鉄男 THE BULLET MANのレビュー・感想・評価
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【”湧きおこる怒り。そして、哀しき歪なるトランスフォーマー。”塚本晋也監督が自身のオリジナル作品を英語版に作り替え、世界に叩きつけた極北のアヴァンギャルドなる作品。】
■東京の外資系企業に勤めるアメリカ人・アンソニーは妻ゆり子と三歳の息子・トムと安らかに暮らしていた。
ある日、トムが”ヤツ”の車に轢かれて息絶え、妻は逆上する。
しかし、アンソニーは冷静に努めようとしていたが、夫婦間には溝が生まれ、ストレスを抱え、怒りに満ちたアンソニーの体に変化が起こる。
◆感想
・物凄い熱量である。オリジナル“鉄男”の要素を取り入れながら、新たなる”鉄男”がここにある。
・アンソニーにとっては、理不尽で不可解で許しがたい過去が明らかになる時に、彼は歪なるトランスフォーマーとして、覚醒するのである。
<高精細・高解像を究極まで高め、色彩の鮮やかさと強度を向上させた極彩世界は圧巻である。>
もしハリウッドがリメイクしたら?版
シリーズ3作目。
あまり期待してなかったが結構いい!!
99パー英語で“英語で撮る必要性ない”と海外で指摘を受けたらしいけど、
主人公が白人、日本在住の設定で、英語でも、あまり違和感なく、
思ってたより、スケールや特撮も、しっかりしてて、
もしハリウッドがリメイクしたら…
って感じです。
実際ハリウッドがリメイクの話が過去あったらしく、
『シザーハンズ』直後のジョニー・デップでリメイクの話や、
タランティーノ監督がリメイクを熱望し、ティム・ロス起用が打診されたり、
どっちも実現寸前だったっていうから、スゴイですね♪
シリーズ3作すべて観たけど、1→3→2の順に、いいかな?
結構よかった♪
もう1回観よう(笑)
ドリルじゃないヤーツ
な、なんじゃこりゃ〜!映像のインパクトが、なんかスッゲーぞっ。破茶滅茶だ、ビックリしたわ。映画?いやいや、これはスタイリッシュなアート作品です!モノクロ映像でチープさをぶっ飛ばし、ブレブレのカメラに音楽をのせて躍動感を演出しているのが◎このドリルなし版も好き
ただただ圧巻
30周年記念リバイバル上映で1・2を観てきたのですが、3はどうしても都合が合わなくて行けませんでした。
なのですが割と最近DVDを見直したこともあり、当時のレビューを元に新たに起こしてみました。
まず技術的な進歩をすごく感じます。
画面がとても綺麗で、音もかなりクリアです。
特に突出してたのはその音響でしょう。音が良いだけでなく、音圧がものすごいんですね。
私は今現在でも本作以上の音に出会った事はありません。
とにかく轟音に次ぐ轟音でした。
監督自身自ら劇場で音調整しているだけあってあって、そのバランスが素晴らしかった。
不快になるギリギリまで攻めてくるんです。
そして今作もやはり「鉄男」、あの凄まじい映像と轟音は健在です。
全編を通して様々な要素を、圧倒的な物量で打ち込まれるような感じです。
そして私は役者としての塚本晋也も大好きです。目つきや台詞回しが本当格好良い、もういい歳なのに何であんなに艶っぽいんでしょうか。
今作は監督自身も言ってようにハリウッド色を強く意識した作りで、これまでの作品のどれより話が明瞭でした。
それもあってかエログロを抑え、スタイリッシュな感じを持たせています。
もちろん今回も独特なカメラワークや、“やつ”との対決をたっぷりと魅せてくれました。
それにしても、シリーズ毎に形を変えながらもしっかりと「鉄男」なのが嬉しい。最後の最後まで楽しませてもらえました。
さて、公開当時観に行った時は舞台挨拶回だったのです。
その時、結構面白い話が聞けました。
当時タランティーノやブラピから話が来てたのは知っていたのですが、何とディズニーからもオファーが来てたようですよ。
あのディズニーが「鉄男」をどのように仕上げるのか、結構気になりました。
それと当時の記事にも出てましたけど、デ・ニーロ起用の「鉄男4」。
実際デ・ニーロに会った際にオファーしたようです。
まぁ多分うやむやになるでしょうけど…。
でも個人的に一番好きな役者なので、今でも少し期待してたりします。
「鉄男」シリーズはもとより塚本作品でも比較的キャッチーな本作。
まだ 「鉄男」を観た事無い人には、入りやすいこちらをおすすめします。
とはいえこちらも紛う方なく「鉄男」。
ただただ圧巻です。
離れられない
鉄男という世界観が壮大になりながらも規模は小さく、ここまで来ると塚本晋也のオリジナリティも希薄に、初期の粗く雑な初期衝動が暴力としてのPUNKな印象も台無し、個人的な解釈ではあるけれど。
田口トモロヲでは引っ張らないチョットの出演、三作共通として"ヤツ"は同一人物でよろしいのか、最後は塚本晋也と二人で一つが定番に、これで満足か!?
久々に見た桃生亜希子、素敵な女優さんでもっと活躍する姿を期待したいモンだが。
莫大な予算があれば四度目の"鉄男"に挑戦する気力は残っているのか、聞いてみたい。
鉄男English Ver.
塚本晋也監督2010年の作品。
監督の代名詞作品の第3弾となるが、これまた話に繋がりはナシのNEWバージョン。
日本で平凡なサラリーマンとしと暮らすアンソニーは妻子と共に幸せな日々を送っていたが、謎の男に息子を殺される。
怒りに満ち、自分の出生の秘密を知った時、彼の身体が鉄と化す。
父親も関与していた“TETSUO PROJECT”により鉄の身体の人工人間に改造されていた…!
話的には『Ⅱ』をベース。
監督演じる謎の男とのバトル、壮絶な復讐が始まる…!
日本が舞台だが在日アメリカ人が主役なので、邦画なのに台詞はほぼ英語。
世界的人気を誇る塚本作品の世界視野を入れての事だろう。
単純でもあり、話は有って無いようであり、よく分からないようでもあるいつもながらの世界観。
『Ⅱ』から18年。特殊メイクや特殊技術は格段に進歩。
塚本×鉄男ワールドは怒涛の進化を遂げる…!
魂をゆさぶる
前作前前作の経験を踏まえ、さらに娯楽精神に徹した意欲作。
わたしは深読み派なのですが、ともかく映像のスタイルが確立されていて、美学が画面のすみずみまで行き届いています。音楽も中毒性があり、ライブ感があります。アメリカ人を主演に持って来たことが、期せずして日本人とアメリカ人の関係を描くこととなりました。
家族を愛する平凡なアメリカ人の中にある破壊衝動を押さえ込まなければ、世界は壊滅する。
まさに世界状況の暗喩となりました。
また、世界破壊シーンの美しさは特筆に値します。よじれねじれるように細かな薄片が飛び真っ白い光が世界を浸食する、実に詩的なイメージでした。
塚本さんは映像作家として非常にオシャレに進化しました。
インディペンデント映画として最高の内容であることはもちろん、商業映画のなかでも独特の光を放つ名作と思いました。また、造形デザインも非常に素晴らしいものでした。
脳みそがマヒする濃密71分
なぜ主人公が鉄の塊になるのかという説明も一応あり、1作目『鉄男』ほどの不条理さはなく、ストーリー性が増した。アクションも満載で愛もあり、塚本作品にしてはエンターテインメント路線。それでも異色な映画には違いないが……。
好き嫌いは別として、あの爆音、爆圧がクセになるという人がいるのは理解できる。もはや脳みそがマヒしてしまう、ある種の中毒性があるように感じる。耳をふさぎ、顔をしかめるのではなく、そのままゆだねてしまえばいいのでは。71分とは思えない疲労度に、劇場を出てから深呼吸。
NINは蛇足な気が…。
観ましたトークショー込みで。
アバターの三倍と言うほどでは
ありませんでしたが、
目まぐるしい映像と爆音で、
アバターよりは十分疲弊しました。
鉄男シリーズと言うのは、
その時代時代の塚本監督の
アグレッシブさに特化した
健康診断の様なものな気がします。
と、いう意味では
音像の衝動的な暴れっぷりは、
まだまだ健康です。と、言う事を
アピールしてくれています。
話の内容的には、
これまでの鉄男と比べると
より明確な起承転結があり、その中で
鉄男がどうして鉄男になったのか。
が、語られていますが。
ストーリーなんてのはどうでもいい
作品のような気がします。
ストーリー云々よりも
映像と音に圧倒され、
なんかよく分からんけど、すげえ。
と言う余韻が残るのが
鉄男の良き所だと個人的には思います。
また、爆音上映との事ですが。
折角劇場で観るのだから
アクション、SF、ホラーなんかだと
どの映画もこのくらい
爆音でやってくれて良いのにと思います。
観ている時にレビューで是非書こうと
思っていたのですけれども。
トークショーにて、塚本監督に
「鉄男シリーズは、
ライブを観る感覚を意識して
創っているのです」
と、先に言われてしまったので
「もう書けない」と、思ったけれども、
結局書きますが。
ライブを観ている様な感覚に陥る映画です。
力みすぎたのでは…?
オリジナル版が登場した時の衝撃は今でも忘れることはない。
ジェットコースターのような展開とノイズにまみれた映像。
音楽や効果音は爆弾そのもの。
しかし、あれから20年近くを経て再生した鉄男にはどこか空回りな印象が否めない。稚拙なガンアクションをごまかすかのように振り回すカメラ。
観客を驚かすのように突然鳴り響く不気味な効果音にもゲンナリ。
進化したのは鉄のビジュアルだけだろうか?
冷たく人間を見下ろす都市のビル群を吹き飛ばす破壊力を、
かつてのサイバーパンクの申し子はもはや持ち合わせていないように
感じてしまった。
塚本晋也監督がハリウッドと組んだ新たなる『鉄男』
塚本晋也監督が89、92年に続き、ハリウッドと組んで制作した新たなる『鉄男』
舞台はTOKYO、アメリカ人俳優エリック・ボシック演じるアンソニーは、日本人妻ゆり子(桃生亜希子)と3歳の息子トムと暮らしていた。
ある日、アンソニーの目の前でトムは謎の男の車にひき殺された。
遣り場のない怒りに苦悩する彼は、これが父ライドが過去に行っていた極秘研究が関係していると知る。
そして、妻が去って、独りとなったアンソニーを謎の武装集団が襲う…。
塚本晋也監督自身が俳優として出ています。かなり重要な役で。
鮮やかな色を排したモノトーンの映像は、白黒映画のようで、過剰なまでの大音響が体を揺るがし、劇場に響く。
早送りのような映像の中で、不気味で奇怪な鉄男が覚醒する…。
好き嫌いが分かれる映画です。
監督は日本にこだわり、日本で撮影し、アンソニー父子以外は日本人俳優。
そのため、前作と同じイメージになってますが、アメリカを舞台にしても面白かったんじゃないかなと思いました。
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