「のちの名優たちが寄ってたかっても」クヒオ大佐 まるさんの映画レビュー(感想・評価)
のちの名優たちが寄ってたかっても
つまらない映画だった。
主役級で大河や日本アカデミー賞などを席巻するようになる演技派の俳優たちがゴロゴロ出てくるのだけれど、それでもどうにもならなかった。
実在するクヒオの話自体がそもそも出落ちみたいなものなので、話の膨らませようもない。
早大の先輩後輩の内野聖陽と堺雅人は真田丸で家康と真田信繁役で共演、そういう目でみると胸熱である。
また、松雪泰子は容疑者Xの献身でお弁当屋で働いていて、ここでもお弁当屋か!と変な共通点に気付いた。
その程度でしか楽しめなかった、というのが正直な感想。
蛇足だが、クヒオ逮捕の記憶をすこし。
84年、子供の頃だったが、クヒオなる結婚詐欺師が逮捕されたと新聞に載り、家族で大笑いした記憶がある。写真を見てどこからどうみても初老の汚い日本人だったが、これに騙される女性たちがいるという事実に驚愕した。被害者たちには申し訳ないが話全てが滑稽だった。
映画化と聞き、堺雅人では若過ぎるのではと思ったが、84年時にクヒオは42歳なので問題なかった。実在するクヒオは老け顔だったのになぜ詐欺が成立したのか謎である。
99年まで複数回逮捕され、今現在も現役詐欺らしい。本人の中ではクヒオがリアルに置き換わっているのだろうか、反省してはいない。
堺雅人は役作りの仕方がわからず、撮影が終わっても全く人物像を理解できないと言っていた。そういう人物を演じるのは、演技派でも難しいのだろう。
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