ニュームーン トワイライト・サーガ : インタビュー
クリス・ワイツ監督インタビュー
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――では、そんな三角関係を演じた俳優たちについてお伺いします。まずは今回ベラを失って苦悩するエドワードを演じたロバート・パティンソンさんとは、キャラクターを構築する上でどんな話をしましたか?
「ベラと別れるという誤った選択をしてしまったエドワードは、後悔するあまり自殺しようとしてしまう。今回はそういう“人間臭さ”を出そうと思ったんだ。それと同時にバンパイアである神秘性も失わないように心がけたよ。この点で僕とロバートの考えは一致していたけど、残念ながらスタジオは主人公が悩んだり落ち込んだりする話を好まないんだ(笑)。だからエドワードの苦悩をいかに魅力的に描くかを2人で考えていったんだ」
――エドワードに突然別れを告げられ、ジェイコブとの間で揺れるベラに扮したクリステン・スチュワートに、監督からアドバイスしたことはありますか?
「クリステンは撮影の初日から自分がどうすべきか分かっていた。彼女は原作をかなり読み込んでキャラクターを深く理解して、しごく真面目に捉えて演じていたよ。僕の役目は彼女のアイディアの聞いてあげることぐらいだった。それよりも、ファンやマスコミの過剰な注目から彼女を守る必要があったから、彼女が演技に集中できる環境を整えることに徹していたよ」
――テイラー・ロートナー扮するジェイコブは、前作から比べて一番変化がある役ですが、彼にはどんな演出をつけたのですか?
「最初に言っておくと、ジェイコブがあれほど筋骨隆々になったのは、テイラー自身のアイディアだ。というのも、原作でジェイコブは約2メートルの大男に成長するので、2作目でテイラーを起用すべきか議論になったんだ。僕自身はキャストを変えるつもりはなかったんだけど、彼はスタジオを納得させるためのアピールとして、『僕はこんなにジェイコブ役に入れこんでます』と、自ら率先して身体を作りこんできたんだ。
演技の面でいうと、本来のテイラーは楽天家タイプだから、ジェイコブが抱える怒りを表現するのにかなり苦労していた。そんな彼が何に一番怒りを覚えていたかというと、極寒のバンクーバーでほとんど裸の状態で演技させられたことだ(笑)。さらに水をかぶって演技しなければいけないシーンもあって、あまりの寒さが彼の怒りを生み出してくれたという訳さ(笑)」