劇場公開日 2010年7月3日

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「下品なのに面白い!、のは「メリーに首ったけ」以来か」ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い こもねこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5下品なのに面白い!、のは「メリーに首ったけ」以来か

2010年8月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

やたら下品な映画だ。コメディだが下品すぎて、笑いも可笑しくてというより、失笑だった。良い子にはとても見せられないと思う。しかし、面白さという点では、今年のアメリカ映画の中でも随一、かもしれない。

 結婚を控えた男と友人たちが繰り広げるバチェラーパーティの出来事、という内容は、アメリカのコメディではかなりありふれたものだ。なのに、ゴールデングローブ賞のコメデイ部門作品賞をとるくらいに評価されたのは、物語の組み立て方、監督や脚本の構成力によるところが大きい。

 この作品の物語は、パーティをやっていた連中が夜の記憶をほとんど失ってしまうこと、そして途中で結婚する男がいなくなってしまうこと、が核になっており、記憶を取り戻すことと男を探すことが主なのだが、いろいろなゲストキャラが出てきても、その核から一歩も踏み外していない演出は評価に値いすると思う。だから、映画全体の印象としては、キャラはすべて破天荒でメチャメチャなのに、サスペンスのようにも感じられる、というのは、新味あふれるものだった。

そしてキャラの下品さ、にはいちいち驚かされたが、なぜか爽やかなものを感じられたのが、この作品の印象をさらに良くしている。そんなコメデイは、「メリーに首ったけ」以来ではないだろうか。
 「メリー…」の場合は、キャメロン・ディアスの魅力に引っ張られて、下品な演出やキャラも気にならないものだったが、今回の作品の場合、下品なのに嫌味がない、という点が良かったと思う。アメリカのコメディが日本でうけないのは、嫌味たらしいキャラが多いばかりで、観ていて不愉快きわまりなくなるのだが、この作品では、下品だらけなのに不愉快になることはほとんどなかった。

 コメディは、観客が愉快になれば成功だ。その意味で、この作品は大成功だし、近年を代表するコメディ映画だと思う。ただ、もうちょっと、ゲラゲラ笑えるような演出があってもよかったかとは思うが…。

こもねこ