つみきのいえのレビュー・感想・評価
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えっ!日本アカデミー賞の間違いじゃない!?
一夜にして、床上浸水するような所にいつまでも住んでは駄目だ。この映画を見て、海面の上昇と見る人は、もう一度、小学校の理科を復習されたし。
スキューバダイビングは、この年齢の老人にはこの深度のダイビングは無理。僕もやったことがあるが、22メートル潜って、鼓膜が破れた。耳抜きはキチンとしよう。
船が通過するが、相変わらず石炭を焚いて航海している。煙がばっかばっか履いている。
電気が贅沢に使われているが、ソーラーパネルもなく、どういった方法で供給しているのか?
娘夫婦から離れて、命がけで地盤沈下の激しい地に住む頑固な老人の話。こう言った場所にそ『プラン75』が必要だ…
老人の孤独や人生観を表しているのだろうが、ベタで稚拙すぎる。こんなんで哀愁にひたっていたら、命がいくらあっても足らない。
地球温暖化をテーマにするなら、もう少し研究してもらいたい。日本人やアメリカ人やフランス人はだませても、ドイツ人は騙されないと思うよ。
先へ進むために置いていったものを思い出す
アマゾンプライムビデオで鑑賞。事前知識は全くありませんでした。
アカデミー賞の短編アニメーション部門受賞やアヌシー国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞するなど、世界的に高い評価を受ける作品です。
12分という非常に短い上映時間
絵本がそのまま動き出したような温かい作画
心が救われるような素晴らしいストーリー
これは本当に素晴らしい映画でした。絵本のような絵柄なので子供向けのように思えてしまうかもしれませんが、これは多分大人にこそ刺さる内容の映画です。隙間時間に気軽に観られるような上映時間ですので、ぜひ多くの人に観てみてほしいです。
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日に日に海面が上昇していく世界。人々は、まるで積み木を積み上げるように家を上へ上へと増築して生活していた。そんな不思議な家に住むおじいさんのお話。
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久々に、こんなすさまじい映画を観た気がします。たった12分とは思えないほどに内容が濃くて厚くて、鑑賞後3日ほど経過した今でも心の中にしっかり残り続けている。
海面上昇によって上へ上へと追いやられていく人類の描写も面白いし、そんな中でも順応して普通に生活を送っている人類の逞しさが面白いし、上へ上へと昇り続けてきた家をおじいさんが下へ下へと降りて行く演出が本当に素晴らしい。
おじいさんが下の階へと移動し、彼の妻にあたるおばあさんが使用していたベッドが置き去りにされた階にたどりついた時に、私は全身に鳥肌が立ちました。そしてその瞬間、この映画の正体にようやく気がついたのです。
積み木のようにそびえる家の時間は、下へ下へ行くほどに過去へと繋がっていきます。
そして、未来へ(上の階へ)と昇って行く時に、不要なものを過去に置き去りにしていくのです。
その置き去りにしたものを目にしたおじいさんは、過去をふと思い出します。
人間誰しも、過去にとっても大切にしていたものでも成長とともに置き去りにしている気がします。
子供のころに大切にしていたクマのぬいぐるみとか、暗くなるまで友達と遊んだ野球ボールとバットとか、就職をきっかけに別れてしまった元カノから貰ったアクセサリーとか。あんなに大事にしていたのに、大掃除だったり引っ越しなんかのきっかけで、「要らないから捨てよう」とか思ってしまうわけです。
それら置き去りにしてしまったものも、今の自分を構成している一つの大事な要素です。
つみきのいえのように、我々は過去の礎の上に立っているんです。
過去があるから現在がある。過去の積み重ねが現在につながる。
たった12分の映画で、自分の数十年の人生の振り返りをさせられた気分です。
本当に素晴らしい映画でした。オススメです!!
思い出は海の底
海底から上へ上へと伸びていく家。水面が上昇する度に孤独な老人はレンガを積み重ねて階上に部屋を作っていく。テレビはあるし、ワインもある。時折船も通るし、食糧などの生活必需品には困ることはないようだ。なぜ、そこまでして住み続けるのか・・・
ROBOT制作だし、安心して観ることができる。デフォルメされた曲がった背中のおじいさん。パイプを落としたために船長に潜水服を借りて階下へと潜り・・・
小さな家族の幸せが詰まった家だからこそ住み続ける老人の姿。多分陸地に引っ越すことも出来るのだろうけど、離れるわけにはいかないのだ。
12分という短い作品ながら、思い出は走馬灯のようによみがえる。微笑ましく、温かくさせてくれるけど、同時に自分の将来をも想像してしまい怖くもあった。
パイプと辿る人生
人生、家族の変化、暮らしが詰まったいえ。温暖化で海面が家に迫っては、家に石を積んで階上に新しい家を作り、住み替えて生活を積み上げてきたおじいさん。家の下には過去の家が積み上がって海の中。
そこに潜ってどんどん下に潜っていくと、家を遡るとともに過去も遡って蘇り思い出が溢れて来る。
1人が夫婦になり、夫婦が家族になり、娘が結婚してまた夫婦に戻り、一緒に過ごしてきた妻を看取ってまた1人のおじいさん。積んである家の大きさが、家族の頃は大きいけれど、新しく家を積むと元より小さい面積になるから、どんどん小さくなっているのがおじいさんの人生と重なる。
寂しそうに見えるけれど、最後に注いだワインはおばあさんの分と2人分。この人生一緒に色々あったねって事なのかな。若き日のおじいさんとおばあさんで一緒に積んだ事もあった家の上に、今のおじいさんの暮らしは成り立っている。
海面上昇のために、昔おばあさんと走り回った野原はもう深い海の底で、家の周りは全部海。人との交流にも船が必要。そういう世界にして良いものか、考えさせられる。一方、海面上昇の設定があるから、おじいさんの人生の変化が縦に詰まれてわかりやすい。
終始色鉛筆のタッチがおだやかな懐かしさと寂しさを表現していて、俯瞰で描かれた街の風景は海バージョンのスノーマンや、魔女の宅急便を彷彿とさせる。
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