「2回目の鑑賞」SPACE BATTLESHIP ヤマト U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
2回目の鑑賞
アニメの実写化ではなくて…と言ってもオリジナルストーリーでもない。
が…無しではない。
公開当時も観たのだけれど、どうやらレビューを書き出す以前だったみたいだ。初見の感想は「なんだこりゃ?」だった。
キャラの設定が大幅に違うし、期待値の方が高かったのだと思われる。
見返してみても、アレは古代進ではないし、森雪でもない。だからアナザーストーリーでもない。
で、じゃあダメダメかと言うとそうでもない。
期待値が低い状態の今見てみたら、泣けた。
地球の裏側に到達する程、盛大にツッコミたい部分はあるけれど、泣けた。
そこで思うのは原作の優秀さだった。
日本人の何かに突き刺さるのだろう。
乗組員を初めて見殺しにした後にキスすんのかいっ!とか、地球に帰還する直前にあんなバカデカいガミラス艦に気づかなかったんかい!とか、数万は下らないガミラス兵がテレサに会った以降はほぼ出てこなかったりとか、殺傷能力までありそうな勢いでツッコミを入れたいところは多々ある。
戦闘機の軌道とか主砲の駆動速度とかもね。
1番は何と言っても、古代だ。
古代進だ。
古代進は古代進であって、木村拓哉ではないのだ。
何故にニヤつく?
アレさえなきゃなぁと非常に残念に思う。
作品としては盛大に「アニメとは違うんです!」の主張をかましては来てて、そこは飲み込まなきゃいけないとは思うのだけど…古代だけは間違いだと思われる。
アレを彼は全作品でやるので…始末が悪い。
古代進にだけ与えられた仕草ではないのだ。
物語的には往路がメインで復路は無視するくらいの勢いではあるものの…何話もある重厚のストーリーを2時間の尺に収まるはずはなく脚本的にはまとまってたように思う。
西田さんとか良かったなぁ…。
なんかこの作品を見て思うのは、日本の業界自体がアニメやコミックの映像化を軽んじてるようにも思う事だ。「所詮、少年漫画だし」みたいな。
でも人生訓とかはいっぱい詰まってるモノもあるし、漫画やアニメに多少なりとも影響は受けてるはずだ。
なんでスパイダーマンみたいにならないんだろう?
日本人にはとても難しい事なのだろうか?
なんかどっかでナメてかかってるようにも感じる。「鉄道員」とかと何が違うんだ?
突拍子もない設定に対応しきれないのだろうか?
どうにも釈然としない。
話しは逸れたけど、やっぱり当初感じたように古代進の違和感を払拭するまでには至らなかった。
見直してみて、悪くなかっただけに残念だった。