「敢然なる復讐。」完全なる報復 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
敢然なる復讐。
目の付けどころが斬新で、非常に興味を引かれた作品。
司法制度の在り方や取引の実態、それによってどれだけ
遺族の心が引き裂かれるかを思い知らされる作品。
ただまぁ…けっこう凄いんですね、復讐のやり方が^^;
グロいのなんの、血まみれ豊富、そこまでやるのか!?
という展開に後半はほとんど、唖然…という状態ですが。
さて、J・バトラー氏。いいですねー!このヒト。
アクションからコメディから歌から恋愛モノまで何でもやる!
こういう捨て身?の俳優がやればこそ!の役どころ。
愛する妻と娘を惨殺された男の壮絶な復讐劇が幕を開ける。
…やっている彼自体けっこう知能犯で、用意周到、でも
その結末が万人に納得されるものとはいえないのが惜しい。
あそこまで引っ張って…あ、そうだったの!?という^^;
あの種明かしのシーンでどう思うかが評価の分かれるところ。
しかし映画としては面白い作品だと思う。
ここまでの復讐劇が起こらないにしても、苦涙を飲んで納得
せざるを得ないあの司法取引、自分がその立場だったら、
犯人ぶっ殺してやる!って誰もが思いますからね、当然です。
どうして弱い立場の人間がさらに苦しまなければならないか、
そもそも取引が存在することに納得のいかない部分が多い。
完全なる司法制度なんて、もともと存在しないんだろうが、
重罪者が易々と野放しになる実態のどこに納得しろっての。
というわけで私は楽しめた(勉強にもなった)のだけど、
この非情な主人公にもっと感情移入させる必要があったなら、
冒頭~前半部分で、主人公の人間性をもっと浮き彫りにして
欲しかったなぁ、と。いい仕事人でいい父親であったという、
善き市民がなぜこんな事件を起こすまで追い詰められたか。
彼の心理をもっと追究し、掘り下げてほしかった。
手とか足とか切ったりする場面を減らしても(汗)そっちをね!
でないとただ単に、彼が殺戮者として描かれ終わってしまう。
あの熱演を完全に活かしきれてないところが勿体ないのだ。
(物騒な時代、簡単にドアを開けるのだけはやめましょうね。)