完全なる報復のレビュー・感想・評価
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不完全で未熟な世界
男たちは命をかけて何を学んだのだろう
ともに愛する家族がいる
しかしどこで二人は違う道に分かれたのだろう
自分の才能を社会のために使う二人
家族を奪われても仕返しではなく法で裁いてほしかった男
法に従い自分の仕事をおこなった男
家族を殺されて法で裁かれても納得はいかないだろう
たとえその手で復讐したとしても悲しみは消えない
真っ当に法で裁かれてはじめて自分に折り合いをつけるように自分を納得させるしかない
その罪を決めるために何がなされたのか
それすらも法に守られている
所詮は人が作り出したルールでしかない
信じられない人々が多くいるから、ルールを作りその枠の中で生きればそこそこ安心、その程度だろう
信じ合い信頼していればそこにたいしたルールなど要らなくなるだろう
野生の王国にはそれがある
つまらない罪など存在しない
ごくごくシンプルな欲求しかないからかもしれない
この作品に出てくる二人に正しさはない
一人は罪を犯しもう一人はその罪を生涯背負うことになる
それをわからせる為の偽物の話
法に携わる者にどのように映るのだろう
たぶん、へとも思わないのだろうな
法社会を逆手にとった問題作
【”目には目を。歯には歯を。そして、愚かなる司法取引の果てに惹き起こされた事。”愛する妻子を惨殺された男が10年掛けて行った報復を描いた作品。】
■フィラデルフィアが舞台。
妻子と幸せに暮らすクライド(ジェラルド・バトラー)の自宅にある夜、二人の暴漢が侵入。
家族を殺害した犯人は逮捕されるが、検事のニック(ジェイミー・フォックス)が司法取引したため、犯人の一人は、極刑を免れる結果になる。
10年後、怒りに燃えるクライドは犯人のみならず事件関係者に壮絶な復讐を計画し、牢獄内から次々に実行していく。
◆感想
・クライドが10年掛けて、報復のために準備していた事の壮大さに彼の怒りが見える作品である。
・故に、ジェラルド・バトラーが好きという事もあるが、彼のクレバーさに唸った作品である。
・アメリカの司法制度の不備を暴くため、犯人だけでなく関係者全員を標的にした点も斬新である。
<本当に大切な人を殺された男の無念の思いを、ジェラルド・バトラーが好演している作品である。
司法取引などと言う制度は、即刻撤廃すべきだと学生時代から思っていたが、他国の制度ゆえに、静観していた。
だが、日本でも2014年に司法取引制度が新設された時には心底腹が立ったモノである。
今作のラスト、ジェラルド・バトラー演じるクライドが、亡き娘の”DADDY”と記されたネックレスを手に炎に包まれて行く姿は哀切であった作品である。>
不完全なる報復
邦題がミスマッチなので、本来なら表題のようにすべきだろう。原題は「法に従う市民」であり、内容に対して実に皮肉が効いている。
残念ながら、凶悪犯罪を起こす人間はその生育環境が劣悪であったり、社会のあらゆるセーフティーネットからも漏れた結果、歪んだ人格を形成し、他人に危害を加えることがある。これはほとんどの国で見られる現象であろう。
貧富の差やネグレクトなど、様々な要因で犯罪者が生まれるが、生まれながらの犯罪者は存在しない。誰も犯罪者になりたくてなるわけではない。彼らの置かれた状況が犯罪者を作り出す。本作の凶悪犯ダービーもやはりそういった生育環境に育った一人だろう。
近年先進国ではほとんど死刑制度が廃止されている。人権意識が高い国ほどそうである。何故なら先に述べた通り、死刑に値する凶悪犯罪を犯した人間にも事情があり、そして人権もある。
人権を重んじるはずの国がそれに反する人権侵害の最たる刑罰である死刑を実行することに矛盾を感じたからこそ死刑制度を廃止したのであろう。
だが、死刑にしないということは犯人の更生に向き合わなければならない。果たして通常人では考えられないほどの凶悪事件を起こした犯人を更生させる術を社会は持ち合わせているだろうか。
裁判所は刑期を定めて言い渡すだけ。刑務所は刑期が満了になれば解放する。それで更生して社会に順応できるかといえば、受刑者の多くは再犯で再び刑務所に戻ることとなる。
犯人の歪んだ人格を矯正出来るシステムが未だ社会では構築できてないのだ。
完全なる報復という邦題に値する内容としては本作の犯人であるダービーを更生させ、社会に復帰させることであろう。そうすることにより二度と同じような悲劇が生じない社会を作ってゆくことこそ完全なる報復の文言にふさわしい。
ただ、本作はアメリカ映画、それもサスペンス映画なので、堅苦しいことは言いっこなし。やはり被害者が凶悪犯に報復する様は見ていて溜飲が下がるのも否定できない。
しかし、単純な娯楽作として本作をとらえてもやはり不完全なる報復と言わざるを得ない。作品ラストで娘の発表会を見るニックの客席の下には爆弾が仕掛けられていて、そこで終わりとしたなら、邦題に相応しい作品にはなったであろう。
妻子を殺され、主犯は司法取引で数年でシャバに。男の復讐が始まった。...
司法制度の問題点に焦点を当てた復讐劇
ネタは抜群
殺人の天才
全然期待してなかったけど、これはなかなか骨のある作品。凶悪犯を野放...
天才による復讐劇
序盤に感じたトキメキ!!
「プリズナーズ」のような社会派サスペンスかと思って観たので、中盤からのコレジャナイ感が凄かったです。脚本が「リベリオン」のカート・ウィマーなので、現代を舞台にしてお金をかけないようにしたSFドラマだったという印象です。
出だし快調!ラストは……
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