アクシデント(2008)のレビュー・感想・評価
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計画を綿密に練るリーダーのブレイン以下、女(ミシェル・イェ)、依...
計画を綿密に練るリーダーのブレイン以下、女(ミシェル・イェ)、依頼人との交渉役ふとっちょ(シュー)、タバコ吸い過ぎでアルツハイマー気味のオヤジ(フォン・ツイファン)の4人。彼らの手口は、全くの偶然を装って暗殺すること。最初の仕事は香港の裏路地にてターゲットが渋滞に巻き込まれ、ある店の垂れ幕が車に引っかかり、それを外そうとすると窓ガラスが割れて彼にふりかかるというもの・・・確実に死ぬとは限らないのに(笑)。
そんな彼らの次なるターゲットは依頼主の父親。依頼主が車いすを押している間に感電死させるという計画だったが、凧を上げ、雨が降らないと上手くいかない計画。何日も偶然の雨を待ち続けるストイックさはなかなか面白い。そして、絶好の大雨となったとき路線バスが突っ込んできて、仲間の“ふとっちょ”が轢かれて死んだ。事故なのか?それとも他の組織による綿密な偶然死なのか?メンバーは疑心暗鬼。そんなときブレインの自宅に空き巣が入る(これがよくわからない)。
依頼主と接触していた保険屋フォン(レン)をマークするブレイン。そして、金を受け取れるはずのないメンバーの女が金を受け取ったことから、彼女を殺してしまう。そして、おやじは自宅から転落して大怪我。ブレインは儲けを考えずフォンを殺そうとまでするのだ・・・
そんな折、偶然の皆既日食(笑)。なんなんだ、これは!そのくらい調べておけ!てな感じで、意識の戻ったオヤジから電話があり、「バスの事故は俺が引き起こしたものだ・・・事故だよ」と、アルツのはいった男の無責任さ。フォンは関係ない??と、思い起こして、偶然の事故を止めようとするブレインだった(なんだよ、この展開は)。しかし、フォンの妻が車に撥ねられ死んでしまった。
そうやって、自責の念に苦しむかと思ったら、フォンによってブレインは刺されてしまう。
銀河映像作品
ソイチェン監督、ジョニートー製作。すぐ死んでしまうが、ラムシューも出てくる。ソイチェンは好きだったのだけれど、こんなにうまい人だったんだとハッとさせられる野心作。脚本も良い感じ。雨の中の暗殺作戦【雨の中、車椅子でレールにはまって、ショートして焼け焦げる】、皆既日食を利用した仕掛け。上映時間80分弱も良い感じ。
これぞ、まさに極上のサスペンス
第10回東京FILMeX。
コンペティション部門ノミネート。
プロデューサーが大好きなジョニー・トーさん。
主役が『コネクテッド』で大好きになったルイス・クーさん。
これは絶対に観るぞ!!と、
東京国際映画祭の経験を生かし、
チケット発売日午前9時30分から
ファミマのぴあ端末の前にならぶ。
不審そうに見つめる店員の眼を
気にせず居座り続けること30分。
見事10時ジャストにゲットをしました(笑顔)
ちなみに、
初参加の東京FILMeX。
前売チケットが当日に完売したのは、
今作と、最終日の『サースト~渇き~』、
同時開催されている韓国映画ショーケースの
『グッドモーニング・プレジデント』の3作品。
だからでしょうね。
午前中の1本目はガラガラで
まったく映画祭の雰囲気では
なかったのですが、今作からは
大混雑&ガヤガヤとにぎやか&
映画開始を待ちきれない女性客の笑顔が満開。
同ビル内のピカデリーにて上映されている
故マイケル・ジャクソン『THIS IS IT』会場に
負けない熱気に溢れていました(1階の入口で上映開始
20分前にチケット完売をアナウンスされるも、長蛇の列が
映画館の周りを取り囲んでいました(スゴイ!驚き!!))
☆彡 ☆彡
ジョニー・トーワールド全開だな
わ~~、鳥肌が立っちゃったよ!!
上映終了後、
ソイ・チェン監督のティーチインがありました。
「プロデューサーのジョニー・トー監督とは、
登場人物の性格だけでなく、映画の基本についても
ディスカッションを重ねました。他にも色々とフォローを
してくださって、監督業に専念しやすい環境を作ってくれました」
ジョニー・トー監督に心から謝意を表していました。
あっ、そうそう。
ジョニー・トー監督ファミリー、イコール、
もう一人大好きな太っちょラム・シュおじさんも、
ホットドッグをパクつきながら出演をされていましたよ(苦笑)
◇ ◇
「ストーリーについていけない
との声が多いんです。みなさんは大丈夫でしたか?」
上映終了後、
万雷の拍手が鳴り止みませんでした。
ここでも大丈夫ですよ、との温かい拍手が会場から沸きおこりました。
ただし、監督の言うことは、ごもっともで、
私を含めたお客様たち。大丈夫といっても
個々にストーリーへの解釈は異なっていたはずです。
事実、ティーチインで、
お客様から出た質問に対し、
「みなさんの考えにゆだねます」と
答えをはぐらかす場面もありましたから。
この映画を観て、なにか感じてくれれば、それでいい
目の前で起きたことに対する自分の解釈が常に正しいのか
間違っていることはないのか
他人の意見に耳を傾ける心のゆとりがあなたにはあるのか
様々な問いかけが、
お客様のもとへと、投げかけられました。
構想から完成まで3年。
撮影期間は1年半。それだけの
月日を費やしただけの重みを、
しかと感じ取らせてもらいました。
作品紹介文にあるとおり、
まさに極上の心理サスペンス。
先はまったく読めませんでした。
もっともエンドロールが流れ始めても、
答えがわからなく、鳥肌をたてながら、
どういうことなんだ?と考え続けていたんですけどね(苦笑)
殺し屋という鬱蒼とした
闇社会を描いて描いて描き続け、最後にやってくる
明るい陽光と日食がこしらえる暗闇のコントラスト
この作品を象徴する
最高のクライマックス。
おもわずごくりと生唾を飲み込んでしまうのでした・・・。
☆彡 ☆彡
配給会社欄の記載がありませんので、
日本公開は現時点では未定の様子。
断言はできませんが、これだけの
お客様が集まったのですから、採算は
とれるのではないでしょうか。
配給会社の皆様、
是非、日本でのロードショー公開をお願いいたします。
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