「精神的グロ、だが見入ってしまった」告白(2010) やぶうちへびさんの映画レビュー(感想・評価)
精神的グロ、だが見入ってしまった
少年犯罪、殺人、集団心理、いじめ、様々な人間の醜さ、心の醜さ、やるせなさ等々、精神的グロを含む映画。
特に序盤、趣味の悪い描き方をしているので、人によっては最低レベルの評価になるかも。
発端となった事件が松たか子のモノローグのような形で描かれ、事件の全容が明かされたかのように見えたところで、本当の物語がはじまる。
事件の「その後」そして、モノローグにはなかった「事実」が視点を変えつつ明らかになっていく。
個人的に、同じく精神的グロ映画であるソロモンの偽証は受け入れられなかったが、こちらは引き込まれていった。
精神的にくる内容もありながらも、きちんと物語になっているからだろうか。
あるいは被害を受ける人のほとんどが”そうなっても仕方ない人物”だからなのかも。
ニュースなどで報じられる少年犯罪は結局「意味不明」で済まされることが多い。
この映画ではその裏を描いているし、そこには少年のバックボーンだけでなく、大人からの影響も描かれているのが面白い。
遊戯王という漫画では男親が異常性を持つ様が描かれているのだが、この映画では逆に女親(あるいは女性の大人)がそういう役目を担っているのも興味深く感じた。
序盤の単なる趣味の悪い演出(その演出をしようとすること自体が趣味悪い)と、終盤の逆回しシーンはいらなかったんじゃないだろうか。
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