告白(2010)のレビュー・感想・評価
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原作を読もう
研究を捨てて平凡な男と結婚したが、けっきょく子どもを捨てて研究に戻る母親。
自分の優秀さを母親と世間の人々に認めてもらいたいともがく子ども。
発明展で最優秀をとったのに注目されたのは同じ日に起きた殺人事件。
注目されたいという気持ちがゆがんで幼児を殺してしまう。
子どもを溺愛する母親。だれにも相手にされない平凡以下の子ども。
自分も主役になるチャンスと幼児をプールへ投げ込んでしまう。
子どもを教え子に殺された教師。周到に計画された復讐。
殺人または自殺願望の少女。暑苦しい熱血教師。
彼の過去をひもとけば一本の映画ができるだろう。これらが主な登場人物。
今どきの中学生の物語?三人の母親の物語?加害者と被害者の物語?
犯人は冒頭のHRで分かってしまう。ダイハード的展開。
それでも2時間もたせる力は原作か監督か。
これはぜひ原作を読まなければならない。
期待しすぎたか・・・
癖になる
初めは余り興味がなかったものの、結構話題になっていたので、「そんなに話題ならば…」と思い、いつもはレディースデイを狙い、安く観るのですが、その日は自身が暇…という事もあり、レイトショーに行きました。
しかし。
物語が私好みな上に、松たか子さんの淡々とした演技、岡田将生君が教師役という新鮮さと、演技力の高さ、木村佳乃さんの親バカな母親役。とにかく全てが新鮮で観いってしまいました。
内容も、「答え」が見えず、考えさせられる物だと感じました。
レイトショーで少々高めの値段で観たのですが、1800円出しても良いな。と感じました。
とにかくハマり、
小説も買って読み、漫画化されているのでそちらも読み、今だ考えさせられています。
交じり合わない思いの中、勝手な言葉は「告白」になる
スゴイです、、、
「イマドキの中学校って、こんななの???
うううーーーー、、、 絶対コドモなんてほしくないーーーー!!!」
とトラウマになりそうなほど怖く、あまりにも殺伐としています。
個々を見れば、母親は子供を愛しているし、
子供だって親への愛情があるのに、
なぜか、それが、まったくクロスしない。
ものすごくバラバラで、
誰一人として、キモチが混ざり合わないのです。
そう、まさに「告白」。
会話、では決してないのです。
愛しているけれど、ものすごく身勝手、、、みたいな。
見終わったあとで、
「確かにすごい作品なんだけれど、
全体を通してのストーリーとゆうか、
ぶつかりあいとしてのドラマがないような…」
と思っていたのですが、
考えてみれば、タイトルが『告白』である以上、
それぞれの勝手な“告白”で作品が構成されていて“正解”なのだ、と。
この見終わってからの居心地の悪さも含めて、
中村哲也監督、やはり性格の悪い確信犯(←褒め言葉です)で、
すごいです。
また独特な映像が、怖さをいや増しています。
作品ごとに、色と質感で作り出す世界観も、すごいです、、、
原作は未読なのですが、ぜひ読んで、作品の感触の違いを感じてみたくなりました。
中島哲也は天才
中学生の無邪気な殺意が怖すぎ
決してハッピーな作品ではないのですが、怖さや悲しさややりきれなさが、うまく表現されていると思いました。
松たか子さんの演技はさすが。岡田将生くんや木村佳乃さんもさすが。重要な役割の3人の中学生も頑張っていたと思います。
原作の小説はどういう構成で書かれているのか知りませんが、異なる登場人物の視点で同じ場面が何度か描かれる構成も個人的には好きです。
いわゆる犯人探しのミステリーとは違いますが、話が進むにつれて「ああ、そういうことだったのか」と真実が見えてくるというか謎が解けた感じがあって、これも好み。
映像は決して派手ではなく、どちらかというとモノトーンな印象ですが、スローモーションなどが効果的に使われていました。若干そういった映像手法を使いすぎな気はしましたが。音楽も同様。若干あざとさを感じつつ、効果的だったと思います。
R-15指定ですが、ビジュアル的にはそんなにキツくは感じませんでした。むしろ心理的な部分の異常性の方が印象に残りました。松たか子の心理攻撃による復讐もぞっとするけど、中学生の無邪気な殺意が怖すぎ。
作品としてはとてもよくできているのに、受け入れがたい、そんな作品。
子を持つ一人の母親として。
予告編を見た時、≪これは、暗くて人間の悪い部分を強調した作品なんだろうな~≫と思った。
でも、意外にも「良い」という感想も多く見た。
見ても、気が滅入ってしまうだけではなさそうだと思い、見てきた。
告白するのは、松たか子だけではなく、それぞれ人物の告白がある。
それぞれの立場からの告白を見ているうちに、共感する部分もある。
だけど、それを実行するかどうかは、その人物次第。
それぞれの生い立ちや立場によって、こんなにも変わってしまう人間性。
親ならではの、子への愛、想い。
溺愛すれば、子は自立できない。
自立させようとしても、子はどこかで親を求めている。
そのあたりの、匙加減。
難しいです。
子を持つ一人の母親として、見て良かったと思える作品でした。
秀作!
すごいものを見た。
すごい迫力。
映画が話題になり、原作を先に読んだ。
原作が面白いのに、映画はいまいちなことがとても多い。
でも、「告白」は、私が本を読みながら抱いた感覚をそのまま感じさせてくれた。
それをこれだけの時間に圧縮し、そして、魅せ、聞かせ、感じさせてるとこに鳥肌がたった。原作の文章を映像化したその絵の見せ方がすばらしくて、すごすぎて、何度も笑いだしてしまった。
原作は、衝撃を与える作品ではあるけれで、決して好きなものではない。
救いようがなさすぎるから。
でも、映画では、なんだか希望が垣間見れた気がした。
泣き崩れて、立ち上がって、最後の復讐に向かった松たかこが、最後に放った「なーんてね」は、ここからがお前の更生が始まるんだといった本心をカバーするために付け足された言葉な気がした。
能力の高さゆえに傲慢で、若さゆえに自分を知らずに、自分が本当に望むものがなにかを認められない少年を決して見捨てていない。自分をごまかしほかの人を傷つけて、どこへいってしまうのかわからない少年の未来に、なんだか希望みたいなものを与える気がした。
生きることを教えるっていうのは、これほど激しいことなのかもと思った。
ただの復讐じゃないんじゃないかと思わずにはいられない。
そう思いたいだけなのかもしれないけど。
う~ん!
「ドッ!カァ〜ン…な〜んてネッ!」
↑例のTVCM予告編音声に刺激され、
→個人的に編集加工、
→着メロに設定!、
→「松たか子」さんのキレた(?キレているであろう?)演技を勝手に想像(妄想?)して、独りヨガりに盛り上がってみたりもしてたんですが、
原作小説を読んでもいないのに、そんな些細な音声情報からだけで、暴走するとは、"妄想族"の面目躍如?
でも、実際に見てみたら、…
決して、楽しいもんでもないし、きわめて現代的・現実的な考えさせられる内容で、
件の音声部分も、元々、編集が施されていたようで、(良い意味で、)予想を裏切ってくれました.
途中から俄然(ストーリー的にも)目立ってきたのが、
難しくも魅力的な役どころの学級委員長役の女の子(!←後調べで、「橋本愛」という女優さんでした)
さすがッ!?
美少女系好き(?)な監督、目の付け所が違う(?).
最近、所属事務所移籍問題か何かで、現公開中「湾岸署(?!←大人の事情…)」から、ハブにされてしまったらしい(上映中作では、子供が産まれた〜との設定)と、もっぱらネット上他にて、噂の「水野美紀(ユキノすぁ〜ん?)」さんの若かかりし頃に似た感じ(?←あくまでも、主観的なコジツケです)で、
今作をきっかけに、今後の活躍が期待させられる女優さんの発見(←デビュー作では、ないらしいから、遅ッ!?)でした.
今までにない映画
人間の心の闇をここまで描いた作品としては評価したいです。賛否両論ありますが、誰もやらない事に手を挙げたのは凄い勇気だと思います。自分の子供が理不尽な殺され方をすれば誰しもが一瞬であれ復讐の二文字が頭に浮かぶのは当然だと思います。しかし誰も救われない。虚しい、鳥肌が立つ、悲しい映画でした。松たか子さんが、何で関係の無い第三者を巻き込むのかと少年に対して怒りをぶつけていたのは最もだと思いました。命の大切さ、復讐の虚しさ、子供にとって親が与える影響の大きさなど、人間関係が希薄になり命が軽く扱われがちな現代社会の問題点を違う視点で描いているのかなと私は解釈しました。見た後は本当に疲れました。一緒に見た妻は二度と見たくない。と言っていました。
よくできた作品だけど・・・
(読んでいませんが)「告白」という小説の評判がよいことと松たかこさん主演ということで、観に行こうと決めていました。ただし、(ちょっと御幣のある言い方かもしれませんが)これまでの中島哲也作品とは180度ちがう題材で、正直「下妻・・・」とか「嫌われ松子・・・」はあまり好きな方ではないので気にはなっていましたが、実際観てみて、よくできた良い作品だと思いました。
原作ではどう描かれているのか分かりませんが、日本の法律では裁けない「(凶悪)少年犯罪」のあり方をどう考えるべきか、また、彼らにこの情報過多の状態にあって「命」の重さをどう“実感”させるのかということを恐ろしいまでに上手く表現できていたと思います。
同時に、情報過多の一方、(本当のところは別として)わずかな電気ショックで気絶した女の子を死んだと思い込んでしまうとか、HIVが単純接触で感染すると思い込んでいるとかいう内容もある意味リアルだと思いました。
ただ、映画を観始めて5分ぐらい経過したところから僕の中でガス・ヴァン・サントの幾つかの作品のタイトルが頭に浮かびました。実際、自分がプロデューサーで、彼に「あのタッチで日本映画を撮ってくれ!」と頼んだらこれに近い作品になるような気がする。音楽の使われ方、挿入の仕方もそっくり、まるで、今までの作風と違うところで「この撮り方・作り方ししたかったためにこの題材を選んだ」と言ってもいいようにさえ感じてしまいました。
ただし、知っている人なら分かると思いますが、彼(ガス・ヴァン・サント)の作品にはあまりエンタテインメント性がない、でもこの映画には明らかにそれがあるので、それだけを比較すると、「告白」の方が彼の作品よりも「面白い」ということになってしまうと思います。とわいえ、日本人が昔から海外の物を真似て、物を作ってきたようにそれらはやはり2番・3番煎じには違いないわけで、監督のオリジナルの部分が作品の中にあればよかったのになぁと思わせえられらたのが残念でなりません。
心の闇
今年度、何らかの賞をとる作品だと思いました。
悶々とするけど拍手。
全くスカッとしない快作
観終わった後、言葉が出ませんでした。
こんな作品は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』以来です。
物語は、とある中学校の1年生の教室。終業式の日の、どこにでもある風景から始まります。
担任の森口先生の【告白】。
そこから、事件に関わった人物の「告白」が続きます。
娘を失った教師。
教師の娘の命を奪った少年Aと少年B。
新しくクラスの担任になった熱血教師。
少年Bを信じ続ける母親。
少年Aと心を通わそうとする同級生の少女。
それぞれの登場人物は、自己中心的で残酷で、
物語には最後まで救いがないまま、結末を迎えます。
娘を失った教師の復讐は、中学生の少年の心理や行動を踏まえた上での、
計画的で、冷徹で、情け容赦ないものです。
そんな元担任教師が、物語の後半で一瞬だけ、人間らしさを見せます。
この場面での松さんの演技が素晴らしいです。
全体の抑えた冷徹さの滲み出た芝居が、凄く活かされたシーンだと思いました。
少年Bの母親を演じた木村佳乃さんの狂気じみた芝居も素晴らしいです。
映画の内容としては、全く救いが無いし、
登場人物も、周囲の傍観者も含めて、最悪な人物達。
そんな、「最低最悪な」映画ですけど、凄い作品だと思います。
「リリィ・シュシュの全て」に雰囲気は似てるかもしれません。
もう一度観たいとは思わないけど、凄く心に突き刺さる作品でした。
救いようのない傑作
内容は娘を殺された女教師の復讐の話。
少年法に守られた子供たちのロクでもない理由での殺人と
別に更生させようとするわけでもなく、一番悲惨な形での
復讐をたくらむ女教師。
犯人の子供を好きになる女生徒も病んでいたり
またその女生徒も殺しちゃったり
病んでいく子供が自分のお母さんを殺しちゃったり
女教師の後任の教師も馬鹿な熱血だったり
どこにも救いがない。
最後は自分の作った爆弾でもっとも欲しかった母親を
殺させるまで追い詰める女教師。
最後の最後まで後味が悪い展開。
ところどころ救いがあると見せかけて
実は全然無い、最後まで全然無い。
やっぱり牛乳には血を入れてない、とか
馬鹿な体育教師も、最後は生徒を救うのかなど
少しは期待する自分がいるんですが、全部裏切られる。
どこまでも酷い展開。
ところがこの映画、後味は全然悪くない。
むしろ清々しい。
さすがCM会の巨匠中島哲也。
(よく知らないけど)
人を殺しても法に守られることを知っている子供と
あっけらかんとした子供、どちらも子供で
それがそのまま思いっきり映像に表れて
衝撃的な話の内容と対照的に鮮やかで
この救いようのない映画を傑作にしています。
ただ、この映画が大ヒットする理由が、この映画の出来のよさや
清々しさにあればいいんですが、罪を犯した少年への復讐に対しての
賛美だったら嫌だなぁ・・・。
まぁ、とりあえず何を感じるかで大きく分かれるとは
思いますが観てない人は、今すぐ劇場へ。
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