完全なる報復のレビュー・感想・評価
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不完全で未熟な世界
男たちは命をかけて何を学んだのだろう
ともに愛する家族がいる
しかしどこで二人は違う道に分かれたのだろう
自分の才能を社会のために使う二人
家族を奪われても仕返しではなく法で裁いてほしかった男
法に従い自分の仕事をおこなった男
家族を殺されて法で裁かれても納得はいかないだろう
たとえその手で復讐したとしても悲しみは消えない
真っ当に法で裁かれてはじめて自分に折り合いをつけるように自分を納得させるしかない
その罪を決めるために何がなされたのか
それすらも法に守られている
所詮は人が作り出したルールでしかない
信じられない人々が多くいるから、ルールを作りその枠の中で生きればそこそこ安心、その程度だろう
信じ合い信頼していればそこにたいしたルールなど要らなくなるだろう
野生の王国にはそれがある
つまらない罪など存在しない
ごくごくシンプルな欲求しかないからかもしれない
この作品に出てくる二人に正しさはない
一人は罪を犯しもう一人はその罪を生涯背負うことになる
それをわからせる為の偽物の話
法に携わる者にどのように映るのだろう
たぶん、へとも思わないのだろうな
法社会を逆手にとった問題作
ジェイミーフォックス扮するエリート検事ニックライスは有罪率を96%を誇っていた。法廷で立証出来なければ意味がないと考えていた。
司法取引によって罪が軽くなるのは是か否か。遺族からするとたまらない場合があるね。報復したくなるのも当然かも。司法取引で犯罪者が出てしまうのもやむを得ないのかな。死刑を皆で見るのはまた何とも言えんね。法社会を逆手にとった問題作かな。
【”目には目を。歯には歯を。そして、愚かなる司法取引の果てに惹き起こされた事。”愛する妻子を惨殺された男が10年掛けて行った報復を描いた作品。】
■フィラデルフィアが舞台。
妻子と幸せに暮らすクライド(ジェラルド・バトラー)の自宅にある夜、二人の暴漢が侵入。
家族を殺害した犯人は逮捕されるが、検事のニック(ジェイミー・フォックス)が司法取引したため、犯人の一人は、極刑を免れる結果になる。
10年後、怒りに燃えるクライドは犯人のみならず事件関係者に壮絶な復讐を計画し、牢獄内から次々に実行していく。
◆感想
・クライドが10年掛けて、報復のために準備していた事の壮大さに彼の怒りが見える作品である。
・故に、ジェラルド・バトラーが好きという事もあるが、彼のクレバーさに唸った作品である。
・アメリカの司法制度の不備を暴くため、犯人だけでなく関係者全員を標的にした点も斬新である。
<本当に大切な人を殺された男の無念の思いを、ジェラルド・バトラーが好演している作品である。
司法取引などと言う制度は、即刻撤廃すべきだと学生時代から思っていたが、他国の制度ゆえに、静観していた。
だが、日本でも2014年に司法取引制度が新設された時には心底腹が立ったモノである。
今作のラスト、ジェラルド・バトラー演じるクライドが、亡き娘の”DADDY”と記されたネックレスを手に炎に包まれて行く姿は哀切であった作品である。>
不完全なる報復
邦題がミスマッチなので、本来なら表題のようにすべきだろう。原題は「法に従う市民」であり、内容に対して実に皮肉が効いている。
残念ながら、凶悪犯罪を起こす人間はその生育環境が劣悪であったり、社会のあらゆるセーフティーネットからも漏れた結果、歪んだ人格を形成し、他人に危害を加えることがある。これはほとんどの国で見られる現象であろう。
貧富の差やネグレクトなど、様々な要因で犯罪者が生まれるが、生まれながらの犯罪者は存在しない。誰も犯罪者になりたくてなるわけではない。彼らの置かれた状況が犯罪者を作り出す。本作の凶悪犯ダービーもやはりそういった生育環境に育った一人だろう。
近年先進国ではほとんど死刑制度が廃止されている。人権意識が高い国ほどそうである。何故なら先に述べた通り、死刑に値する凶悪犯罪を犯した人間にも事情があり、そして人権もある。
人権を重んじるはずの国がそれに反する人権侵害の最たる刑罰である死刑を実行することに矛盾を感じたからこそ死刑制度を廃止したのであろう。
だが、死刑にしないということは犯人の更生に向き合わなければならない。果たして通常人では考えられないほどの凶悪事件を起こした犯人を更生させる術を社会は持ち合わせているだろうか。
裁判所は刑期を定めて言い渡すだけ。刑務所は刑期が満了になれば解放する。それで更生して社会に順応できるかといえば、受刑者の多くは再犯で再び刑務所に戻ることとなる。
犯人の歪んだ人格を矯正出来るシステムが未だ社会では構築できてないのだ。
完全なる報復という邦題に値する内容としては本作の犯人であるダービーを更生させ、社会に復帰させることであろう。そうすることにより二度と同じような悲劇が生じない社会を作ってゆくことこそ完全なる報復の文言にふさわしい。
ただ、本作はアメリカ映画、それもサスペンス映画なので、堅苦しいことは言いっこなし。やはり被害者が凶悪犯に報復する様は見ていて溜飲が下がるのも否定できない。
しかし、単純な娯楽作として本作をとらえてもやはり不完全なる報復と言わざるを得ない。作品ラストで娘の発表会を見るニックの客席の下には爆弾が仕掛けられていて、そこで終わりとしたなら、邦題に相応しい作品にはなったであろう。
妻子を殺され、主犯は司法取引で数年でシャバに。男の復讐が始まった。...
妻子を殺され、主犯は司法取引で数年でシャバに。男の復讐が始まった。
よくある復讐劇かと思った。しかし本作、ここから様相が違ってくる。この復讐、なんともやりすぎなのだ。あまりの怖さに目が離せなくなる。そしてもはやどちらが悪かさえ分からなくなるのだ。
細かいところを気にすると終盤ややガッカリするかもしれないが、結末がまたなんとも…それでいいのか、逆じゃあないのか。面白かった。字幕ノーカットでもう一度見る価値あり。
SUN吹替版鑑賞
司法制度の問題点に焦点を当てた復讐劇
予告を観て面白そうだと思い鑑賞。
実際、この映画を鑑賞してみて自分が思っていた以上に面白い作品。
妻子を殺された被害者が、司法制度が抱えている問題点を炙り出すため、緻密な計画のもと徹底して復讐を実施していく内容で見応えが充分あった。
鑑賞後は、司法制度の問題点など色々考えるキッカケを作ってくれる作品でもある。
ネタは抜群
真ん中あたりまでの展開が斬新でリアリティがあり共感もできた。途中からちょっと現実離れした感じになってトーンダウンした。法律の弱点というか盲点というかそういうのがこの映画の目の付け所だったのにアクション映画に転じてしまったのが残念だ。彼の本職は何だったか・・・というあたりからつまんなくなってしまった。そして知的でかっこよかった復讐男が単なるサンシタ悪役みたいになってしまった。
法律の弱点をつく・・ってのは何かマズすぎて当局からストップがかかったのかもしれない 。
殺人の天才
この映画のポイントは殺人鬼なのに同情の余地がある設定なところ。観ていてちょっと複雑な気持ちになります。
もちろん実際にこんな殺人の天才がいたら恐ろしいですが、まあ映画の世界ですからハラハラドキドキ楽しませていただきました。
全然期待してなかったけど、これはなかなか骨のある作品。凶悪犯を野放...
全然期待してなかったけど、これはなかなか骨のある作品。凶悪犯を野放しにすることになる司法取引という悪しき制度に問題提起するために、妻と子供を殺された被害者が取った手段のパラドックスに思わず唸ってしまう。色々用意周到すぎるところはあるけど、観賞後に考えさせられる実りのある作品だと思った。
天才による復讐劇
理不尽に妻子を殺害された挙句、有罪率を重視するあまり司法取引による大幅な減刑を遺族に相談もせず決定した各関係者及び犯人に対する憤怒、憎悪を描いた作品。
主人公が万能過ぎる感じはしないでもないがそれでも純粋な復讐劇をジェラルドが見事に演じていた。
そしてその復讐という名の犯行でクライドが何を訴えていたのか?それを最終的に見抜き、反撃に出たニックとの攻防が見所。
次は何が起こるのか!?
と、ドキドキしてとてもおもしろかった。
ただ、エンドロールの前のワンシーン、あれは無い方がいいと思いました。自分の過ちもこの殺人に関係していたのに、最後に1人幸せになるシーンはいらんと思います。
序盤に感じたトキメキ!!
「プリズナーズ」のような社会派サスペンスかと思って観たので、中盤からのコレジャナイ感が凄かったです。脚本が「リベリオン」のカート・ウィマーなので、現代を舞台にしてお金をかけないようにしたSFドラマだったという印象です。
出だし快調!ラストは……
ラストまではハラハラドキドキ……
グロテスクなシーンもありますが、ざまーみやがれ!って感じなので、そこまで心は痛まず……
これは、おもしいぞーって真剣に観てましたが、ラストは……あっ、あぁ、はぁー……って感じ。
もったいない!ホントにもったいない!
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