「時代の変革、その狭間で。」桜田門外ノ変 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
時代の変革、その狭間で。
Amazon Prime Videoで鑑賞。
原作は未読です。
タイトルは「桜田門外ノ変」ですが、それがクライマックスと云うわけではなく、始まって3分の1の辺りで変が勃発し、それ以降は事件前後の水戸浪士たちの動きを、時系列を交互に組み合わせながら描くと云う趣向の作品でした。
大作請負人の異名を取る佐藤純彌監督最後の作品なだけあって、桜田門の周囲を再現した大規模なオープンセットや、大沢たかおを初めとした演技派の豪華キャスト陣と云った、まさに超大作の趣きのある映画に仕上がっており、感無量でした。
尊皇攘夷を旗印に、幕府の大老を暗殺すると云う空前のテロを敢行した水戸浪士たち。事前の根回しでは彼らの思想に賛同する藩もあり、井伊直弼暗殺成功の暁には京で挙兵し、帝を拝し奉って攘夷を決行する手はずでしたが、暗殺は成功したものの、時局が熟していなかったためか掌を返したように賛同を約束した諸藩に見限られ、次第に追い詰められていきました。
水戸藩にも裏切られ、帰る場所を失い、次々と捕らえられていく桜田烈士。ある者は変当日に壮絶な戦死を遂げ、ある者は捕縛前に切腹し果て、ある者は斬首に処せられ…。どれほど多くの血が流されたことでしょう。どれほど無念だったことか。烈士それぞれの末路を冷徹に、そして畏敬の念を籠めて描いていたため、何度も目頭が熱くなりました。
この出来事が維新の原動力のひとつとなったことは間違い無く、彼らの理想とは違ったかもしれないけれど、今の日本の礎となったことを忘れてはならないと思いました。
※鑑賞記録
2022/05/04:時代劇専門チャンネル
賢いレビュー、勉強になりました。
何でもっとしっかりと根回しやら、しなかったんでしょう。
時期尚早。しかし、維新の原動力?
井伊大老、偉い人は、本当に首を斬られる。😥作り物でしたがあのシーン、怖かったし、
大沢たかおたちも落武者の頭で刑場に行き、直後想像させた処刑。
首ばかり斬るので、和洋問わずゾッとします。