渇きのレビュー・感想・評価
全27件中、1~20件目を表示
渇き、心が求めている・・・
やっぱり、韓国映画すごいです!面白いから日本で公開されるんだろうけど、どの映画も結構はまります。
その中でもソン・ガンホ!!も~、大好きな男優さんです。 なべやかんに毒蝮三太夫をかけあわせたような、決して二枚目とは言えない俳優さんですが、とにかく良い! あの顔でありながら、「シュリ」「JSA」なんかじゃめちゃくちゃカッコいいし、「殺人の追憶」でも渋い演技でぐいぐい引き込んでくれます。「グエムル」でも哀愁漂うお父さんを見事に魅せてくれたし、最近では「パラサイト」の鬼気迫る形相も披露してくれました。
そして本作、もう10年以上昔の作品ですが、牧師でありながら吸血鬼という相反するものを持ち合わせた苦悩をこれまた見事に演じきって魅せてくれます。
そもそもヴァンパイア映画と言えばその超人的な能力から、戦闘モノが多い印象があります。(ラブストーリーやコメディであっても、必ず敵が登場していたような・・・)
でも、本作にその影は無く、しいて言えば自分との戦いかな。
血を飲まなければ生きていられない病気って感じで描かれています。
ヴァンパイア映画のもう一つの魅力として妖艶さってのがあると思いますが、この作品はこっちがメインかな。って気がしてました。
洋画のHシーンはどちらかと言えば、カラッとした感じがして、あっさり見られるんですが、日本とか韓国のそれは、ドロドロとした感じがして、やけに生々しく感じます。(同じ身近な人種だからかもしれませんが)だからって否定するわけじゃありません。いやらしさがビンビン伝わってくるってことです。
今回、改めて見直して、キム・オクビンに魅せられました。
冒頭の綺麗とはほど遠い容姿が、愛を知り、ヴァンパイアに変貌していく過程で、徐々に美しく、妖艶になっていく。今までも何度か見たんですが、そんなこと思いもしなかったのに・・・
とにかくこの映画、この二人の熱演によって、今までは官能的に楽しませてもらってたんですが、今回は、無性に切なくなりました。年取ると、見方も変わってくるんですかね。
特に、最期が辛かった・・・
かなり昔の映画ですが、どのヴァンパイア映画にも当てはまらない、新しい形の吸血鬼映画として、韓国のこのオリジナリティにバンバンザイです!
パンパイア物なのね🧛♂️
役所広司と小松菜奈の「渇き」のリメイクだと何故か勝手に思い込んでいた。違うじゃん!
神父が吸血鬼になる話。欧米のパンパイアモノと何故こうも違うのか?ネットリした感じ。殺さずに血をいただく神父と愛して仲間にした友人の奥さんは殺してでも血を飲む。対立しながらも離れられない2人の最後は、、、ああなるしかないよな。
うーん
「サイボーグでも大丈夫」に引き続き、
SFチックな本作
正直、好きじゃなかった
苦手だった
パクチャヌク節が光るおもしろいシーンも
多々あったものの、
これ、別にファンタジーでやらなくても良くない?
というのが、本心
だってさ、血や殺しやエロや残酷な映画作れるじゃん
っていう。
こういう作風が好みの人もいるだろうから、
単純に趣味の問題かもしれない。
ヴァンパイアになってしまった男とヴァンパイアになりたい女
パク・チャヌク監督のヴァンパイア映画。
蔓延する謎のウイルスに罹り亡くなっていく人々を見て、いたたまれなくなった牧師のサンヒョンは、彼らのためにと人体実験に参加する。
そこで色々あって、ヴァンパイアとなってしまった彼が、幼なじみのガンウの妻のテジュと出会ったことにより、物語が大きく動き出す。
期待を良い意味で裏切られました。
ホラー要素強めかと思っていたんですが、割とコメディ要素多め(と自分は感じました)。
それも、『籠の中の乙女』のようなカオスでシュールな狂気的な面白さ。
サンヒョンとテジュのロマンス要素も大きかったので、ヴァンパイアラブカオスコメディといったところでしょうか。
それでいてしっかり韓国映画。
色々な韓国映画で見たことあるような設定、演出、場面が多く、韓国映画の教科書みたいな映画でした。
好き嫌いは分かれると思いますが、こういうの大好きです。
パク・チャヌク監督の作品って展開はわかるんですが、毎回引っかかる部分があって。
必ず観終わってからネットのネタバレで復習してしまう。
最初は「ん?」と思っても徐々にじわじわと好きになっていく。
上手く言葉で言えませんが。
夜だけの逢瀬。水疱は渇きのサイン。
この手のファンタジー作品に多い雑さもあまり見られず、しっかり作られてましたが、サンヒョンが自分がヴァンパイアだと理解できるのちょっと早すぎない?
終始色気のあるキム・オクビンさん演じるテジュの変わりようが凄かった。
幸薄い感じの前半とは全くの別人に見える、ヴァンパイアとなってからの姿。
まるで、本当に人ではないみたい。
そして、ソン・ガンホにキュンキュンする日が来るとは。
2人とも本当にエロくて、愛おしくて。
夜中の病院でのHなんか完全にA◯でしょ。
ラ夫人もガンウも狂気的すぎて笑っちゃうほど。
グロいというよりは気持ち悪い、全体的に不気味さが漂っていましたが、中毒性のある韓国映画でした。
キム・オクビンの美しさ。
初見時より愉しめた。
湿り気ある不倫心中と見ると「失楽園」の系譜。
犯罪男女の逃避行と見るとカンヌでタラに見出されての「ナチュラルボーンキラーズ」への返歌。
血をゴクゴク飲む素っ頓狂なエグさは新味と見るか。
ソン・ガンホは二の線でも良い。
寡作キム・オクビンの美しさ。
エロス・グロテスク満載、でもラストは切ない
パク・チャヌクとソン・ガンホなので、一筋縄ではいかないだろうなと思って見てみたら、ある意味、やっぱり、すごかった。笑
ウイルス実験の被験者となった、生真面目な神父サンヒョン(ソン・ガンホ)が、一度は死んだものの復活し、輸血のせいでバンパイアになってしまう話なのですが、敬虔な神父にバンパイアを覆い被せることにより、人間の心の渇き(欲望というか煩悩というか性<さが>というか)をあぶり出していくところが、この映画のツボなのかなと思いました。
『オールドボーイ』では、主人公はあることがキッカケ(監禁)で、どんどん、狂気の渦に巻き込まれていきますが、この映画では、神父がバンパイアとなってしまったことで、今までの善良な自分でいることはできなくなり、どんどん暴走していく流れが多少、似ていたような気もしました。
バンパイアになったものの、人を襲うこともなく、意識不明の患者さんのベッド下に横たわって、血液をチューブから、いただくサンヒョンの姿は慎ましかったです。(そういえば吸血鬼定番のキバもなかったような) それに対し、テジュ(キム・オクビン)の変貌後はやりたい邦題で、サンヒョンの手に負えない存在に。虐げられた影のある人妻が、水を得た魚(血を得た吸血鬼)となっていきます。
荒唐無稽というか、救いのないストーリーですが、ラストシーンは嫌いじゃなかったです。
朝陽が昇る前の、青みがかった外の風景が美しかったです。性に執着する女性バンパイアと死で決着をつける男性バンパイアの格闘がすごかったです。太陽の光を浴びて、二人は抱き合いながら、焼け崩れていきます。「テジュさんとはずっと一緒にいたかったのに」というつぶやく言葉に純愛も感じて、切なくなりました。
でも、誰もかれもに薦められるわけではなく、ヘンな映画です。見た後、結構、疲れました。
バンパイア映画。アフリカで行われたワクチン開発の実験台となり、その...
バンパイア映画。アフリカで行われたワクチン開発の実験台となり、その際に輸血された血液のせいでバンパイアとなってしまった神父サンヒョン。幼なじみの妻であるテジュと恋に落ちた彼は、テジュから夫を殺害して欲しいと頼まれるが……。
エログロヴァンパイア
パクチャヌク監督のヴァンパイア映画。エログロさは健在。
そしてやはり不幸な話。この監督はホント根性悪い。
韓国映画で気になるのは、キリスト教が結構出てくる事。
この主役も神父。お馴染みソンガンホ。
その職務のやり切れなさから輸血実験を受けるのだが、
直後の神父は割と幸せになる。しかしそこから不幸に落ちていく。
この監督の宗教観がこの神父に投影されているのかな。
「自分を信じろ」的な概念が見え隠れする。
そこでじゃあヴァンパイアは、何をしたらいいのか。
ヴァンパイアが生きて行くには人間の血が要る。でも神父である。
神父だから自殺志願者から生き血をもらえる。
しかしその血では…、という矛盾。
結局最後は責任取って締めくくった神父だが、
この結論はちょっとフツー過ぎて面白くないかな。この監督らしくない。
もっとカオスな終わり方…、あ、義母は生きてカオスを生み出すのか?
義母も多分テジュの血を啜ったから、
んーでも朝日の元にいたからなあ、どーなんだろ。
メインの話は、割と起伏は読めるし(パク監督らしい)単純さが多い。
出血が多め。吸血鬼だから仕方ない。
死体の血抜きは「チェイサー」でも出てきてたやり方なんだが、
そんなにメジャーなんだろうか。韓国ではアルアルなのか。
あとラスト前に、神父が信者を‘フツーに’襲ったのが理解できなかった。
ソンガンホは今回コメディ抜きの格好いい役。
テジュ役のキムオクビンはとてもかわいいが、裸だと魅力半減。
シンハギュン(韓国の香川真司)はダメな息子やらせたら抜群。
「高地戦」や「復讐者に~」でも、どこか難がある役だったし。
こーゆーの慣れちゃったのか、サラッと観てしまった。
多めの血に耐えられればそこそこのエンタメ映画。
感情移入するには尺が短い
韓流ドラマは好きですが、それと比べると時間が短く役者さんに感情移入できませんでした。自己犠牲だとか生への執着だとかテーマが壮大過ぎたように思います。ヒロインの女性のストーリーが進むにつれての演技は見事ですし、脇役の方たちの演技も印象に残りました。
だめだ、ついてゆけない
後半、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』の、クローディアとルイスを彷彿とさせる。
でも、あの甘美な世界ではない。
失笑気味のワイヤーアクション。
そしてクローディアのようなテジュは、1、2歳児のような言動とともに、クローディアよりも生々しく露骨な大人の女のいやらしさを振りまいてくれる。
ルイスのような立ち位置のサンヒョンも激しい。思慮深いようなふりを見せるが、結局、短絡的にその場その場の欲求を満たしてしまう。信者へのふるまいも、己のことしか考えていない。どうせ彼らの前からいなくなるのなら、心のよりどころを奪うことはないのに。勝手に理想化されて荷が重いのはわかるけれど、その理想化をあんな形で撃ち砕かれた心の傷には思いやれない。
そんな激しい展開から、『インタビュー・ウィズ・バンパイア』とは、まったく別の世界を見せてくれる。
一歩間違えれば、三流映画にもなりかねないが、受賞するような映画に仕上がっているのは、やはり役者×演出×映像の力。
特に、ガンウを巡る心象風景ともいえる、ガンウとテジュの夫婦の寝室での、サンヒョンとテジュのまぐわいシーン。これほどまでに、怖くて不気味なシーンを見たことがない。よくあるホラーのただ驚かす場面とは一線も二線も画す。
マザコンのヘタレ男として登場したガンウ。演じるハギュン氏がすごすぎる。
また、後半眼だけで演技するラ夫人(テジュの姑)を演じるヘスクさんの存在感。
あの、殺戮乱闘の中、床に転がされているラ夫人の眼差し。封印していた良心を揺さぶり起こされてしまうあの一瞬。そしてサンヒョンとテジュの行く末を見つめる眼差し。
この目があるのとないのとでは、物語における緊張や、いろいろな意味づけ(ここは映画の中では明確に語られていないので、鑑賞者がかってに想像するしかないが)が、多重的になる。単なる、ロマンティックな逃避行にはさせてくれない。
なんて映画だ。
と、いろいろな映画賞を受賞したのもうなづける。
演出や映像、役者の、職人芸的技の複合芸術と、私が好きな要素はたくさんあるのに、二度見る気がしない。
『悲しみよりもっと悲しい物語』といい、『母なる証明』といい、なんて自分の”欲望”に忠実なんだ。他人を利用してでも叶えてしまう”望み”。
養い子に対するあの仕打ち。”犬”といって憚らないことが、まだまかり通るのか。
包帯姿のサンヒョンを退院させてしまう”あの機関”。日本ならあり得ないだろうなあ。ましてや”研究機関”なんだから、その後を経過観察しなくていいのか。なんて乱暴な。自分の変化に気が付いたサンヒョンが逃亡するのならわかるけれど。そして、異変に気が付いても”機関”に戻らないサンヒョン。その後の経過観察をしないで、その後の責任を取らない関係機関。第二のサンヒョンが生まれたらどうするんだ。
と、脚本のミスなのか、韓国でも”当たり前”なのかわからないけれど、こんなところが受けつけない。
ああ、私は韓国と相性が合わないのかもしれない。
私にとって、異文化理解はまだまだ先のようだ。
禁断の恋
アフリカの研究所で流行ってる伝染病は白人及びアジア人がほとんどだという。なんだか、この設定にはちょいとついていけなかったが500人の感染者の中でただ一人だけ生き残ったというサンヒョン。バンパイアの血が輸血されたという設定だが、血が足りなくなると手の先に水泡ができて、血を飲むと消失する。
テジュはつまらない日常から逃れたかっただけなのか、癌だったというガンウも治ってしまったからだろうか。夜な夜な夢遊病のように歩き回り、サンヒョンとセックスし、自分もバンパイアになりたいと願う。 病院で患者の面倒を見るサンヒョンは意識不明の患者からチューブで血をもらい、輸血用血液を自分の冷蔵庫に入れている。 やがて二人はガンウを殺すことになるのだが、湖に沈めた彼の亡霊に悩まされ、家族は崩壊の一途を辿る。
テジュをも殺そうとしたサンヒョンだったが、自分の血を飲ませてバンパイア化してしまう。サンヒョンは出来るだけ人を殺さないで血を飲もうという方針で、自殺志願者や病人ばかりから血を飲んでいたが、テジュは平気で人を殺して血を飲んでいる。やがて恒例の水曜に麻雀仲間が集まる“オアシス”の日。医者も殺すし、仲間も殺す。ドタバタ的な展開になるも、サンヒョンはさすがに神父の血が目覚めたのか、人に嫌われる行為(信者の集まるテント村でレイプ)をして、自殺の道を選ぶ。太陽に当たれば死ぬんだからな・・・どことなくフランスのコメディみたいな展開だった。『嘆きのテレーズ』と同じような設定なのだが、パク・チャヌク風味の暴力三昧の後半。しゃべれなくなった義母をずっと連れて走るのも風変わりでよい。
途中、テジュが他の男と浮気したことも自殺の原因なのか・・・それにしても5回連続もするなんて、サンヒョンにも飽きてきたのだろうか・・・
.
自宅(CS放送)にて鑑賞。韓国産、原題"박쥐(蝙蝠)"。P.チャヌク製作・監督・(共同)脚本。'09年カンヌ国際映画祭の審査員賞受賞作。エログロナンセンス取り揃えた不思議な一作で、決して嫌いではないが、何と評して良いのか判らない。白い部屋のシーン、美しいく他にも印象的なシーン有り。演じるK.オクビンの魅力も然る事乍ら、フラストレーションが堪ると下着姿で街内を走るユニークな“テジュ”のキャラが佳い。彼女がこの物語を引っ張って行くが、ダラダラと冗長気味に続く展開は監督自身の迷いを感じる。60/100点。
・鑑賞日:2012年5月6日(日)
パクチャヌクの吸血鬼
吸血鬼、バンパイアやり尽くした題材の中でパクチャヌクらしさを随所に出す所に凄みをかんじた。
個人的にはもっとテンポよく吸血鬼の葛藤を描いて欲しかったとも思うけど、
吸血鬼になり神父との立場で居場所に悩み、幼馴染の奥さんに恋をし体に溺れ嫉妬に狂い、吸血鬼としてのよくないに負け吸血鬼として生きる、
3部構成になってるように感じて、それぞれ違う雰囲気が出ててその作家性の懐の深さに驚いた。
怖くもあり、美しくもあり、笑いもありバランスも良かった。
他人を救うことで自分を救うというエゴ。
わたしの肉を食べ
わたしの血を飲む者は永遠の命を持つ
わたしは彼を
終わりの日に復活させる
ヨハネ6章30-71節
して
神父は、キリスト、救世主になりたい男です。
大勢を救う為に、自分の命を差し出します。間接的な自殺です。
自分のちっぽけな命を、大勢を救うことで価値ある物に昇華させたい。
そんな病んだ願望が、透けて見えます。
つまり、劣等感を抱えた人なんです。
感謝されることで、自分の価値を高めたい。優越感に浸りたい。とても聖職者の考えではありません。
神父は500人の治験者の中で、唯一生き残ってしまう。奇跡の救世主に、みんな救いを求めます。うちの子が白血病なんです!治してください!と縋ります。
しかし神父は、病院で点滴している患者の管から血をチューチュー吸って、人妻テジュと肉欲に溺れ、テジュ可愛さのまあり夫を殺してしまう男です。
奇跡の救世主ではありません。
そもそも、自分は人を救えるような人間ではなかった。生かされたのは奇跡ではなく、罰かも?しかし周りは救世主と縋ってくる。
良心が咎めます。背負えなくなる。克服した劣等感がまた首をもたげる。みんなの縋るような視線が怖くなる。逃れたくなる。
結果、神父は女性をレイプしようとします。勿論、真似だけです。周りに「自分は救世主ではない」と分からせるために。
ここではっきりします。
神父は他人を救いたかったのではなく、他人を救うことで自分を救いたかったということが。
官能的なシーンが沢山あります。
激しい欲求に抗うように、真夜中に下着姿と素足で走り続けるテジュを見つける神父。そっと抱きかかえ、自分の靴にテジュの足を入れる。
青いドレスを来たテジュの白い肌が、とても美しい。虐げられていた時の無表情が、神父と激しく愛し合う度に精気が漲って、だんだん妖艶になっていく。
テジュが虐待されていると思い込んで夫を殺した神父は、それが嘘だったと気付きます。思わずテジュを絞め殺してしまう。
テジュの死体を見つめる神父は、我慢できずに血を啜る。と、同時に、自分の血をテジュに与える。テジュの手首を吸いながら、自分の手首をテジュに吸わせる。まるで、バンパイアの血の交尾。そしてテジュは、バンパイアとして蘇る。
キャーキャー声を上げながら、楽しそうに血を吸うテジュは、インタビュー・ウィズ・バンパイアのクローディアです。
キム・オクビンのことをあまり知らないのですが、華奢で童顔なのに、激しいラブシーンもやるし、「私は神を信じてないから地獄には落ちない」という挑戦的な視線も魅力的。存在感はソン・ガンホに負けていません。
殺した夫の亡霊がお笑い担当でコメディ的要素もあり、サスペンス、ホラー、グロテスクでエロティック。そして最終的には、まるでボニー&クライド的なラストが待っています。
本作の「渇き」とは、欲の対象に対する渇き。渇望です。「人間ってのは所詮、欲の塊じゃないか」ということを、まざまざと見せてくれます。力強い!
けど歪な作品なので、大きな声でお薦めできません。
(小声で)是非、観てね。
グロテスク
病院に勤める神父サンヒョン(ソン•ガンホ)は死んでいく患者を看取るしかない自分の無力さに悩みワクチンの実験に参加する。そのことでバンパイアになってしまう。友人の妻テジュ(キム•オクビン)と愛し合うことで彼女もバンパイアになる。
かなり斬新な内容に圧倒されたがグロテスクな場面が多い。ただ話しの流れは実はコミカルで人を殺すのがいやな神父バンパイアが苦悩しながら血を求め友人の妻を愛し苦境に陥るというホラーっぽいコミカル恋愛映画かな。
吸血鬼の物語だがまぎれもなく韓国製
「オールドボーイ」の監督がソン・ガンホを主演に作り上げた
この作品、どこかコメディータッチで何となくチャップリンを
思い出します。
ですが内容は結構ホラーとしてはスプラッター系のテイストで
キム・オクビンのセクシーなシーンがその色を際立たせています。
多分、吸血鬼とその真反対な牧師というシチュエーションに
その妙がある。生きる為に、というより欲望の為に人を殺し
血をすする・・。その論理感の逸脱と葛藤をうまく
描いているといえるでしょう。
女性は結構得手、不得手に別れると思いますが
変わった、吸血鬼ストリーでもしっかりと
韓国のテイストがちりばめられています。
観終わった後、何となく、殺伐とした気分にさせられる作品。
おもしろかったです。
極限の引力
「オールド・ボーイ」などで知られる、韓国の鬼才パク・チャヌク監督が挑む異色の吸血鬼映画。
パク監督の作品に見られる極端なまでの寓意性を乱暴に物語に投げ込み、練りに練った脚本作りに反抗するように、瞬間瞬間の爆発的エネルギー、人を無理やりに物語に誘い込む強力な引力を発揮する。毎日のぬるま湯的生活に慣れきってしまった一般人には到底真似することのできない挑発、欲望の表現が異様に心地よい。
一人の男の吸血鬼としての苦悩を描く物語かと思いきや、後半のある事件が起こってからは、修羅場そのもの。男が愛した女性が後半に見せる恍惚の微笑み、喜び。血まみれのはずなのに、その目は輝き、生の喜びを感じさせる。吸血鬼を描く映画には様々な描き方があるが、ここまで凄惨に描ききる力と衝動。これは、病み付きになる。
パク監督が、前作までの「復讐3部作」を終えて、次に挑むものがここにある。まだまだ、期待させてくれそうだ。
ただただ面白い
パク・チャヌクの作品は今回初めて見ました。その上でこんなに作家を意識して見てしまった映画は初めてだなという感想を持ってます。僕の浅い映画人生の中で「面白さの基準点」的な位置づけをした記念碑的な映画になりました。この映画ざっくり言うと「笑っちゃう悲劇」といったところでしょうか。こういう作風はこの監督の得意分野なのかな~なんて思ったりして,鑑賞中に作り手の意図というものを見せつけられるような思いをしました。この映画はそこが心地良いポイントとなっていると思います。
あと,パク・チャヌクの今作最大の成功をなんといってもキム・オクビンという俳優の発見ですよね。監督と同様,私はこの映画で初めて見る女優でしたが,最高です。共演のソン・ガンホという,間違いなく韓国を代表する俳優を文字通り喰ってました。(いやでもソンガンホも素晴らしかったです。神父の恰好がセクシーで且,童貞的な一面も見せる辺りは絶妙なバランス感覚だなぁ,さすがだなぁと思います。)彼女が女としてより魅力的になるに連れて魔性性も増し,さらに物語もよりダークで収拾のつかない事態になる。キム・オクビン演じるテジュの人生を約2時間の尺に凝縮させた「テジュの物語」としてこの映画を見ました。「テジュの物語」を成り立たせて余りある働きをしたキム・オクビンに個人的には2010年の主演女優賞をあげたいほどです。大好きですキム・オクビン。
最後に,キャラクター造形の素晴らしさといったらないですね。サンヒョンとテジュ,その他のキャラクター達にも「本当はその辺にいるんじゃないか」と思うほど生々しさを感じました。それだけにラストシーンは感動というより放心してしまうような衝撃をもらいました。「本当にああするしかなかったのかな」なんて。
エログロ耐性のない人は拒否反応起こすような映画ですけど,私は約2時間ほんとに楽しんで見ることができました。また見たいです。
全27件中、1~20件目を表示