東京島のレビュー・感想・評価
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オラがオラがの「が」を捨てて
映画「東京島」(篠崎誠監督)から。
桐野夏生さんベストセラー小説を映画化ということで期待していたが、
男23人と女1人で無人島で過ごす設定に無理があって、
実はうまく入り込めなかった。
そんな中、大勢の仲間と過ごすコツみたいなフレーズが気になった。
作品の中で、何度か繰り返される、
「オラがオラがの『が』を捨てて、おかげおかげの『げ』で生きろ」
リズムがあって、面白かった。
勿論、初めて耳にした台詞ではない気がしたが、
この映画を思い出すにはこれだな、と思い切って選んでみた。
「が」は「我」であるとも言えるが、
「げ」は「下」「外」「解」「戯」「偈」・・
どんな字が当てはまるのだろうか、そんなことを考えながら観た。
物語後半「チキ」なる女の子が口ずさむ歌は、
「なんにもないけど、なんでもあるよ。
なんでもあるけど、なんにもないよ。何でも、何でも、何でも、何でも」
なるほどなぁ・・とメモをした。
もっとドロドロした人間描写を描かなきゃいけないのに、南国リゾート観光風映画になっちゃった
韓国映画で「ビー・デビル」という映画があって、小島を舞台にドロドロした人間の愛憎劇が描かれていたが、日本でこの手の映画を作ると、何か物足りない。
もっとドロドロした人間関係やねちっこい性描写があってもイイはず。
全く描かれてない訳ではないのだが、何かソフトな感じ。
清子の夫が死んで次の夫を決めるシーンも、男たちを捨てて清子だけ一人中国人と逃げるシーンも、ユル〜イ雰囲気が漂う。
ラストの襲撃シーンは遂に人間関係が崩壊するが、もっともっとドス黒さが欲しかった。
薄幸な役のイメージが多い木村多江が強かな女を演じて面白い。
だけど、一番の儲け役は窪塚洋介。
あの自由奔放な役は存在感を放つ。
中年にキビシイ作品。
原作はまったく知らずに観たのだが、これにはベースとなる
アナタハン島の女王事件というのがあって(すごい!)こちらの
史実を読んでいる方が数倍面白かった…というか怖かった^^;
まぁなんというか…どんな女だろうと(木村多江じゃなくても)
あんな状況下になれば、男は皆ひとりの女に集るだろうな~。
いわゆる性的な欲求が強く描かれる話になるのかと思いきや、
なんだかコメディタッチでけっこう支離滅裂、あり得ない話に
仕上げきったところが…良いのか悪いのか、といったところ。
私は正直、主人公の女にもっと共感できる要素があるのだと
思い込んでいた。彼女が男から自立して大活躍する話になる、
なんて勝手に想像していたもんだから、アレまぁ…という感じ。
でも結局、こんな立場は経験してみなければ分からないけど。
生きるか死ぬか、永住するのか出ていくのか、一瞬の判断が
自分の命を左右するギリギリのサバイバル合戦である。
男を武器にしようが、女を盾にふるまおうが、生きるためなら
何だってやるさ!という感情の表し方が功を奏し誰もが巧い。
だが…よくよく考えればその大量に上陸するフリーター軍団は
過酷なバイトから逃げてきた連中なので、男らしいはずがない。
そんな奴らから1人選んだところで、寸での所で逃げ出すはず。
後半に出てくるワケ分からないフィリピーナや、謎の中国人達
の方が(汚いけれど)よっぽどサバイバル精神にのっとっている。
なんかこう、見たくない人間行動をトロピカルなコメディ感覚で
ややブラックに魅せているところが微妙に笑える(失笑だけど^^;)
物語は…私的にすごく長く感じた。え?まだ続くの?みたいな。
もうそのへんで終わらせといたらどうですか、と言いたくなる位
どうしようもない展開が延々と続くが、確かに無人島で毎日を
を過ごしていたら、こんな時間が延々と続くんだろう…と納得
しつつ、だからってなんなんすか、あのラストは?感も否めず。。
無人島に舞い降りた感覚の新しいコメディなのかもしれないが、
グロテスクでもエロでもなく、真っ白なTシャツを着てワイワイと
やっているのが、お祭り映画だったんだ、という印象を受けた。
まぁ…都会だろうと無人島だろうと、人生はサバイバルです。
木村多江は思ったよりキレイで(あ、すいません)ノーメイクでも
アップに耐えられる品の良い御顔立ちである。
だから鏡を見て呆然とする場面は不自然かと思ったりもして^^;
窪塚、福士、柄本、阿部、と若手も豪華。
比べて夫役の鶴見辰吾があれだけの出番というのにも泣ける。
東京も東京島も中年にはキビシイ、ってことなんでしょうかねぇ。
(アナタなら、たんぱく源を何から摂りますか?夢に出そうだぁぁ)
原作より好き。
試写会行って来ました!
よかったですよ。
試写会行く前に原作も読んだんですが、
原作の主人公と、映画の主人公は別物と考えた方がいいと思うし、
映画のほうがより人間らしく、共感が持てますね!
無人島で暮らしていて、
明日どうなるかわかんないのに、意外と楽観的な主人公がとっても好きでした。
超★オススメってわけでもないけど、
観ていて損はない感じです。
思うに、原作知らずに観た方がおもしろいかも?と
個人的には思いましたとさ。
支離滅裂な女の話
中途半端で消化不良。
リアルか、ファンタジーか、
どっちつかずな描き方に、イライラする。
事故で漂着したのでも、世捨て人でもない一団は、
「必死で脱出する努力」もしなければ、
「島で生きていく覚悟」も希薄で、
それが現代っ子、と言いたいのかもしれないけど、
サバイバルムービーではなく、キャンプだろコレ。
タフな女としての表現も安直で、その上、
命からがら子供を守ったわりに、
双子を離ればなれにしたまま助けに行かず、
10年ものうのうと暮らす意味不明さ。
最後にはワタナベの影をチラつかせるも、
放置でエンディングへもっていくテキトーぶり。
原作は未読だが、
映画のために味付けを変えたという窪塚のキャラも
まんま何の意外性もなく、そこから察するに、
映画化によって大きくツマラナくしてしまったのではないか?
福士誠治をはじめ、いい素材もいっぱいあっただろうに、
いろいろもったいない。
原作よりスッキリ
一番良かったのは双子の顔。この二人の顔だけは原作から想像できなかった。
子供って、希望だなと改めて思った。
映画のコピーの「サバイバル」感も「解放」感もブラジャーが台無しにしていました。
殺人動機にもなる男の性欲も、女であることの武器もナマクラ。
食欲の表現を頑張っていたけど、木村多江さんの根の上品さが露呈。
肉も男も喰らって欲しかった。
サバイバルなら「ヤノマミ」、自己解放なら身勝手な「ハリウッド映画」
原作のワタナベは愛したことも愛されたことも無いからこその見捨てる行為。
窪塚さんは変人ですが、愛の経験や人の良さでにじみ出てしまっていたための違和感。
この違和感が最も言えるのは木村多江さん、人が良すぎます。助けに行くでしょう、木村さんなら。
もっと身勝手でふてぶてしく憎たらしい清子、母になりさらに狡猾になる清子を観たかった。
逆に良心はあるがChikiを守るために無かったことを選択する感じでもなかったラストシーン…。
エルメスは良かったな、色んな象徴で。映画っぽい説得力。
でも、原作も映画も扱っているテーマが普遍なのでこんな表現もあるなと楽しめました。
何もかもが中途半端
原作は未読なのですが、
・主人公は46歳の太った中年主婦
・男達が彼女を奪い合う。
・ほとんどの男と肉体関係を持つ。
・段々と傲慢な女王様になっていく。
という内容だとは確認していた為、
主人公役が木村多江さんという時点で原作とのギャップがありありで、
作品中も「ババァ!」と言われるのが違和感が有るくらいお綺麗で若いのです。
中身に関しても、
主人公の旦那以外は島での生活を受け入れており、
半ば楽しんでいるようにしか見えず、
島には食料となるものがちゃんと有るため、
生きるか死ぬかの緊迫感はほとんど有りませんでした。
全員が着ている服も妙に綺麗で。
あと性的なシーンは全くと言っていいほど無く、
エロを期待して観ると怒りが沸くでしょう。
緊迫感無し、エロ無し。
これで二時間超え。
途中眠たくなりました。
少々の笑いも何もかもが中途半端。
最後に、
何で助けに行かないのか理解不能で腹がたつ!
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