「マイケル・ムーアが贈るザ・マネーショー!!」キャピタリズム マネーは踊る septakaさんの映画レビュー(感想・評価)
マイケル・ムーアが贈るザ・マネーショー!!
好き嫌いが
ハッキリ出そうな作品だなぁ。
私は“好き”派だけど・・・。
直近作品
『シッコ』がダメだった人は
鑑賞しないほうが懸命でしょう。
そのとき以上にマイケル・ムーア監督が出演しまくっていますし、
資本主義、社会主義などの用語を用い自論も展開しまくっていますから。
一応括りは
ドキュメンタリーになるのでしょうが、
切り取り対象に監督色が非常に濃くでています。
“限りなくドキュメンタリーに近しい映画”
この表現が一番シックリ来るような気がしました。
◇ ◇
〈 人生は思い通りにならないとのすり込み 〉
「世界の金融は米国の財閥が牛耳っている」
某日本人の著書に、このような文章が書かれていました。
日本のバブル崩壊、イラクとの戦争。
すべて米国の財閥が書いたシナリオ通りだと。
あとからこじつけなんていくらでもできるわい!と
読み終わったあとブックオフに叩き売ってしまいましたが、
今作を鑑賞してみると、あながちウソにも思えなくなってしまいました。
「米国金融機関救済のため国民の税金を投入」
しかし、その後はニュースで報じられている通り、
一般市民と比べるとありえない高額報酬を得ていたことがわかり非難轟々。
オバマ大統領立候補の際も金融機関は保身のため裏側から妨害国策。
だが、米国民はCHANGEを願いオバマさんを大統領に選んだのです
(その後の迷走ぶりは一旦おいておきましょう。みなさん結果を急ぎすぎです。
初めて尽くしなんですから、多少は多めに見てあげましょう。日本も同じかな)。
すると、国会議員が金融機関に反旗を翻す、
「金融機関に住居を差し押さえられたみなさん。立ち退かないで下さい」
続いて、住民に立ち退きを迫っていた
ある地域の保安官も立ち上がりはじめた
「本日より住民への立ち退き業務を一切中止する」
極めつけが、契約解除を通達された工場従業員
工場へ立てこもり、正当な賃金を要求。なんと
それは全国メディアにもとりあげられ、ついには
オバマ大統領までもが「従業員の主張が正しい」と擁護。従業員側が全面勝利。
〈 富裕層が怖がるのは民衆が立ち上がったとき。
なぜなら貧富に差があっても選挙の1票に差はないから 〉
オバマ大統領が誕生したその瞬間に、それは芽吹き始めていたのです。
◇ ◇
最後に戦慄が走ったのは
会社が自社で雇用した従業員に
受取人を会社にし、死亡保険をかけていた、その事実。
つまり、会社社員の死亡率が高くなれば高くなるほど儲かるということ。
ありえないでしょう。
裁判社会の米国ですが、
裁判には持ち込めないのでしょうか。
☆彡 ☆彡
他にもお金にまつわる
日本では考えられない出来事が紹介されます。
キリストを使った風刺コントには
声を出して、笑ってしまいました。
「米国失業率が改善した」
それを材料に、このところの日本の株価は上昇しています。
「日本もアメリカの真似をすると大変なことになるよ」と
マイケル・ムーア監督は警鐘を鳴らしていますが、真似する
以前に世界に類を見ないデフレ中の日本に、それだけの体力があるのかどうか。
政治上の関係もギクシャクしています。
今度は是非
日本のデフレについてのドキュメンタリーを作ってください。
う~~ん、かなり陰鬱な映画になりそうだな(苦笑)