劇場公開日 2010年12月1日

SPACE BATTLESHIP ヤマト : インタビュー

2010年11月29日更新

黒木メイサ、先を見据える飽くなき探究心

壮大なスケールとストーリー、斬新な設定でアニメの概念を覆した「宇宙戦艦ヤマト」は、1974年に放送されると一大ブームを巻き起こし、社会現象と化した。その国民的アニメを、「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督、木村拓哉主演で「SPACE BATTLESHIP ヤマト」として実写映画化。同作のヒロイン・森雪を演じた黒木メイサに話を聞いた。(取材・文:編集部、写真:堀弥生)

(C)2010「SPACE BATTLESHIP ヤマト」製作委員会
(C)2010「SPACE BATTLESHIP ヤマト」製作委員会

黒木演じる森雪は、オリジナルの設定ではヤマトのレーダー手兼生活班長だが、映画ではブラックタイガー隊のエースパイロットという役どころだ。アニメが放送された74年に黒木は生まれておらず、同作に対して、故阿久悠さんが作詞を手がけた主題歌「宇宙戦艦ヤマト」と、船が飛んでいるイメージしかなかったというのも無理はない。それでも、「外でご飯を食べているときも、知らない人が『森雪、頑張ってください』と声をかけてくださったんです。今まで原作ものにも出演させていただいていますが、これまでにない反応でしたね」とファンの強い思い入れを実感したときのことを振り返った。

製作が発表されると同時に、ファンの間ではキャスティングに関する憶測が飛び交っただけに、注目度の高さは黒木も十分に自覚していた。ましてや、森雪は“ヤマト世代”でなくても認識できるほどの人気キャラクター。だからこそ、「オリジナルの森雪と、台本を読んで抱いた森雪の印象が違っていたので、監督と話をしながら台本に忠実に演じました」と冷静さを忘れず役に入り込むことが出来た。

クランクイン前にはプレッシャーも感じていたというが、「木村さんが古代進として現場にいてくださいました。私はクランクインが遅かったのですが、合流したときには“ヤマト”の空気感が出来ていて、巻き込んでもらったので、撮入前ほどのプレッシャーというのは消えていましたね」と振り返る。

映画版の森雪のキャラクターは、見た目の美ぼうとは裏腹に男勝りな性格で一目置かれている点では、オリジナルの設定を踏襲している。木村扮する古代にあこがれて地球防衛軍に入隊したが、時期を同じくして古代が除隊。裏切られたという葛藤(かっとう)を抱き続けていたため、復隊しても何かと反発してしまう。そんな役どころに対して、どういうアプローチで相対したのだろうか。

「気が張っていたり強がっている部分が、古代さんと接していくなかでちょっとずつ心を開いていく。私は強そうにしている人ほど、突かれたら倒れてしまう弱い部分があるんじゃないかと思っているんです。森雪の変化については、古代さんが戻ってきてから時間が経っていくなかで意識しながら演じたつもりです」

その木村とは、今回が初共演。また、山崎努柳葉敏郎西田敏行らベテラン勢もずらりと顔をそろえた。豪華な共演者たちとの撮影は、黒木に大きな刺激をもたらしたようで「木村さんとご一緒させていただいて、現場の空気のつくり方というか、真ん中に立って先頭きって突き進んでいく姿勢。そしてスタッフさんも含めて全員が同じところを目指しているんだな……というのを強く感じた現場だったので、とても勉強になりましたね」と真しな眼差(まなざ)しで語る。

(C)2010「SPACE BATTLESHIP ヤマト」製作委員会
(C)2010「SPACE BATTLESHIP ヤマト」製作委員会

黒木は今年、今作と中島信也監督作「矢島美容室 THE MOVIE 夢をつかまネバダ」という全くジャンルの異なる映画に出演。さらに、ドラマ「新参者」、舞台「飛龍伝2010 ラストプリンセス」と演技の幅をこれまで以上に広げている。今作について、「お客さんに見てもらわないと完成しないと思うので、そこから新しい何かが見えてくるかもしれませんね」と公開が待ち切れない様子。今後についても、「影があったりとか、メリハリのある役をやってみたいですね。今回の“ヤマト”もそうですが、タイミングや縁もあると思うので、これからも出合った作品には全力を注いで演じていきたいですね」と、どこまでも謙虚に先を見据えていた。

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