告白(2010)のレビュー・感想・評価
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森口先生vs生徒の壮絶な駆け引き
いや~この作品はすごいですね。この映画を観たのは丁度一週間程前だと言うのに今だこの作品について考えています。私にとっては「バトル ロワイアル」を初めて観た時の衝撃に似ています。原作本はどれっだけ凄いのかはわかりませんが、この作品はかなりの衝撃でした。
ある中学校に勤める森口先生は警察から娘が亡くなったのは”事故死”と報告されます。しかし、本当はそうではなく彼女の受け持つクラスの生徒の誰かによって殺されと突然暮らすのみんなの前で告白したのです。そして、そこから森口先生と生徒の壮絶な駆け引きが始まったのです。
注目はなんと言ってもオープニングのクラスルームでの松 たか子演じる森口先生と生徒たちの演技。そして、森口先生と生徒の行詰まる心理戦。特に冒頭のクラスルームでのシーンは見ごたえ十分。森口先生の言う一言一言に対する生徒たちのリアクションがあまりにもリアルすぎて凄いとしか言いようがないですね。中島監督はよくあそこまでリアルなシーンを撮ったなと思いました。
それから、あの生徒の計画実行とそれを阻止しようとする先生との心理戦の描き方はお見事でした。緊張感たっぷりに描がかれていて、観てる側を本当に引き付けるものがあります。
ただし、一人の生徒がアレを仕掛け一人の教師がアレをあっさりと解体できるかは現実的に無理があると私は思いました。
しかし、これはなかなかの傑作です。サスペンス物が苦手な人にはオススメできませんが、そうでない人には是非観てほしい一本です。
新感覚
原作と映画
原作を上回る迫力を魅せた中島監督の映画力
いや、これはスゴイわ!
映画館のスクリーンで観られてよかったわ!!
でも、拍手起きんかったなぁ。こんなんなら、
『トロッコ』のときみたいに、先陣を切って拍手すればよかった!!!
〈 わたしにはわかる 〉
■原作既読者の感想です
私事ですが、私は本のレビューはAmazonに
書いているのですが、原作本の評価は星4個をつけました。
読後感があまりにも悪かったのと、
余韻を残したエンディングに、これは
残しすぎじゃないかな、との、不満があり星を1個減らしました。
ただ一方で
「一体この作品を、どう映画化するんだろう」との
疑問と期待は公開初日へ向けて膨らむばかりで、それは
スクリーンに東宝のマークが大写しにされた瞬間、鳥肌が立ってしまうほどでした。
登場人物、エンディングに
原作との、違いがありますが、
よくここまでほぼ原作に忠実に作り上げ、
しかもエンディングで監督の味も出している。
月並みな表現で申し訳ないのですが、感嘆しました!!
ただもう一人の私もいまして、
「原作既読だから予備知識もあって鳥肌立てたけど、
原作未読の人が、いきなり今作を受け入れられるのかな?」
原作にないエンディングのセリフは
絶望だけで終わらせるのでなく、光と
エンタテインメント性の双方を、求めたものと
私自身は受け取ったのですが、そこに至るまでが
あまりにもダークで深い闇に、覆われているので
果たして一筋の光として届いたのかどうか疑問に感じたからです。
原作未読で今作を鑑賞された人のレビューに大変興味があります(笑顔)
■ストーリーを彩る音楽、符牒にも感動!
作品全体を通して音楽が、とても良かったです。
そして場面の間だけでなく、エンドロール中も
流れますが、ああいう空の、使い方、すごく意味深で
この先どうなるのかとか、これまでどうだったのかとか
自然に考えさせられてしまう。暗転とは、また違う方法で
お客さんに一呼吸入れさせる。空がスクリーンに映るたびに、
空に映るもの、空の向こうに映るものに思いを巡らせてしまいました。
■松たか子さん、木村佳乃さん。そして芦田愛菜ちゃん
“松たか子さんが出演オファーを受けてくれること”
それが今作を映画化するにあたり中島監督の絶対条件。
中島監督、学生役の子たちには、携帯電話を落とす位置まで
細かく演出をしたそうですが、松さんに対しては放置状態だったそうです。
まるでロボットのように無機質に淡々と話すかと思えば、
ネタバレ防止で最も心に残ったワンシーンだけにしますが、
終盤路上でしゃがみこんで慟哭してみたりと、感情を捨て
復讐を機械の様に正確無比に遂行しようとしながらも、人として
教師としての理性を完全に失うことはできない、その、なんとも
表現しがたい微妙な感情の匙加減を完璧に演じられているようにみえました。
ひょっとしたらひょっとして
日本アカデミー賞最優秀主演女優賞連覇もあるかもしれませんね。
木村佳乃さんの最大の見せ場は
まるで洗濯物を干しにいくかのように
(中島監督に、こう演出されたそうです)
あることをしにいく場面でしょう。素直に巧かったです。
芦田愛菜ちゃん。
松たか子さんの娘役をした女の子。
今作の撮影時、まさか上映開始日の頃、
『mother』という日本テレビのドラマで
5歳なのに実年齢より上の小学生を大人顔負けの
演技を魅せ話題沸騰しているなんて想像もできなかったでしょう。
想像していたら、もっとセリフと出番が多かったはずですもんね(苦笑)
☆彡 ☆彡
『殺人の追憶』のような
映画を日本でも製作してヒットさせてみたい
そんな願望も今作にはこめられているそうです。
願望成就へ一歩進みましたよね。
『アリス・イン・ワンダーランド』の連続首位の座を奪取しましたから(笑顔)
ストーリーを知っているのに
スクリーンから眼を離させない中島監督の映画力。
原作は
星4個をつけましたが、
映画は5点満点です!!
な~んてね♪
なんて言葉は続きませんよ(苦笑)
映画ならでは
参りました!
原作を読もう
研究を捨てて平凡な男と結婚したが、けっきょく子どもを捨てて研究に戻る母親。
自分の優秀さを母親と世間の人々に認めてもらいたいともがく子ども。
発明展で最優秀をとったのに注目されたのは同じ日に起きた殺人事件。
注目されたいという気持ちがゆがんで幼児を殺してしまう。
子どもを溺愛する母親。だれにも相手にされない平凡以下の子ども。
自分も主役になるチャンスと幼児をプールへ投げ込んでしまう。
子どもを教え子に殺された教師。周到に計画された復讐。
殺人または自殺願望の少女。暑苦しい熱血教師。
彼の過去をひもとけば一本の映画ができるだろう。これらが主な登場人物。
今どきの中学生の物語?三人の母親の物語?加害者と被害者の物語?
犯人は冒頭のHRで分かってしまう。ダイハード的展開。
それでも2時間もたせる力は原作か監督か。
これはぜひ原作を読まなければならない。
期待しすぎたか・・・
癖になる
初めは余り興味がなかったものの、結構話題になっていたので、「そんなに話題ならば…」と思い、いつもはレディースデイを狙い、安く観るのですが、その日は自身が暇…という事もあり、レイトショーに行きました。
しかし。
物語が私好みな上に、松たか子さんの淡々とした演技、岡田将生君が教師役という新鮮さと、演技力の高さ、木村佳乃さんの親バカな母親役。とにかく全てが新鮮で観いってしまいました。
内容も、「答え」が見えず、考えさせられる物だと感じました。
レイトショーで少々高めの値段で観たのですが、1800円出しても良いな。と感じました。
とにかくハマり、
小説も買って読み、漫画化されているのでそちらも読み、今だ考えさせられています。
交じり合わない思いの中、勝手な言葉は「告白」になる
スゴイです、、、
「イマドキの中学校って、こんななの???
うううーーーー、、、 絶対コドモなんてほしくないーーーー!!!」
とトラウマになりそうなほど怖く、あまりにも殺伐としています。
個々を見れば、母親は子供を愛しているし、
子供だって親への愛情があるのに、
なぜか、それが、まったくクロスしない。
ものすごくバラバラで、
誰一人として、キモチが混ざり合わないのです。
そう、まさに「告白」。
会話、では決してないのです。
愛しているけれど、ものすごく身勝手、、、みたいな。
見終わったあとで、
「確かにすごい作品なんだけれど、
全体を通してのストーリーとゆうか、
ぶつかりあいとしてのドラマがないような…」
と思っていたのですが、
考えてみれば、タイトルが『告白』である以上、
それぞれの勝手な“告白”で作品が構成されていて“正解”なのだ、と。
この見終わってからの居心地の悪さも含めて、
中村哲也監督、やはり性格の悪い確信犯(←褒め言葉です)で、
すごいです。
また独特な映像が、怖さをいや増しています。
作品ごとに、色と質感で作り出す世界観も、すごいです、、、
原作は未読なのですが、ぜひ読んで、作品の感触の違いを感じてみたくなりました。
中島哲也は天才
中学生の無邪気な殺意が怖すぎ
決してハッピーな作品ではないのですが、怖さや悲しさややりきれなさが、うまく表現されていると思いました。
松たか子さんの演技はさすが。岡田将生くんや木村佳乃さんもさすが。重要な役割の3人の中学生も頑張っていたと思います。
原作の小説はどういう構成で書かれているのか知りませんが、異なる登場人物の視点で同じ場面が何度か描かれる構成も個人的には好きです。
いわゆる犯人探しのミステリーとは違いますが、話が進むにつれて「ああ、そういうことだったのか」と真実が見えてくるというか謎が解けた感じがあって、これも好み。
映像は決して派手ではなく、どちらかというとモノトーンな印象ですが、スローモーションなどが効果的に使われていました。若干そういった映像手法を使いすぎな気はしましたが。音楽も同様。若干あざとさを感じつつ、効果的だったと思います。
R-15指定ですが、ビジュアル的にはそんなにキツくは感じませんでした。むしろ心理的な部分の異常性の方が印象に残りました。松たか子の心理攻撃による復讐もぞっとするけど、中学生の無邪気な殺意が怖すぎ。
作品としてはとてもよくできているのに、受け入れがたい、そんな作品。
子を持つ一人の母親として。
予告編を見た時、≪これは、暗くて人間の悪い部分を強調した作品なんだろうな~≫と思った。
でも、意外にも「良い」という感想も多く見た。
見ても、気が滅入ってしまうだけではなさそうだと思い、見てきた。
告白するのは、松たか子だけではなく、それぞれ人物の告白がある。
それぞれの立場からの告白を見ているうちに、共感する部分もある。
だけど、それを実行するかどうかは、その人物次第。
それぞれの生い立ちや立場によって、こんなにも変わってしまう人間性。
親ならではの、子への愛、想い。
溺愛すれば、子は自立できない。
自立させようとしても、子はどこかで親を求めている。
そのあたりの、匙加減。
難しいです。
子を持つ一人の母親として、見て良かったと思える作品でした。
秀作!
すごいものを見た。
すごい迫力。
映画が話題になり、原作を先に読んだ。
原作が面白いのに、映画はいまいちなことがとても多い。
でも、「告白」は、私が本を読みながら抱いた感覚をそのまま感じさせてくれた。
それをこれだけの時間に圧縮し、そして、魅せ、聞かせ、感じさせてるとこに鳥肌がたった。原作の文章を映像化したその絵の見せ方がすばらしくて、すごすぎて、何度も笑いだしてしまった。
原作は、衝撃を与える作品ではあるけれで、決して好きなものではない。
救いようがなさすぎるから。
でも、映画では、なんだか希望が垣間見れた気がした。
泣き崩れて、立ち上がって、最後の復讐に向かった松たかこが、最後に放った「なーんてね」は、ここからがお前の更生が始まるんだといった本心をカバーするために付け足された言葉な気がした。
能力の高さゆえに傲慢で、若さゆえに自分を知らずに、自分が本当に望むものがなにかを認められない少年を決して見捨てていない。自分をごまかしほかの人を傷つけて、どこへいってしまうのかわからない少年の未来に、なんだか希望みたいなものを与える気がした。
生きることを教えるっていうのは、これほど激しいことなのかもと思った。
ただの復讐じゃないんじゃないかと思わずにはいられない。
そう思いたいだけなのかもしれないけど。
う~ん!
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