「社会派時代劇」桜田門外ノ変 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
社会派時代劇
今年公開の時代劇の中では、おそらく一番の大作。監督は「新幹線大爆破」「男たちの大和」の佐藤純ヤなので(「北京原人」は忘れるとして)、期待して観に行ったのだが…。
重厚感たっぷりの堂々たる演出はさすが。オープンセットも素晴らしく、本格時代劇としては申し分ない。
「桜田門外の変」自体は前半で描き、後半は事件の経緯や首謀者たちの顛末を描く。国の将来を案じる為とはいえ、残酷な言い方だが、彼らはテロリスト。そんな彼らを英雄視せず、過酷な逃亡生活やテロ行為への冷徹な報復などをあくまでも淡々と描き、どこか虚しさを誘う。
しかし、あまりにも重厚過ぎて、少し難しいのが残念。彼らが凶行に走らざるをえなかった理由などが今一つ伝わって来なかった。「十三人の刺客」とまでは言わないが、もっとエンタメ度が欲しかった。
重厚な映画を観たい人にはオススメ。
それにしても、alanが歌うと何でも名曲に聞こえる。
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