渇きのレビュー・感想・評価
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パンパイア物なのね🧛♂️
役所広司と小松菜奈の「渇き」のリメイクだと何故か勝手に思い込んでいた。違うじゃん!
神父が吸血鬼になる話。欧米のパンパイアモノと何故こうも違うのか?ネットリした感じ。殺さずに血をいただく神父と愛して仲間にした友人の奥さんは殺してでも血を飲む。対立しながらも離れられない2人の最後は、、、ああなるしかないよな。
うーん
「サイボーグでも大丈夫」に引き続き、
SFチックな本作
正直、好きじゃなかった
苦手だった
パクチャヌク節が光るおもしろいシーンも
多々あったものの、
これ、別にファンタジーでやらなくても良くない?
というのが、本心
だってさ、血や殺しやエロや残酷な映画作れるじゃん
っていう。
こういう作風が好みの人もいるだろうから、
単純に趣味の問題かもしれない。
キム・オクビンの美しさ。
初見時より愉しめた。
湿り気ある不倫心中と見ると「失楽園」の系譜。
犯罪男女の逃避行と見るとカンヌでタラに見出されての「ナチュラルボーンキラーズ」への返歌。
血をゴクゴク飲む素っ頓狂なエグさは新味と見るか。
ソン・ガンホは二の線でも良い。
寡作キム・オクビンの美しさ。
バンパイア映画。アフリカで行われたワクチン開発の実験台となり、その...
バンパイア映画。アフリカで行われたワクチン開発の実験台となり、その際に輸血された血液のせいでバンパイアとなってしまった神父サンヒョン。幼なじみの妻であるテジュと恋に落ちた彼は、テジュから夫を殺害して欲しいと頼まれるが……。
エログロヴァンパイア
パクチャヌク監督のヴァンパイア映画。エログロさは健在。
そしてやはり不幸な話。この監督はホント根性悪い。
韓国映画で気になるのは、キリスト教が結構出てくる事。
この主役も神父。お馴染みソンガンホ。
その職務のやり切れなさから輸血実験を受けるのだが、
直後の神父は割と幸せになる。しかしそこから不幸に落ちていく。
この監督の宗教観がこの神父に投影されているのかな。
「自分を信じろ」的な概念が見え隠れする。
そこでじゃあヴァンパイアは、何をしたらいいのか。
ヴァンパイアが生きて行くには人間の血が要る。でも神父である。
神父だから自殺志願者から生き血をもらえる。
しかしその血では…、という矛盾。
結局最後は責任取って締めくくった神父だが、
この結論はちょっとフツー過ぎて面白くないかな。この監督らしくない。
もっとカオスな終わり方…、あ、義母は生きてカオスを生み出すのか?
義母も多分テジュの血を啜ったから、
んーでも朝日の元にいたからなあ、どーなんだろ。
メインの話は、割と起伏は読めるし(パク監督らしい)単純さが多い。
出血が多め。吸血鬼だから仕方ない。
死体の血抜きは「チェイサー」でも出てきてたやり方なんだが、
そんなにメジャーなんだろうか。韓国ではアルアルなのか。
あとラスト前に、神父が信者を‘フツーに’襲ったのが理解できなかった。
ソンガンホは今回コメディ抜きの格好いい役。
テジュ役のキムオクビンはとてもかわいいが、裸だと魅力半減。
シンハギュン(韓国の香川真司)はダメな息子やらせたら抜群。
「高地戦」や「復讐者に~」でも、どこか難がある役だったし。
こーゆーの慣れちゃったのか、サラッと観てしまった。
多めの血に耐えられればそこそこのエンタメ映画。
感情移入するには尺が短い
韓流ドラマは好きですが、それと比べると時間が短く役者さんに感情移入できませんでした。自己犠牲だとか生への執着だとかテーマが壮大過ぎたように思います。ヒロインの女性のストーリーが進むにつれての演技は見事ですし、脇役の方たちの演技も印象に残りました。
だめだ、ついてゆけない
後半、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の、クローディアとルイスを彷彿とさせる。
でも、あの甘美な世界ではない。
失笑気味のワイヤーアクション。
そしてクローディアのようなテジュは、1、2歳児のような言動とともに、クローディアよりも生々しく露骨な大人の女のいやらしさを振りまいてくれる。
ルイスのような立ち位置のサンヒョンも激しい。思慮深いようなふりを見せるが、結局、短絡的にその場その場の欲求を満たしてしまう。信者へのふるまいも、己のことしか考えていない。どうせ彼らの前からいなくなるのなら、心のよりどころを奪うことはないのに。勝手に理想化されて荷が重いのはわかるけれど、その理想化をあんな形で撃ち砕かれた心の傷には思いやれない。
そんな激しい展開から、『インタビュー・ウィズ・バンパイア』とは、まったく別の世界を見せてくれる。
一歩間違えれば、三流映画にもなりかねないが、受賞するような映画に仕上がっているのは、やはり役者×演出×映像の力。
特に、ガンウを巡る心象風景ともいえる、ガンウとテジュの夫婦の寝室での、サンヒョンとテジュのまぐわいシーン。これほどまでに、怖くて不気味なシーンを見たことがない。よくあるホラーのただ驚かす場面とは一線も二線も画す。
マザコンのヘタレ男として登場したガンウ。演じるハギュン氏がすごすぎる。
また、後半眼だけで演技するラ夫人(テジュの姑)を演じるヘスクさんの存在感。
あの、殺戮乱闘の中、床に転がされているラ夫人の眼差し。封印していた良心を揺さぶり起こされてしまうあの一瞬。そしてサンヒョンとテジュの行く末を見つめる眼差し。
この目があるのとないのとでは、物語における緊張や、いろいろな意味づけ(ここは映画の中では明確に語られていないので、鑑賞者がかってに想像するしかないが)が、多重的になる。単なる、ロマンティックな逃避行にはさせてくれない。
なんて映画だ。
と、いろいろな映画賞を受賞したのもうなづける。
演出や映像、役者の、職人芸的技の複合芸術と、私が好きな要素はたくさんあるのに、二度見る気がしない。
『悲しみよりもっと悲しい物語』といい、『母なる証明』といい、なんて自分の”欲望”に忠実なんだ。他人を利用してでも叶えてしまう”望み”。
養い子に対するあの仕打ち。”犬”といって憚らないことが、まだまかり通るのか。
包帯姿のサンヒョンを退院させてしまう”あの機関”。日本ならあり得ないだろうなあ。ましてや”研究機関”なんだから、その後を経過観察しなくていいのか。なんて乱暴な。自分の変化に気が付いたサンヒョンが逃亡するのならわかるけれど。そして、異変に気が付いても”機関”に戻らないサンヒョン。その後の経過観察をしないで、その後の責任を取らない関係機関。第二のサンヒョンが生まれたらどうするんだ。
と、脚本のミスなのか、韓国でも”当たり前”なのかわからないけれど、こんなところが受けつけない。
ああ、私は韓国と相性が合わないのかもしれない。
私にとって、異文化理解はまだまだ先のようだ。
パクチャヌクの吸血鬼
吸血鬼、バンパイアやり尽くした題材の中でパクチャヌクらしさを随所に出す所に凄みをかんじた。
個人的にはもっとテンポよく吸血鬼の葛藤を描いて欲しかったとも思うけど、
吸血鬼になり神父との立場で居場所に悩み、幼馴染の奥さんに恋をし体に溺れ嫉妬に狂い、吸血鬼としてのよくないに負け吸血鬼として生きる、
3部構成になってるように感じて、それぞれ違う雰囲気が出ててその作家性の懐の深さに驚いた。
怖くもあり、美しくもあり、笑いもありバランスも良かった。
極限の引力
「オールド・ボーイ」などで知られる、韓国の鬼才パク・チャヌク監督が挑む異色の吸血鬼映画。
パク監督の作品に見られる極端なまでの寓意性を乱暴に物語に投げ込み、練りに練った脚本作りに反抗するように、瞬間瞬間の爆発的エネルギー、人を無理やりに物語に誘い込む強力な引力を発揮する。毎日のぬるま湯的生活に慣れきってしまった一般人には到底真似することのできない挑発、欲望の表現が異様に心地よい。
一人の男の吸血鬼としての苦悩を描く物語かと思いきや、後半のある事件が起こってからは、修羅場そのもの。男が愛した女性が後半に見せる恍惚の微笑み、喜び。血まみれのはずなのに、その目は輝き、生の喜びを感じさせる。吸血鬼を描く映画には様々な描き方があるが、ここまで凄惨に描ききる力と衝動。これは、病み付きになる。
パク監督が、前作までの「復讐3部作」を終えて、次に挑むものがここにある。まだまだ、期待させてくれそうだ。
ただただ面白い
パク・チャヌクの作品は今回初めて見ました。その上でこんなに作家を意識して見てしまった映画は初めてだなという感想を持ってます。僕の浅い映画人生の中で「面白さの基準点」的な位置づけをした記念碑的な映画になりました。この映画ざっくり言うと「笑っちゃう悲劇」といったところでしょうか。こういう作風はこの監督の得意分野なのかな~なんて思ったりして,鑑賞中に作り手の意図というものを見せつけられるような思いをしました。この映画はそこが心地良いポイントとなっていると思います。
あと,パク・チャヌクの今作最大の成功をなんといってもキム・オクビンという俳優の発見ですよね。監督と同様,私はこの映画で初めて見る女優でしたが,最高です。共演のソン・ガンホという,間違いなく韓国を代表する俳優を文字通り喰ってました。(いやでもソンガンホも素晴らしかったです。神父の恰好がセクシーで且,童貞的な一面も見せる辺りは絶妙なバランス感覚だなぁ,さすがだなぁと思います。)彼女が女としてより魅力的になるに連れて魔性性も増し,さらに物語もよりダークで収拾のつかない事態になる。キム・オクビン演じるテジュの人生を約2時間の尺に凝縮させた「テジュの物語」としてこの映画を見ました。「テジュの物語」を成り立たせて余りある働きをしたキム・オクビンに個人的には2010年の主演女優賞をあげたいほどです。大好きですキム・オクビン。
最後に,キャラクター造形の素晴らしさといったらないですね。サンヒョンとテジュ,その他のキャラクター達にも「本当はその辺にいるんじゃないか」と思うほど生々しさを感じました。それだけにラストシーンは感動というより放心してしまうような衝撃をもらいました。「本当にああするしかなかったのかな」なんて。
エログロ耐性のない人は拒否反応起こすような映画ですけど,私は約2時間ほんとに楽しんで見ることができました。また見たいです。
意外とコメディ?
予備知識のないまま観ました。もう少しシリアスな内容かと思ってたんだけど
展開や演出・脚色がコメディっぽく感じたのは私だけでしょうかw
それでもソン・ガンホのシリアスな演技と
キム・オクビンの、童顔だけど妖艶な表情が、このストーリーを
底上げしていたように思います。
この映画は恋人同士で見に行くことをお勧めします。
見ごたえあります。こんなにおもしろい映画なのに、観客は3人しかいませんでした。もったいない。残酷なのになぜか笑えるし、エロチックなシーンもある。結末も二転三転してあきません。この映画は恋人同士で見に行くことをお勧めします。
親孝行が大事で人間関係が濃厚、カトリック信者が多いという韓国社会の描写がエキゾチックな雰囲気を出してます。吸血鬼をモチーフにした官能映画かと思ってました。それもありますが、加えて吸血鬼映画そのものでもあります。ソン・ガンホ演じる神父は、信仰深く生真面目ですが、人間的弱さを押さえられない。またキム・オクビンは、ネコの目のように変わる女心を持ち一筋縄では捉えきれない人妻役を、体を張って妖艶に演じてます。韓国映画らしく、最後まで母親を大事にしてました。
パク・チャヌクがヴァンパイアを描くとこうなる。
☆
これは傑作!!と言えないところが、
万人には薦められないところがパク・チャヌク作品でありましょうか。
グロいし、エロいし、ソン・ガンホは出しちゃってて、
当然のようにR指定ですしね。
でも、僕には傑作。
ヴァンパイア作品は色々とこれまでにも作られてきた。
ヴァンパイアで普通に想像するとホラーやファンタジーとか、
恋に恋する乙女のラブストーリーとか。
もちろん、ホラー的な要素もある。でも、笑わせる。色々と笑わせる。
もちろん、ラブストーリーでもある。でも、スイーツではない。
だって、自らを律する神父がヴァンパイア。
だって、ヒロインは夫に姑に不満が溜まりまくりの人妻。
その抑圧された生活を続けようと努力する神父を演じるために
しっかりと役作りしたソン・ガンホも流石だと思うが、
半分死んでたような人妻が解き放たれ変貌して行く様を演じる
キム・オクビンも素晴らしい。
最初のセックスシーンのヘンテコさや、
血を求めるヴァンパイアを現実的に描く滑稽さや、
何度か登場するマージャンのシーンでの語らないで語らせる面白さ。
ここで終わってもいいかなと、蛇足になるんじゃないかと思ったら、
ここまで描いてこそだなと思わせるパク・チャヌクの
一筋縄ではいかない愛の描き方に、あんたスゲェよと。
上映後に後ろの席のおば様たちの困惑気味の感想が聞こえてきましたので、
やっぱり万人にはお薦め出来ないのかと思いましたが、
僕は最高に面白かった。
☆
切ないまでに愛しい人間の性
意表をつくキャスティング。
ソン・ガンホから、神父も吸血鬼も想像できなかった。
しかしスクリーンに登場したのは、まぎれもなく神父。
感情を押し殺した表情が見事。
吸血鬼になってからも見せるこの表情が、
今までのバンパイア映画とは全く異なった雰囲気を深めている。
エロティックなバンパイア映画という宣伝はしないで欲しい。
人間の業や性と表現される部分を
切ないまでに愛情深く描かれている。
ユーモアいっぱいで笑いを誘いながら
身近ではないはずのバンパイアに感情移入させ
エンディングのギリギリまで笑わせておいて
一気に尊厳ある終焉。
荒唐無稽と思われがちな内容が、切ない愛の物語に完成されている。
キム・オクビンは、この映画の中で、どんどん輝きを増し
本当に可愛らしいあどけない笑顔を振りまく。
そこがまた、女は恐ろしいと思わせる一因です。
今後の活躍がとても期待される注目の女優です。
唇カサカサに渇き、喉カラカラに渇く
第10回東京フィルメックス
クロージング作品として上映
会場は満席。
観客賞、グランプリ発表など、
授賞式のあとに上映をされました。
『息もできない』(08)
観客賞・グランプリW受賞、
来年日本公開決定済み。ヤン・イクチュン監督、
W受賞を喜ぶ変態ダンスがスクリーン一杯に大きく映し出され、場内大爆笑。
劇場があたためきられた中、
今作パク・チャヌク監督の
簡単な作品説明ののち上映はスタートしました。
☆彡 ☆彡
いやぁ、よくここまで盛り込んだなぁ
それなのに、なにこのまとまりようと見終わった後の高揚感は・・・
いや、そこで終わったほうがいいよ、危険だよ、って
ところで終わらず、話を続け、驚きのクライマックスを用意
なんて韓国作品に、最近よく出会います。今作もまさにそれでした。
「ヴァンパイア映画と肩肘張らず
笑いたいところは笑ってください」パク・チャヌク監督上映前談
この説明が事前にあってよかったです。
そうしなければ、ヴァンパイア映画=怖い作品、
というモードにチャンネルを切り換えてしまうところでしたから。
と、改めて書くくらいです。
ヴァンパイア映画なのに、かなり笑えます(苦笑)
感動シーンでホロッと涙した直後に笑える場面もあり、
おもわず、涙を浮かべながら笑ってしまいました(笑顔)
◇ ◇
ソン・ガンホさんが吸血鬼役。
一体、どんな吸血鬼になるんだろ?
これにも興味がありました。あのおじさまが、夜中に、
女性の首筋に牙を立てて生血を吸う姿がまったく想像できなかったんです。
そして答え。
まさかそうくるとは・・・。
まさかこんなに笑えるようにするとは想像もしませんでした。
これは、観てのお楽しみ、ということでとっておきましょう(苦笑)
キム・オクヴィンさん。
ソン・ガンホさんの恋人役。
この女優さんを初めて見ましたが、
彼女の体を張った熱演・怪演なしに、この作品は成立しません(断言)
『愛のむきだし』(08)
ソン・ガンホさんが司祭役、
キリスト教が出てきたからかもしれませんが、
鑑賞をしながら、この作品と似ている部分を感じたのです。
そうです!
キム・オクヴィンさんの演技から、
満島ひかりさんの、あの熱演に匹敵する
強い力を感じさせられたのです。この女優さん要注目です!!
今作の素晴らしさは、
笑いをとるだけでなく、
心象描写も、キッチリと描かれた点にあると思います。
人のエゴとか醜さとかにも触れています。
人の愛しかた、愛されかた、不貞行為にも触れています。
観客を笑わしつつも考えさせる部分も挿入する。
“盛り込みすぎじゃないかと思えるけどまとまっている”
冒頭に記した感想へと結びつくわけです。
特に終盤なんて、
そこまで笑わすだけ笑わせているのに、
一瞬にして深慮させられるシーンに転換しちゃいますからね。
それでも、ちょいちょい笑える部分を入れている、それなのに
話の軸を乱さず、しっかと一本筋を通しきっているのが、さすがです。
ラスト
好きです、あの終わりかた。
あれも、立派な愛の表現のヒトツでしょうから。
☆彡 ☆彡
上映終了後には大きな拍手が
しばらく鳴り止みませんでした。
わたしも立ち上がらんばかりに拍手をしてしまいました。
渇き
気がつくと唇カサカサ、喉カラカラ。
ペットボトルをグイと、ひと飲み。喉の渇きを潤しました。
笑えて泣けてジーンとする。
芳醇な132分をありがとうございました。
◆ ◆
【 補記 ~韓国メディアが騒いだこと~ 】
上映後のQAで監督の口から語られて
やっぱりそうだよね、見間違いじゃないよね、
とポンと手を叩いたのですが、、、、、
今作、
ソン・ガンホさんの局部が
ぼかしなしで映るシーンがあります。
作品の中で重要な意味を持っていますので、
ソン・ガンホさんにも説明し撮影したそうです。
韓国ではマスコミのかたが、
このシーンにさしかかると、
上映中にもかかわらず、一斉に
「今、ソン・ガンホの局部が映りました」と
大騒ぎされてしまったそうです。
いい映画ですので、
そこだけに注目せず、作品全体を見てあげてください(笑顔)
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