「ぐいぐい引き込まれる」告白(2010) ミケランジェロさんの映画レビュー(感想・評価)
ぐいぐい引き込まれる
この手の映画は私は得意ではない。
学校、イジメ、家庭の事情。
こういった題材の作品はどうも寄せ付けない所がある。
だが、この「告白」は違った。
サスペンスとしての会話劇も抜群であり犯人がわかっていながらも次はどうなる?次はどうなる?とぐいぐいと画面に引き込まれてしまっいるのだ。
復讐と倫理観が見事にブレンドして偏った意見がないようにあくまでも中立を保った娯楽作品として仕上がっており、観て考えさせられる所もなく、見終わった後のスッキリ感がたまらなかったのである。
「下妻物語」の中島哲也なのだが、今までのようなカラフルな色彩は今回はなく、暗いトーンで抑えた色調で登場人物を描き、スローモーションを多用した芸術性豊かな映像美に暗い題材でも2時間映画に拘束されてしまうのである。
復讐の相手が生徒という事で嫌がる人もいるかもしれないが、これは間違いなく日本映画史に残る傑作だ。日本映画の見本として後世に語りつがれるだろう。
コメントする