「黒い限界を超えて。」ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
黒い限界を超えて。
まさかこの作品で、泣くとは思わなかった^^;
いや~感無量。こんな痛快作だとは題名から思いつかん。
それにしてもなんでやけに長い題名、と思ったら
もともとは2ちゃんねるへの書き込みが原作なのらしい。
私はまた、ブラック会社!?というタイトルから
その経営自体が怪しい会社なのだと勝手に推測していた。
あ、いや…怪しいといえばそんな要素もあるのだが^^;
経営が怪しいというより、働く側からみてあり得ない会社。
こんな会社を選ぶはずないだろ、という意味だったのね。
…でも選んでしまった。これって皆そうなんじゃないだろか。
だってこのご時世。仕事にありつけるだけでも有り難い。
だいたい仕事なんて、働いて初めて分かることなんだから。
いちいち漫画チックにその実態が明かされていくところ、
ほとんどこれはコメディだ。と思っていた。
そしてこの調子でずっと小池徹平が散々な目に遭うのだと
いま流行のゆるい?笑いのブラックコメディだと(それもある)
本当にタカをくくっていた。
…ところが!
違うのだ。ものすごく切ない。ものすごく共感できる。
この主人公ほどではないにしても(プログラマさんは真実?)
なんでこんなに過酷な労働条件で、来る日も来る日も働いて
働いて働いて働いて…なのに少ない○○。って、泣ける!!
そりゃぁ、限界もくるわな。。
少し前まで、この主人公はニートだった。
いじめをうけ不登校になり、引きこもり、家族に心配をかけた。
一念発起して働こうとした矢先、母親が事故で死んでしまう。
あとで分かることだが、父親もリストラに遭っていた。
もう後がない!こんなことってあるのか?と思う不幸の羅列が
主人公を襲い、無責任な同僚たちへの我慢も限界になる。
学歴詐称を疑われ、差別までされる。どんなに頑張っても所詮
人は学歴でしかモノを見ないのか。仕事は成果を挙げたのに。
それでも諦めないで頑張ることに意味があるのか?たった一人
でも、自分を助けてくれる人間がいるから頑張れたってことか?
泣いても喚いてもどうにもならないとはこういうことだ。
なぜかあり得ないこととは思えないくらい観るものに迫るのだ。
実は自分の会社も(こんなではないが)よく似ている。
プログラマさんは(もちろん私は違う)身近にはいないのだが、
納品だ、〆切りだ、とその脅迫!?に常にビクビクしている。
できないです!ムリです!そう言えたらどんなに楽か…。
下請けは親会社に頭が上がらない。他より少しでも実績を上げ、
こちら側へより多くの発注を出してもらうしかない。キビシイ…。
ブラック会社であろうとなかろうと、毎日頑張っている人への
相当の応援歌になること請け合いの作品だ。スッキリしよう!
しかし小池くん、やたら不運が似合う俳優になったなぁ。。^^;
(品川嫌いな人はもっと嫌いになれる?かなり個性的な顔ぶれ)