インフォーマント!のレビュー・感想・評価
全14件を表示
面白いような よくわからないような
脚本が悪いので、どこまでが真実で、誰が何をどうしようとしているのか、非常にわかりづらいです。会社幹部、FBI、弁護士、司法省などの様々な人物のそれそれの立場と思惑が交錯したままで整理されていないので、彼が単なる大ウソつきだってことも、予備知識ナシだとなかなか理解できません。
ただ、全編コメディ調の音楽に乗せてそれなりの軽快感で進んでゆくのでストレスは過少でした。
してやられました・・
ソダーバーグ監督にしてやられました、監督は「エリン・ブロコビッチ」で公害訴訟の傑作を作っていますし、主人公が好青年のマット・デイモンだから勝手に善い人と思い込んで今回も大企業の不正を暴く社会派ミステリーと錯覚してしまうでしょう。
マット・デイモンは変な髭をつけているし、ふざけたモノローグを入れるので興が削がれるのだが、これは怪しい映画ですよと、観客を騙すことへの監督のエキスキューズだったのかもしれませんね。
リジンという動物飼料添加物の国際的カルテル事件は日本の味の素と協和発酵も関与していた実話ですね。主人公のマーク・ウィットエーカーは26歳でコーネル大学で栄養生化学の博士号を取得、ドイツの大手化学会社エボニックインダストリーズに就職し若くして副社長を務めたのち32歳でADM社のバイオ製品部門の責任者に就いていますから超エリートですね。
その割にはすぐばれるような嘘ばかりでは子供じみてみえますし、クレジットにも誇張とありましたので映画がどこまで真実か疑問です。
FBIに内部告発し国際的な巨大カルテル摘発の功労者であることは事実ですが、自身の横領も暴かれて失脚では白けますね、カルテル事件より重い量刑を課せられるのは弁護士の腕の差かも知れません。それにしてもマットの頭の変貌ぶりは何と言うことでしょう、元からカツラで騙していたのかと疑心暗鬼に輪を掛けられました・・。
アメリカ社会が不思議なのは2006年に出所したマーク・ウィットエーカーがカリフォルニアのバイオテクノロジー企業であるCypress社の社長に収まっていることです。
ニッサンのゴーン事件もそうですが司法取引がらみの経済事犯は真相が分かりずらいですね。
一体何がしたかったのか…?
インフォーマント=内部告発者的な意味合いでしょうか。
事態を収めるために嘘をつき、その嘘を取り繕うためにまた嘘をつく。
雪だるま式に増えて行く嘘のオンパレードに、彼は何処まで耐えられたのか?
こんな簡単に口から嘘が飛び出てくることが不思議です。
息を吐くように嘘をつく
ソダーバーグ監督の作品は、面白いなあと思ったり苦手だったり個人的にはいろいろなのだが
この映画を観た時は素直に面白い!!!と思った。
ひたすら男が嘘をつきまくる話で…。(嘘つきっていうより寧ろ精神的な病いを患っていた)
どんどん膨らむ嘘の図々しさ、ここまでくると騙されちゃった方も悪いよねえ…とすら思えてくる。
人間、真面目な顔で嘘をつかれると、どうしても騙されちゃう訳である。なかなか仮面は見破れない。
この映画自体だって、内部告発系の社会派ドラマの仮面を被っていて、観客をちょっと騙そうとしていた。
(ソダーバーグ監督って社会派の仮面を多用しすぎるなあとも思う。)
この映画、社会派企業コメディとして観たらつまらないかもしれないけど、
何で人は騙されるのか?というシンプルな視点で観たら結構面白かった。
騙されるのは、自分を過信してるから? それとも他人への同情で?
そもそも人は自分に都合の良い話を求めているから、騙されやすいってこと?
何はともあれ嘘をガップリと描いたソダーバーグは面白いと思った。
--
あと本作では、マット・デーモンがとても活き活きと嘘つき男を演じていて楽しかった。
以前、マットが「リプリー」で嘘つきな主役を演じた時は、あまりの精彩の欠きっぷりにドンヨリとしたが、本作はとても良かった。このふてぶてしさで「リプリー」をやれば良かったのにと心底思った。
ハゲ
1月20日に恵比寿で観て来ました。マット・デーモンの新境地ですね。
冴えないデブ親父っぷりは見事です。
この映画のためにほんとにデブったとか…。
特に物語とあまり関係ない事をナレーションするとことかいいですね。
だってこういうことみんな考えてしまうじゃないですか?
007の2倍デキル男は嘘に嘘を重ねて破綻…でもエリートであることには変わりは無いから服役後は企業のCEOになっちゃうんだなぁ…
よくできた実話。センスは光るけど。。。
とある食品企業の不正において、
企業とFBIの二重スパイとなり、私腹を肥やした
とんでもない知恵の持ち主の話。
あまりにうまく運びすぎる物事にもう笑うしかない。
巧みな話術で人々のこころを見事に操るウィテカーの手口が軽快。
音楽やクレジットの文字のセンスとかも◎
笑いについても、どかっていう笑いはないけど、
うまーくできてるなぁって感じでした
でも逆に言うと、これ!といってこころをつかまれるポイントはなかったかも
優等生ゆえに。。。
というところでしょうか
悪くないけど、特別良くもない。
そんな印象。
期待ハズレやった・・・ by 情報提供者より
これで、アメリカ人は笑えるのかな?
笑いの文化の違いではない気がするんだけどなぁ・・・
印象の選択箇所がないなぁ。”つまらない”かなぁ(苦笑)
上映終了後に
この感想を吐露したところ
「アメリカでは有名な事件だから」と教えてくれた人がいました。
だとするなら、アメリカでは受け入れられたのかもしれません。
ただ、ここは日本です。アメリカではありません
(ダメだ『ゴールデンスランバー』のセリフが出るとは。まだ抜け切れてないな)。
音楽が、ひたすらコミカルなのに、
内容が、全然笑えない。アメリカのコメディドラマみたいに、
笑い声、かぶせちゃえよ!ここまできたら!!と突っ込みたくなりました(苦笑)
主人公の困った性格(病気)も
前勤めていた職場にソックリな人がいて、
そいつを思い出してムカムカしちゃいまして、
余計に笑うどころではなくなってしまいました。
☆彡 ☆彡
マット・デイモンは、この役のために
体重を20キロ増やしたと聞きました。
ズラを意識した、細かい演技は冴え渡っていましたが、
上手すぎるがゆえに、いらぬ記憶を思い出す破目になってしまいました(苦笑)
そのあっぱれな、
プロ役者根性を称えて、
C+とさせていただきます。
ソダーバーグの持ち味が生きた痛快作
映画の内容について正確に語る自信はとてもないが、これが実話をベースにしたストーリーで、目先のことしか考えられないお調子者の男によって、FBIやアメリカ、そして日本の大企業をも巻き込んだ大事件に発展してしまった、というその事実が、そもそもこの上なく面白い。
ソダーバーグは、もともと実験的な映画を好む監督で、多くの観客が望むような分かりやすい作品とは正反対の作品を撮る、という嗜好がある監督だと思うのだけど、本作で彼が取った手法は、まさにそういった感じで、観客の気持ちをすかしつつ、主人公のマーク・ウィテカーという奇妙で、それでいて実に人間臭いキャラクターを飄々と描いている。
また、主演のマット・デイモンが体重を増やしてまで役作りをしているが、悪知恵は働くものの、でもネジが抜けている男を軽やかに演じていて、その上手さに舌を巻く。ということで、映画ファンなら必見。
面白い!それでもAを付けない理由は・・・
「ジェイソン・ボーン」シリーズを始め、
アクション俳優としての一面を持つマット・デイモン
「エリン・ブロコビッチ」や「チェ」二部作など、
実在の人物をコッテリ描くのに長けた監督ソダーバーグ
その二人がタッグを組み実話基づいた社会派コメディを作った
そう聞いただけで実にそそられ興味津々、
一体どんな作品なのかあえてそれ以上は情報を持たずに鑑賞した。
マット・デイモン扮するマーク・ウィテカー、
生化学者にして農業関係の大企業ADMの重役、
そんな彼が日本企業(協和発酵や味の素!)との闇カルテルを内部告発
FBIと協力し証拠集めに奔走するのだが、
彼自身の犯罪も明るみに出て事件は思わぬ展開をしていく・・・
設定だけ見ると重厚なストーリーを感じさせるが列記としたブラックコメディ
実話をベースにした興味深い人間性を見せるマーク・ウィテカーと
それに関わった人々のお話だ。
開始序盤はややのんびりした進みに退屈に感じていたが、
マークという人間の違和感が見え隠れしてくると、俄然話は動き出す。
大企業で立派な地位を気づいた男という肩書きと
育ちが良くて人の良さそうな太っちょな風貌も手伝って、
この男1人がFBIや弁護士をブンブン振り回し始める
演じるマット・デイモンは役作りのためプックリ太って
見事に風変わりでつかみ所がないくせに憎めないという難物になりきった。
何でも、役作りは食べて寝て太るだけだから簡単だったそうだが、
あのジェイソン・ボーンのどこか鋭い部分は完全に曲線になり、
役者ってすげえ・・・と今更ながら思わされた。
そこに何ともおかしなBGMがこの映画を彩り、
人を食ったマークにピッタリのコミカルな雰囲気がかもし出された。
007気取りのくだりや、隠しカメラの調子を確かめるシーンなど、
真面目なコミカルさに何度もため息に近い失笑を起こさせられる。
また中盤からの話の展開はとても上手い。
いったい真実は何なんだ?という疑問に興味を抱かされ、
それが何となく見えたと思ったら、さらに話は膨らんでいき、
見えそうに思えた話の底はなかなか見えてこない。
そして、マークという小さな雪玉は、
止まることなく転がり続けどんどん大きくなっていく。
そうなるといざ壊れるときの破壊力はその大きさの分だけ大きくなる。
いったい彼はどうなっていくのか?
唖然としつつも、いつの間にかその行方に目が離せなくなっている。
思い出したのは、小学生の頃についたつまらないウソ。
持っていない人気ゲームをやったと皆に自慢した。
取り繕っていくうちに自分でも何がなんだかわからなくなった。
幸いだったのは途中で 「ウソついてごめんなさい」 を言えたこと。
もし、バレなければ最悪で良心の呵責すら麻痺してしまったかもしれない。
それは痛い目に有って学習した今だからこそいえることだ。
マークはそんな痛みを知らない小学生と何ら変わらない。
その純真無垢ともいえる奇妙奇天烈な男、彼は確実に病気だ。
最初は彼を面白がっていたが、
だんだん強い苛立ちを感じ、
さらに最後は気の毒にすら感じてしまった。
今まで良くある映画とは違った面白さのある作品だと思う。
しかし、コレだけ褒めつつもAはつけがたい。
理由は単純、オレはマーク・ウィテカーみたいなヤツが大嫌いだからだ。
でもそう感情を揺さぶられたのはよく出来ている映画だった証拠だろう。 2000円
微妙
マットデイモンだし、実在の人物だと思うと、こんな人が本当にいたんだぁ的な感じで、呆れながらも、私は飽きなく見れたけど、FBIとか内部告発と言った単語から、ちょっとスリルを求めると、ダメかも。
ミニシアター公開は、正解かもしれません。
おもしろいっちゃあ、おもしろい。けど、、、
映画のもとになった事件を知っていないと分かりにくいかも。
それと、マット・デイモンは大好きだけど
「ボーンシリーズ」のマット・デイモンが好きだから今回はイマイチ。
sexyじゃなーい!!!
場面展開に乏しい退屈な作品でした。芝居でも嘘八百を聞かさせられるのは苦痛ですね。
インフォーマント!とは告げ口屋。企業の闇カルテルを内部告発する人物は、通常この手の企業ドラマであれば、ヒーローとなり得るし、告発に至るまでがサスペンスとして描かれることでしょう。マット・デイモン主演とあって、そんな期待感で試写会に臨みました。
ところが、本作は、ウィテカーが次々に放つ嘘八百を垂れ流すハチャメチャ・コメディだったのです。社会派実録映画のような展開を期待していた小地蔵の予想は完全に外れました。しかも主役のマット・デイモンは役作りのためわざわざ15キロも太って、単なるオッサンに変身!ラストで登場する10年たった禿頭の主人公の姿は、絶対にマット・デイモンとは思えないことでしょう。
しかもデイモンが演じるマーク・ウィテカーは支離滅裂な男。嘘の上に嘘を固めて、FBIを翻弄してしまう人物だったのです。
ウィテカーは生化学の博士であり、ADMという大企業の重役であったため彼の語り口は、一見まともに聞こえるから始末に悪い(^^ゞそんなウィテカーに振り回されるFBIも仕方がないことでしょう。
けれども観客にはウィテカーが語っていることが変だということがすぐ分かってしまいます。セリフ中心で、ウィテカーはとにかくしゃべりまくります。ある程度観客まで騙してくれるのならいざしも、最初からバレバレでウィテカーの虚言癖を見せつけられては、C調男のどこまで本当か分からないご託に付き合わされてヘキヘキとしました。
とにかく場面展開が少なく、ずっとどこかのオフィスでウィテカーがしゃべったり、取り調べを受けたりするシーンが多いのです。途中で飽きが来て、うたた寝をする人が結構いたのも無理からぬことでしょう。
思い起こせば昨年のソダーバーグ監督作品である『チェ 28歳の革命』でも、ストーリー上の説明が皆無なので、ものすごく筋について行けない作品でした。この監督は、観客目線というのをどこか無視して、自分の世界に没入してしまっているのではないでしょうか。
もっと違う描き方をすれば面白くなったはずです。
ところで、本作は実話を元に作られていて、味の素なんか実名で登場するので、企業としてはいい迷惑でしょうね。しかし、実際でも90年代に味の素と協和発酵などが談合でFBIに摘発された事件を基にしています。
ウィテカーの数多くの嘘のなかで、本当だったのが闇カルテルの存在。談合の現場の証拠となったのは、本作では録音テープになっていましたが、実際はビデオによる隠し撮りだったようです。
そんなわけでウィテカーは、自らも横領事件を犯してはいたものの、それも捜査協力によるストレスが原因とする彼の言い分にも同情の余地はあるとは思えます。
ウィテカーを最初からダーティなヒーローと決めつけず、彼の一見でたらめな言い分に即して、ストーリーをシリアスに展開させたほうがかえって面白かったのではないかと思えました。
全14件を表示