということで、観に行こうと決めていました。ただし、(ちょっと御幣のある言い方かもしれませんが)これまでの中島哲也作品とは180度ちがう題材で、正直「下妻・・・」とか「嫌われ松子・・・」はあまり好きな方ではないので気にはなっていましたが、実際観てみて、よくできた良い作品だと思いました。
原作ではどう描かれているのか分かりませんが、日本の法律では裁けない「(凶悪)少年犯罪」のあり方をどう考えるべきか、また、彼らにこの情報過多の状態にあって「命」の重さをどう“実感”させるのかということを恐ろしいまでに上手く表現できていたと思います。
同時に、情報過多の一方、(本当のところは別として)わずかな電気ショックで気絶した女の子を死んだと思い込んでしまうとか、HIVが単純接触で感染すると思い込んでいるとかいう内容もある意味リアルだと思いました。
ただ、映画を観始めて5分ぐらい経過したところから僕の中でガス・ヴァン・サントの幾つかの作品のタイトルが頭に浮かびました。実際、自分がプロデューサーで、彼に「あのタッチで日本映画を撮ってくれ!」と頼んだらこれに近い作品になるような気がする。音楽の使われ方、挿入の仕方もそっくり、まるで、今までの作風と違うところで「この撮り方・作り方ししたかったためにこの題材を選んだ」と言ってもいいようにさえ感じてしまいました。
ただし、知っている人なら分かると思いますが、彼(ガス・ヴァン・サント)の作品にはあまりエンタテインメント性がない、でもこの映画には明らかにそれがあるので、それだけを比較すると、「告白」の方が彼の作品よりも「面白い」ということになってしまうと思います。とわいえ、日本人が昔から海外の物を真似て、物を作ってきたようにそれらはやはり2番・3番煎じには違いないわけで、監督のオリジナルの部分が作品の中にあればよかったのになぁと思わせえられらたのが残念でなりません。
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