「全くスカッとしない快作」告白(2010) だいすけさんの映画レビュー(感想・評価)
全くスカッとしない快作
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観終わった後、言葉が出ませんでした。
こんな作品は『ダンサー・イン・ザ・ダーク』以来です。
物語は、とある中学校の1年生の教室。終業式の日の、どこにでもある風景から始まります。
担任の森口先生の【告白】。
そこから、事件に関わった人物の「告白」が続きます。
娘を失った教師。
教師の娘の命を奪った少年Aと少年B。
新しくクラスの担任になった熱血教師。
少年Bを信じ続ける母親。
少年Aと心を通わそうとする同級生の少女。
それぞれの登場人物は、自己中心的で残酷で、
物語には最後まで救いがないまま、結末を迎えます。
娘を失った教師の復讐は、中学生の少年の心理や行動を踏まえた上での、
計画的で、冷徹で、情け容赦ないものです。
そんな元担任教師が、物語の後半で一瞬だけ、人間らしさを見せます。
この場面での松さんの演技が素晴らしいです。
全体の抑えた冷徹さの滲み出た芝居が、凄く活かされたシーンだと思いました。
少年Bの母親を演じた木村佳乃さんの狂気じみた芝居も素晴らしいです。
映画の内容としては、全く救いが無いし、
登場人物も、周囲の傍観者も含めて、最悪な人物達。
そんな、「最低最悪な」映画ですけど、凄い作品だと思います。
「リリィ・シュシュの全て」に雰囲気は似てるかもしれません。
もう一度観たいとは思わないけど、凄く心に突き刺さる作品でした。
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