「実在に基づいたフィクションでありドキュメンタリー?」ペルシャ猫を誰も知らない s'il vous plaît!さんの映画レビュー(感想・評価)
実在に基づいたフィクションでありドキュメンタリー?
映画を見れば明らかですが、イランではヨーロッパ的な色彩の強い音楽や映画等の表現にたいする当局の規制がかなり厳しいのが現状。それもこの映画のように政府の方針を批判するような映画であれば撮影許可がでないのは当たり前で、インタビューによればゴバディ監督は無許可で撮影を敢行したそうです。撮影が発覚し当局に拘束されればどれだけの処罰を受けるかわかりません。そんな状況でこの映画を撮り切り、世界中の映画館で公開されるところまでこぎ着けたこと自体に、日本やアメリカで作った映画では決して持ち得ないような大きな意義があると思います。
内容面では中盤が退屈であるとかラストシーンが唐突であるとか批判的な意見もありますが、この映画を見れば作り手の「なんとしてもイランのミュージシャンや映画人がおかれている状況を世界の人に知らせたい」という熱い思いが伝わってくることは間違いないです。
見に行って損はない映画だと思います。
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