劇場公開日 2010年4月23日

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「良くも悪くもザッツ・エンターテイメント!」タイタンの戦い 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5良くも悪くもザッツ・エンターテイメント!

2010年5月11日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

これぞハリウッドエンタメ!!て感じの映画ですわ。

冥界の神ハデスの放つ刺客、襲い掛かる大サソリ群、メデューサとの消耗戦など、アクションシーンは盛り沢山かつ派手。
数多のモンスター、街や遺跡の風景、武器や衣装などの小道具、それらのデザインもどれもクールだし凝っている。
主人公ペルセウスが神を憎むようになる過程や、仲間や家族との絆、神々同士の策略など、様々な要素を孕んだ物語もそつなくまとめられている。
話のスケール感も申し分無い——特に神々の描写。
『パーシー・ジャクソン〜』で登場した神々はモンスターエンジン未満の神々しさしか感じられなかったが(役者は良いんだけどさ)、リーアム・ニーソン等が演じる今回の神々は威厳ありまくり。人類の創造者たる傲慢さ・愚かしさも感じさせて“神々感”全開である。

……けど何かが足りんように思えるんですわ。
アクション、ビジュアル、ストーリー、全てそつなくこなしているが、どれも70〜80点くらいのビミョーなライン。
アクションは目まぐるし過ぎてケレン味が些か損なわれているし、クリーチャーデザインはクールだがオリジナリティでいえば今ひとつ。
なにより、勿体無い使われ方をされるキャラが多いこと!
ペルセウスの仲間となる兵士達、盗賊2人、砂漠の民、またはハデスの放つ刺客、王女アンドロメダ。
物語を重厚にしたり軽妙な味を加える要素に成り得るだろうこれらのキャラが、活かされきれないまま終わるのは実に偲びない。勿論、エンタメ映画として重苦しい要素や小難しい要素を排除したとか、尺の関係とかもあったのだろうが……やはり勿体無い。

しかしひとつ、明らかに他映画に比べて群を抜いていると思える部分があった。
予告編でもインパクト十分だった怪物“クラーケン”だ。こいつが海からゆっくり立ち上がってくるシーンは文句ナシに素晴らしい。重量感といい迫力といい、超大作のクライマックスをバッチリ盛り上げてくれる。僕が観たのは2D版だが、ここだけは確かに、3Dで観る価値アリと言えそう。
なんでもルイ・レテリエ監督は『ゴジラ』リメイク版の監督候補に挙がっているとかいう噂だが、なるほど重量感や迫力といった部分だけは期待できるかも知れない。

という訳で、難しいこと考えずに楽しめるという点では出来の良いエンタメ映画でした。GWに観るならピッタリの映画……もうGW終わっちゃったけど。

<2010/4/25鑑賞>

浮遊きびなご