「表面上だけの仲良しごっこの真意」パレード(2010) 鯨さんの映画レビュー(感想・評価)
表面上だけの仲良しごっこの真意
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隣人やそばにいる恋人、友達の、自分の知らない一面や裏側があるということをそれぞれの視点から描いた作品。
ルームシェアしている4人の男女。
仲よさげに見えるが、表面上だけ取り繕い、何を考えているかが読めない。
自堕落大学生の良介は好きだった先輩の彼女とやってしまい、二股をかけられている。
無職で日がな一日ふらふらしている琴美は人気俳優と付き合っていて、働かないのは呼び出しにすぐ答えられるようにするため。
未来は自称イラストレーターで、ゲイバーで呑んだくれては記憶をなくす日々。
直樹は映画の会社で世界と戦い、健康オタクでジョギングも欠かさない。
そこに得体の知れないサトルがやってくる。
突然現れて屈託ない感じで4人の中に入り込んできて、馴染んでいくが、その正体を怪しんだ直樹があとをつけると思ってもみなかった行動に出ていることがわかる。
実際は人畜無害そうな1番エリートの直樹の正体が明かされた時ゾッとするのかと思ったが、本当はみんなが"知って"いて、知っていてなお毎日同じように過ごしていることに恐怖を覚える。
原作の吉田修一のパレードは好きな作品なので、どんなもんか手を出しにくかったけれど、作品の中の温度感とか雰囲気をうまく映像に表現してくれていてよかった。
キャストも豪華で、それぞれの役柄に違和感なく入り込めた。特に香里奈はドラマなどではあまりよい評判がないイメージがあるが、こういった酔っ払っているシーンをやらせたら強いなと思った。
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